2023年10月2日月曜日

『まんがホーム』2023年11月号

 『まんがホーム』2023年11月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』。時期から見て、ハロウィンですね。吸血鬼、ドラキュラ伯爵に扮したマニッシュでかっこいいらいかがメインです。他には『星乃くんのハートはモフモフに埋もれてる』、ベア吉きぐるみパジャマ着て嬉しそうな星乃くん。『孔明のヨメ。』、海賊でしょうか、時代がかった船員の衣装を身につけた孔明、月英夫妻が、またかっこいい。そして『独りじゃない一人暮らし』、化け猫? に扮して可愛いなるみさんであります。

今月は新規ゲストが2本です。

『サレ妻お江戸リコカツ録』

タイトル見るに、浮気をされた妻がお江戸で離婚活動する記録ってことかな? と思って読み始めたら、冒頭から新婚3ヶ月記念のその日に浮気をしている旦那に遭遇。動転したか、あるいは不運か、浮気相手の下着に足をとられて、そのまま階段から転落。

気づいたら、知らないお寺さんの前にいたというんですね。

なるほど、お江戸というのが気になってたんですよ。舞台は現在。ならなぜあえて東京ではなくお江戸なのだろうと思ったら、階段落ちをきっかけに時代を超えて江戸時代にいっちゃったからってわけですね。そのお寺は駆け込み寺、逃げてきたわけあり女房が身を寄せているというのですが、先客の3人はというと、借金のかたに売り飛ばされた女房に、食事を与えられなかった女房。さらには2歳の子とともに暴力を受けていた女房と、尋常でない重い背景背負った女性たち。いや、この時代だとままあったことなのでしょうか。いずれにしても、家庭に居場所がなくなった女たちの安らげる場所。そこに主人公もかくまわれることとなったのですね。

主人公、これを夢だと思っていたのですが、いつまでたっても覚めない。いったいこれはどういうことなのか!? というところで初回は終了。これ、現代とお江戸をいったりきたりとかするんでしょうか。ずっと江戸だと、離婚もなにもないって感じになっちゃいそうだから、いずれ現代の夫に向きあうこととなるのだと思います。

『はなまるゲーセン飯!!』

父の仕事の都合で宮城で暮らすこととなった田貫源。あまりにのどかな田園風景に、こんなところもあるのかと感心というか驚いているというか、なのですが、問題は自分の趣味の継続。ゲームセンターの音楽ゲームができなくなるのは困る。プレイ可能環境がなくなれば引退やむなし、と思っていたところ、食事処併設のゲームセンターを発見したのです。

入ってみれば、そこにはさやえんどうのスジを取ってるちんまい店員さんが。そして肝心のゲームはというと、たくさんのレトロなゲームに興味引かれて、かと思ったら目当てのゲームもしっかり置いてある! そのちんまい店員さんが、父に頼み込んで入れてもらったゲームだっていうんですね。かくして趣味のゲームの継続と、プレイ仲間を同時に得た田貫少年。これからの宮城暮らし、先は明るいと見ましたよ。

このお店の名前、あがいんというの、again? と思ったら、宮城の言葉で召し上がれという意味なのですか。おあがりなさいってところかな? 今回は味噌焼きおにぎりとはっと汁がふるまわれまして、ゲームを楽しむと同時に、宮城の郷土料理を知る、そんな漫画になっていきそうです。

『孔明のヨメ。』

いよいよ赤壁の戦いがはじまりましたよ。黄蓋の登降を受け、船を自陣に迎え入れようとする曹操軍。火を放つにはもっと奥に入ってからと、水門が開くまでの時間、じりじりと待つ黄蓋の胸中。この策が成功することを知っていながらも、黄蓋とともに緊張の時を過ごした、そんな描写が見事でした。

前回描かれた宴からも、曹操は浮かれていたのでしょうね。黄蓋が自軍に降ることを疑ってもいない。水門を開き、黄蓋を迎え入れてなおその心はふわふわと将来を夢想して、目の前の状況、その違和感に気づかせることをしなかったのですね。

そして事態は動きます。放たれた火。燃え上がる船。延焼を避けようにも船は鎖で繋がれており、そしていつの間にか変わっていた風向き。この緊迫感!

動き出す呉の船団に、呼応して攻撃をしかけるべく船足をはやめる孔明の乗る船。決戦の模様は次回! これは、これは、目が離せない名場面がきますよ。

『ガチ恋カウント2.9』

リコに朗報です。新人レスラー練習生の募集に応じた彼女のもとに、一次審査通過の報せが! 一気に舞い上がるリコ。うん、気持ちはよくわかる。愛しのメイデン様も練習する道場で体力テストを受けることができる。正直体力には自信がないけれど、その勢いにこそ期待すると、プロレスファン仲間の山田氏からも背を押されるリコ。ええ、虚仮の一念なる言葉もありますよ。

しかし、リコさん、持っていますよね。面接にて、メイデン様と結婚したくて! どエライことを口走っとるんですが、面接官が決闘と聞き違えてくれた! って、いやまあ、女子プロレス選手志望者が、女子プロレス選手との結婚を夢見ているとか、普通ちょっと考えない。その普通でなさがまさにリコの売りになっていますよね。

明らかに熱量のおかしいリコの行動、この後も続いて、自作のマスク持ち込み! からの、どう見ても体力不足でついていけてないながらも、鬼気迫る表情で食らいついてくるその迫力。センスもない、体力もない、けれど意欲、熱意は人並み以上。と、そこを買われて、可能性に期待されることとなるというの、これは、これはアガる展開ですなあ!

いや、ちょっと引き込まれてしまいました。リコにとって都合のよすぎる夢物語かも知れない。けれど、夢物語だからこそ魅かれる、一緒に夢を見たいと思える、そんなよさもあろうものだと思わされたのですよ。

そして最後にもうひとつの夢物語! わあ、メイデン様の正体、そういう感じだったんだ! キマしたね! ええ、キマしたよ。これはアガる展開ですなあ!

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