『まんがタイムきらら』2024年12月号、発売されました。表紙は『好都合セミフレンド』。ルカとすうながピンクな衣装で、密着しながらの登場です。いたずらっぽく挑発的に笑ってみせるルカと、対し汗をだらだらかきながら、微妙な笑みをうかべるすうな。なんともいえぬ好対照。この状況だとルカがイニシアティブとってるみたいに見えますよね。そんなふたりの見せる関係性の妙。本編ではどうなのかというのがあるから、よけいに面白く感じてみえる表紙です。
今月は新規ゲストが2本です。
『ほくおう』
最終戦争、ラグナロクのおきなかった世界では、力を失いつつも北欧の神々は今もながらえています。アースガルドの王、オーディンも見目こそは子供のそれになっているけれど健在。しかし元気を失ってしまっていて、そんなオーディンを元気づけようと戦乙女ブリュンヒルデはレッサーパンダ見物に誘うのですね。
そのレッサーパンダ像がおかしい。性格は凶暴で人を襲う。討伐しても百年周期でよみがえる魔獣。というのですが、なんでそんなヤバいのが動物園におるの! でもって、原産地の中国、インド周辺ではなく日本に出現する。北欧の神様、日本くんだりまできてくださるのか。変なことに感心したりしたのですが、ともあれ問題のレッサーパンダ、オーディンの力をもっても退治することはかなわず、というかまるで力を失ってるからしかたないんですけど、いよいよ窮地に追い込まれたか! と思うも、大丈夫、パンダは悪神ロキが化けたニセモノでした。
これ、ロキがオーディンを元気づけるため力を貸してくれたってことなのかな? と思ったら、この漫画はここからが本番? 宇宙からやってきたレッサーパンダたち。故郷の星を失った悲しい地球外生命体というのですが、動物園に安住の地を見出した。そんなパンダたちが最終的にアースガルドに移住希望してくるという落ちまで、ライトでコミカルなナンセンスが楽しい漫画になっていたと思います。
『ヴィランになりたくて』
子供のころからヴィラン、悪役に憧れてきた少女、牧村リマ。ヴィランの邪悪さにこそ魅かれるというのですが、いかなる屈折があるのか、いかなる鬱屈があるのか、と思いきや、なんとまあ素直に育った娘さんじゃありませんか。
そんなリマに力を貸そうという悪魔が現れた。悪魔から怪力に飛行能力という超常的な力を与えられたリマだけれど、じゃあそれでどんな悪事を働こうというのか。口を開いてみれば、驚くほどに小粒なバイトテロレベルの悪事しか出てこない。悪魔にダメ出しされて再度提案してみれば、今度はお菓子の街という楽しそうなのが出てくる始末。ヴィランに憧れはしても、根は全然悪じゃないってのが見え見えなんですね。
そんなリマのヴィラン活動。街に繰り出してみるも、実際に力を行使するよりも設定考えることに夢中。さらには目立って恥ずかしい。そんなリマと悪魔の喧嘩が漫才と思われ人気になって、でもこれヴィラン活動ではないよね!
こうしてまったく結果の出せないリマの活動。ほんとポンコツ、罪のないヴィランであります。
- 『まんがタイムきらら』第22巻第12号(2024年12月号)
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