『まんがタイムきらら』2024年3月号、一昨日の続きです。
『スロウスタート』
光希が大会から返信がこないと心配しています。いつもならすぐに返事があるのに……。と、大会はというとひとり真っ暗な部屋をいったりきたり。雪を見て受験の失敗を思い出し、それ以来調子を崩している模様。しかしそれにしたって返事がない。聞けば予備校にもきていないという。
はたしてどうしたのか。病気? なにかのトラブル!? それぞれに想像してることが違いすぎて、ちょっとおかしかった。いやだって、さすまた持っていくという花名に、たまてったら大会が押さえつけられる様子想像しちゃって、あんまりだぁ! いや、さいわいそういう展開にはならなかったんですけどね。
いや、それよりももっと酷かったといえる。
明かりもつけない部屋のなか、くらがりに座り込んでいる大会。あらゆることに気持ちが向かわない。完全にふさぎこんでいて、雪が怖い、眠ることもできないと、それで不調に沈んでいるのですね。そんな大会に寄り添う花名。ああ、大会にとって花名が、そして他の皆も、救いになるのなら、どんなにか素敵なことだろう。ええ、大会のそばにいるという花名、その切実な思いが大会の助けになること、期待してやみません。
『異世界魔王ごっこ~魔王は姫を倒したくない!~』
どうしても勝てない魔王軍。統率するものがいないため、てんでばらばらに動いて撃破されているのが敗因と見抜いた乃々。ゲームの要領で部隊編成、配置やなんかを考えて、そうしたら部下から大絶賛! さっそくこれを実践しようといわれて、困ったのが乃々。いや、だって、姫と敵対したくない。
なので理由をつけて、単独潜入を図ろうというのですが、そこに欲望の悪魔アヴァリティアがついてくるという。邪魔に思ってる魔王の本音がいい感じ。で、アヴァの能力でうまく潜入できはしたのだけど、やっぱり邪魔だったっていうの。ああ、アヴァの横槍で乃々の思いは誤解され、むしろ警戒を強めてしまってる。いや、人間サイドからしたら来訪の目的がよくわからないし、でも魔王は呪いだかで自分の状況、要望を説明できないもんなあ。つらいよね。
しかし今回、城内に魔王と側近が潜入、姫の喉元まで迫るという緊迫のシチュエーション。人間サイドからしたら危機的としかいえない状況。まさか推しを愛でんがための行動とは思わんでしょう。で、なんだかんだで打たれ強い魔王様。ええ、乃々、不屈の精神、おそるべし前向きなお嬢さんですね。
『しあわせ鳥見んぐ』
翼、リフトが怖いんだ! 下を見るのもまわりを見るのも怖くて、ずっと目をつむっている翼。いや、それ逆にあぶなくない!? でも鳥となると目をあけることができる。と思ったら、ちらっと見ただけで、解説は目をつむったままなんだ。うん、あぶない! そのまま下までくだっちゃうよ!?
今回出てきた鳥は、ウソとイワヒバリ。メインはイワヒバリですね。森林限界を越えた土地に暮らす鳥。餌もなにも豊富ではない、そんな場所で生き繋いでいる。そのたくましさ、環境への適応について語られて、そしてそれがひなの生存戦略に結びつくというのですね。
今泉の名前しか自分にはない。そう思い込んでいるひなに、そうじゃないと、これまでひなに救われてきた、そう伝える岬、そして翼。これがひなの内向きになっていた気持ちを開かせることとなった。その流れが、長く悩み苦しんできたひなを見てきただけに、胸にしみて、本当にこの子たちのともにあって、時に支えあい助けあう、そうした気持ちの向かう様が素敵だと思わされたのでありました。
- 『まんがタイムきらら』第22巻第3号(2024年3月号)
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