『まんがタイムオリジナル』2025年1月号、発売されました。表紙は『となりのフィギュア原型師』。サンタの格好をした滝館おこめが笑顔でプレゼントを配っていますよ! って、そのでっかい梱包、プレゼントいっぱい入れた袋かと思ったら、違うじゃん! 等身大おこめちゃん像なの!? それ、もしや半藤にあげるつもり!? その周辺にあるえにぐまちゃんぬいぐるみ? もかわいいですね。と思ったら、足元にまさかのめんそくん! なんだか毛色が違ってきましたよ!?
今月は新連載が1本です。
『どうにも不器用な夫婦でして。』
植木賞を受賞した小説家、相川義昭は新婚さん。妻、真とは見合いで知りあい結婚したというのですが、その生活を見るに、なかなか相性よさそうなふたりですよ。物静かで内向きな夫。対し妻は元気で前向き、ぐいぐいくるタイプときているんですね。
違う性格だからこそ、互いの足りないところを補いあえる感じでしょうか。かと思ったら、真は義昭の小説のファンで、こういう相手の仕事を尊重できるというところもまたよい相性と感じさせてくれるポイントだったと思うのです。
しかし真さん、愉快でかわいい人ですね。素直に気持ちを表現できる、そうしたところも美点と見えて、考えすぎるきらいのある夫に、率直であっていいと思わせるくだりなんてね、いやもういい関係だなあ! って、こういう間柄って素敵だなあ! って、思わせてくれるところあったのでした。
『となりのフィギュア原型師』
ネガティブにはまりこんでしまっている半藤です。よりにもよってせつかに相談しちゃってるんですが、せつか、いい感じに責任を分散しましたね! 久しぶりの鳩居に、おなじみはぐちゃん、斉藤、代表をも巻き込んで、半藤を悩みから救い出す手立てを探るのですね。
そして代表がやってくれました! ちょうどいい案件がきている! 半藤に任せよう! これがですね無責任な無茶ぶりとかじゃなく、ちゃんと半藤の特性にあった仕事だったからすばらしい。プライズの仕事。手早さとローコストが重視されながらも、クオリティも求められる案件。しかも半藤が好きな『フルリモート在宅ちゃん』。その名を聞いて、やったあ! って、半藤、一気にネガティブから脱して、よかった! けど、超特急の仕事、本当に大丈夫なのかな!?
ここからの半藤のがんばりがすごかったですね。納期の短さをデジタルの力で解決する。これまでコツコツと素材を用意、整理してきた半藤だからこそできた仕事なのでは!? と思わせる説得力。ここに彼の強みというのがばっちり押し出されて、ああ、代表のいうとおり、この仕事が半藤の自信に繋がりましたね。
こうした描写、お仕事漫画として実によいと思う。ええ、一種異色な感じがしても、やっぱりまっとうなお仕事漫画なんですね。
『かつては最強無敵の勇者様~姫には内緒のレベルダウン生活~』
ジュローの魔法、ストレージは大量の物品を収納可能。これ、いずれレベルが下がったら使えなくなるの? その場合取り出せなくなるのか、あるいは一気に全部出てきてしまうのかどちらなんだろう。という疑問はまずは置いておいて、今回はそのストレージの棚卸をします。
もともとは生モノが傷んでしまっちゃってるのではという懸念からだったのですけど、続々出てくる様々な物品に興味が出てくるステラ殿でありますよ。そっとジュローに擦り寄るステラが実にかわいらしい。からの、ジュローの持ち物、その微妙さがまたなんだか面白くって、いやもうなんでそんなもの残しとるの? というか、ストレージに余裕があったらそりゃなんだって残しておくよなあ。なんて、いろいろ触発される設定、描写が楽しかったです。
けれど本番はこれから。ステラ殿、嫉妬でありますか!? ジュローを訊ねてきたふたり組、にあとベリコの存在がステラの心をかき乱す! 自分よりもずっとジュローに近しく親しい、その様子に羨む気持ちが駆り立てられて、そしてついにジュロー殿からジュローさんに呼び方を変化させるにいたった!
自身もより近しくあろうとする、その思いのいじらしさ! でもジュローには通じなくってですね、ステラ殿、ちょっとかわいそうなんですが、それでもステラと一緒に旅をしてたら云々、ジュローから嬉しいこといってもらえて、そしてその夜、その嬉しさのままにいい夢を見るステラ殿なのですね。
ああ、めでたしめでたしですよ。と思ったら、ジュローの荷物から転がり出たどんぐり? なにかの種が芽吹いて、ああこれはなにか波乱の兆しでしょうか。ジュローかステラか、あるいは他の誰かが、ろくでもないことに巻き込まれそうな予感です。
- 『まんがタイムオリジナル』第44巻第1号(2025年1月号)
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