『まんがタウン』2023年11月号、先日の続きです。
『あの世で猫になる』
大島、ものすごいな。とても信用に足る人物ではないのだけど、こと金のこととなるとその手腕が光る。というか、北極で氷を売るを地でいくタイプですよね。心霊マンションを地縛霊ごと賃貸するとか、湧きまくる雑霊を払うことそれ自体を付加価値として自分の運営するスクールの生徒に実習させるとか、とにかく酷い。でも本来なら到底売れないもの、金にならないものを換金するそのアイデア。それ自体はすごいんですよね。なんとか平和利用、有効活用できないものかと思う才能です。
今回の雑霊退治の顛末も、途中生徒さんの手に負えないほどに育ってしまったりしちゃいましたけど、結局は生徒さんに押しつけるかたちで決着させるとか、ほんと、悪どい!? あるいは商売上手? 商売上手は人によっては悪どいと紙一重だよなあってのを実感させてくれる、それが大島だと思います。
そして最後に、もしやタマの生前の話が!? と、そこで今回は終わり。次回どうなるのか、当たりなのか空振りなのか、気になる状況で一ヶ月待ちですね。
『兎なりのウサギさん』
今回はいつもとちょっと違っていますよ。なんと、紅詩も青枝も親戚の結婚式で不在。大安吉日日曜日という好条件がために、ふたりともに一家総出で泊まりと相成りました。かくしてみたらしはペットホテルに滞在。あのウサギ専門店のクレセントに泊まることになった。
ええ、今回みたらしの世話をするのは、あのウサギ好きの凄腕店長さんなんですね。
紅詩がいなくてちょっとさみしいみたらしです。そんのみたらしにいろいろ教えてくれるのは、ペットホテル常連? 今回で5回目の宿泊となるどんすけ。さみしくて涙ぐんだりしちゃってね、まぎらわそうといろいろやるんだけど、まったく効果がないの。反面、いろいろ話を聞かされてるみたらしは、いまいちちゃんと理解できてない模様で、さみしいながらも遊ぶと楽しい、こちらはわりといろいろまぎらわせられているっていうんですね。
このウサギそれぞれの個性、傾向の違い。やっぱり面白い。みたらしは若いからか、元気で明るくて、やんちゃで、好奇心も旺盛。あんまりめげないから、見ているこちらも元気になりますよね。今回のペットホテルでもそんな感じ。ちょっとは寂しさに元気なくしたりもするけれど、紅詩に会えたらすぐにニコニコ。ええ、そんなみたらしになにか癒されるもの感じるんですね。
『恐竜とカッパのいる図書館』
あゆみの消息、もう新しいなにかを得られることはないと思っていたら、そうか、あゆみには姉妹が、すなわちカオリの母がいたんでした。お婆ちゃんから送られてきた栗の実を剥きながら、カオリと母、ふたりあゆみのことを話すんですね。昔、こうして姉妹で一緒に話しながら一緒に栗を剥いていたこと。どんな話をしたとかね、小さい頃のふたりから、だんだん大きくなっていって、話すことも少なくなっていって……。
その語る言葉に、どこか悔いを感じさせるニュアンスが乗って、読んでいて切ない気持ちになりました。そしてその先に続く、ちゃんとおはなしをしましょう。その言葉に感じられる重み。重量というのではなく、手にのこる確かさといった方がよりらしいかも知れない。それは語り手、言葉を交わすふたりの実感であるからかも知れませんね。
そして最後の香歩。めちゃくちゃ可愛かったよね。栗のジャム渡されて大興奮! めちゃくちゃ可愛かったです。……マロンマン。
- 『まんがタウン』第24巻第11号(2023年11月号)
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