2015年3月26日木曜日

『まんがタイムきららフォワード』2015年5月号

『まんがタイムきららフォワード』2015年5月号、一昨日の続きです。

夢喰いメリー』、夢魔から逃げる、ひな、みなと、ケン、そしてイチマたちのパーティにメリーが合流ですよ。ああー、イチマちゃんはさすがに顔あわせづらいかあ。こっそり逃げようとして、また転んでしまって、あの不安そうな顔。しかし事態は再会のどうのといってる余裕を与えず、夢魔健在。対抗しようにもメリーには鍵がなく、これ、結構大変な状況ですよね。夢魔ばかりは独自の技を使うけれど、メリーにはその手がなく、ここの頼みは渋い声でしゃべる猫、ジョン・ドゥの手下、アルビレオでありますよ。って、ひょー! かっこいい! シリアスな展開の合間合間にコミカルな表現差し挟んで、けれどそれでテンションが下がらないっていうのは、まさにこの作家の持ち味というやつなのでしょうか。むしろコミカルな描写の中にシリアスがそっと潜んでいて、ああ、イチマの切ない胸のうち。ついにはしめやかに語られるに至りました。気にしているのか。忘れて欲しいのか。けれど思い出しても欲しいのか。せめぎあう思いに揺れるイチマ。その思いに自分たちの境遇重ねるメリー。しみじみとした余韻、胸苦しくも豊かであったと思います。

『そこテストにでます!』、もみじ、真面目そのものといった風貌から、できる子だと思っていたら、違ったのかあ。いやね、前回、好成績を残すよう家族からいわれていたでしょう? さらに磨き上げるとか、そういうのだと思っていたら、違った模様。やばっ…! もう…わからない! ピンチなわけですよ。学校の授業についていけてない。もはや危ないというその状況で、ああ、塾のこと、ひいては数馬のことが生きてくるのだなあ、そう思いました。もみじの気持ち、すんでで数馬に知られてしまいそうになって、いや、いっそのこと打ち明けちまえばよかったのに、とは思うけど、そうはなかなかいかないんでしょうね。そして、もみじ、数馬にマンツーマンで教えてもらって、もう、ほんと、くるくると表情が変わる、実に可愛い子だと思いましたよ。そして数馬のまわりにさらなる女の子の影が! 音羽茜。かえで、いろは、もみじ、名前のわからない人、そしてあかねと、実に華やか。そんな中、ひとり渋さを極めていた塾長にしびれました。

『病めるときも健やかなるときも』、ドール茶会でありますよ。広い庭、大きな館、そしていい天気。部の皆も、そしてニコルとその人形師も参加していて、ええ、これまでの出来事がいい影響を振り撒いているって感じられて、いいですよね。さて、人形が怖い詩李、脂汗流しながらも必死で参加して、その側には姫沙羅の分身、紙人形。これ、後々なにかの問題巻き起こしそうだなあ。そう思ってたら、なんと、こっちからくるのか。そうでした、前回最後に、不穏な雰囲気をともに触れられていました。海外からはるばるやってきたリリー。いばらのブログの愛読者で、そして柘榴のファン。そこまではいい。なんと柘榴そっくりの人形を連れてきた。そして柘榴に同じ衣装を着せて、双子コーデだ、そういって最初こそ盛り上がっていたものの、ああ、これは入れ替わってしまうってやつだな。そんなどころではありませんでした。なんと、最初からそのつもりだったのか。最初から、いばらの柘榴をさらって帰るつもりだったのか。しかし、いばらは自分の手元にいる柘榴に違和感覚えて、いや、きっとちゃんと気付きそうだな。この展開だと、姫沙羅の紙人形、むしろポジティブに関わってきそうですね。

トリガーハッピーウィッチ!』は最終回。グレーターブーリンなる魔法の巨大樹が、極楽堂の地下をまるまる飲み込んで、ああ、皆喰われてしまったっていうのですね。いろいろ盛り沢山の最終回。五十鈴とチーの関係、その始まりのころが描かれたと思えば、アンの助力、マサムネの実力、魔女ギルドの支援があって、メイ、アンの姉妹共闘、和解ときて、最後にチーの本気の本気ですよ。ああ、チーの帽子とマント、その意味するところ、あれはセイフティーだったんですね。かくしてチーの魔法、力いっぱい撃ちまくり。ああ、仲間さえ救出できれば手加減無用ですよね。悲壮感なく、さっぱりとした終わり方は、チーたちの物語を終えるには相応しいものだったと思いました。

『オンリーロンリーヴァンパイア』、こちらも最終回。睦、純のために動きましたね! 純を追い詰める教師たち。そこで一世一代の反抗をして見せる。これまでずっと隠してきた自分の気持ち、諦めてきたことを、この局面で全面に押し出して、そして彼の背を押したのが他ならぬ純だったっていうんですね。睦の言葉に呼応して現れる静流。静流の力あってこその脱出だった、そうは思えるけれど、でも睦と純、ふたりの姿、その気持ちの真摯さ、それがあっての展開、大脱出となった、そう思わされるものあったのですね。静流の気持ちにもついた決着。そしてたくさんの蝶、逃避行。純と睦、ふたりの今の関係と、それからさらにこの先を思わせる、その開かれた感覚。とてもよかったと思います。皆の行き先がクリアになった感がありましたよね。いつか皆が再び会する、そんなこともあるのだろうな、ええ、いいラストでした。

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