『まんがタイムきららフォワード』2023年12月号、先日の続きです。
『ネコかぶりアンコール!』
学校でうっかり素を出して、怒鳴りまくってるところを多数目撃されてしまった音子。ずっとネコをかぶってきたのに、台無しになってしまった! ちょっとしたピンチ到来だったわけですが、そこを演劇部に付け込まれて舞台に立つことに。
その舞台の日がやってきたんですね。
演目はアレンジシンデレラ。先輩が継母、兄が義姉。人数少ないからミニマム構成ですね。そして主役のシンデレラ音子はというと、めちゃくちゃ緊張していて……、ぷるぷるしてるところ正直めちゃくちゃ可愛いな。
ともあれ、継母と義姉にこきつかわれるシンデレラ。しかし従順なふりをするのもすべては生活保障のため。ふたりがいなくなれば灰かぶりならぬネコかぶりの本領発揮。素の自分を丸出しにして、毒舌粗暴なその口調。まさしく皆に目撃された音子の真実そのものなのですが、こうすることですべては演技であると誤解させる寸法! そしてそれはうまくいっているようなのですね。
けど今回の一連の劇中劇。なにがよかったかって、きっちり落ちまでついて、観客が意表を突かれたように、読者である自分も同じく意表突かれたところでした。もっとこう、劇は当たり障りなく終了して、みたいな展開を予想していたものだから、きれいに落ちがついたところ、まさしく好感でありました。
『しゅがー・みーつ・がーる!』
美都とカンナ、ホテルビュッフェの帰りに語りあう時間を持ったの、これいい方向に進みそうでいいですね。カンナがいうんです。委員長のことをもっと知りたい。その言葉に美都、相当な喜び覚えたようで、ああ、美都にとってカンナは、ただ秘密の会食のお相手というだけでない、なにか特別な人であるのだな。そう思わせるところありました。
こうして一緒に会食を重ねることで、より互いに知っていくこともあるだろう。食の好みだけでなく、食事以外に好きなこと、どんなことを考えているか、そして自分のことをどう思っていてくれるのだろう、などなど、そうした積み重ねがふたりの仲をより深めることになったら素敵だなあと思います。
さて、ちょっとしたピンチですよ。美都のお世話係、星宮が迎えにくる。図書館に勉強にいっているはずが、嘘をついて違う目的で外出していたとなると、問題になりかねない。バレないよう図書館まで急がねば! 走り出す美都に、荷物を持つと申し出るカンナ。いいですね、ふたりのイベント、盛り上がってまいりましたよ!
そうしてピンチは回避。美都とカンナが一緒にいるところを星宮に目撃されはしたものの、勉強を教えてもらっていたと丁寧に釈明したカンナのナイスプレイで、再びピンチを回避! しかもその丁寧な振る舞いに好感持たれたようで、ああ、よかったですね。美都とカンナのつきあい、禁止されるといったようなことはなさそう。むしろ、星宮からは美都にとってのいいお友達なのだろうと思ってもらえた模様。ええ、これらもまたいい傾向でありました。なにか、星宮の思惑なんかもありそうな感じがまたよいですね。
『高瀬さんはドル活に夢中です』
高瀬に、自分がPOPであることを告白しようと考えた江田。高瀬に連絡をいれたら、即そちらにいくと返答。あの高瀬が走ってやってきたというから、よっぽどのことでありますよ。
いったい何事なのか。焦る江田に共感。いや、そうですよ。なんかネガティブ思考ってありますよね。わかるわあ。でも高瀬の走ってまで急いだ理由は明らかでした。すぐにでも謝りたかった。このところの態度、大人気なかった、悪かったと謝罪して、そして嫉妬していたと。江田をとられたように感じて嫌だったと、ずっと心の奥でわだかまっていた気持ちを、すべて洗いざらい江田に打ち明けたのですね。
この謝罪のおかげでタイミングを逃がした江田の告白は空振りに終わり、江田がPOPであることは未だ秘密のまま。けれど高瀬が江田をどう思っているかがあっきりして、そして江田自身、高瀬のことをどう思っているか明白になって、ああいよいよふたりの関係は一歩恋の局面に向けて進んだと感じさせられるエピソードでありました。
そして今回、もうひとつ判明。高瀬の誕生日、11月28日! その日までにPOPのドールをお迎えしたい。そう話す高瀬を前に江田はなにを思ったのだろう。ここで江田がどう動くか。こいつは乞うご期待ってやつでありますよ。
『オールドヨコハマラジオアワー』
推しのラジオ番組が終了して傷心のなぎさ。あまりのことに、タイムリープ能力を身につけて、番組終了を回避すべく暗躍しようというのですが、なにをどうしようと番組終了の未来に辿り着いてしまう!
いやまあ、ラジオ番組なんて複数の人間、組織が関わるもんなんだから、そうそうリスナーひとりの頑張りでどうにかなるってこたあないんじゃないかなあ。というのは前回からも思っていたんですが、まさかここで番組スタッフ内にひとり協力者を得ることになろうとは!
しかし連絡つけた手段というのが、番組公式サイトからのお便りはいいとして、文面! めっちゃ電波! 書いたなぎさ当人が怖いとビビるレベルのしあがりを見せて、ほんと、普通こんなので連絡つくなんてありえない! ありえない、のだけど、番組終了を嘆く番組関係者になぎさの電波メールが着弾! かくして出会ったなぎさとハラス、ふたりは番組が終了しない未来を勝ち取れるのだろうか!
いやしかし、このループが失敗に終わった場合、次のリープでハラスに連絡とるのどうやるんだろう。そうしたところがどう処理されるかも、またまた楽しみにさせてくれますね。いや、もしかしたら、このループで決着する!?
- 『まんがタイムきららフォワード』第17巻第12号(2023年12月号)
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