『まんがタイムきららMAX』2022年12月号、昨日の続きです。
『桔香ちゃんは悪役令嬢になりたい!』
挨拶運動当番なんていうのがあるんですね。朝、校門で登校してくる子たちに挨拶をする係。それに桔香と冬子が選ばれて、俄然張り切る冬子さん? でもこの子、まうまうしかいわない、基本コミュニケーションはあやとり、はたしてちゃんと役目を勤められるのか。そんな心配もしてしまいますが、桔香がやたらコミュニケーションうまいもんだから、特に問題なく乗り切れそうだったりしない!?
いや、冬子、すごく落ち込んじゃってますよ。うまくできない、役目果たせていない。きっと自分が地味だからとかいってますけど、いや、それはどうでしょう? でもなんとか変わりたい、まずは見た目からでもというので、あー、そっち方面にいっちゃった? なんかむしろあまり得意じゃない方向に突っ走っていっちゃった感ありますよ!?
冬子、なかなか思うようにはいかないんですけど、それでも持ち前の裁縫スキルでピンチ切り抜けたの、頑張った! 念願の桔香とのおしゃべりもできた。しかもカッコイイと認めてもらえた!
ああ、ほんと、冬子の記念日だこれ。確かなステップが感じられる、そんないいお話でしたよ。
『ぬるめた』
調理実習の惨劇。くるみとさきなの配属されたB班。さきなという重荷を背負って、はたしてどこまで頑張れるのか。たまたま前日に課題の餃子を作ってたというくるみに期待がかかる! と思ったら、うっかりなのか調子に乗っちゃったせいなのか、包丁破損からの剣換装で戦力外に!
どんどん戦力が欠けていって、できるはずの人もできなくなっていく悪循環の構図。もう失敗プロジェクトの見本みたいになってしまっていて、ほんと面白かったです。
対してちあき。この人、そもそもが器用なのか、手順にしたがってなにかやるっていうのが得意なのか、料理も普通にしっかりできてしまう。餃子づくりもてきぱきはかどって、れあとのコミュニケーションも思いがけずしっかりできて、よかったじゃん! と思ったら、小さければ誰でもいい疑惑が持ち上がっとる! というか、実は自分も、もしや? と少し思っていたから、この展開にはにやりとさせられました。
しかし今回は本当にちあきの有能さが光っていましたね。自分たちの調理をさっさと終えたと思ったら、B班のもたもたを見兼ねてヘルプに入る。というか、そこでもほとんど自分ひとりでやっつけちゃう。実習ということ考えたらあんまりよくないんですけどね。B班の子らの学習機会奪っちゃってる。でもそのままだったら一生片付かなかったかも知れないB班。役立って、コミュニケーションもとれて、クラスの子らにも打ち解ける、ちあきにとってはいい機会になったようですね。
『お姉様のVな事情』
神酒シズクのこと、あることないこといって中傷してくる炎上系Vチューバー、姫野ヒメと接触したマリナ。なんとその中身は女子小学生。神酒シズクの中身を誘き出して、捏造中傷のネタをとろうとしていたんですね。
この子、ヒナちゃん、いい子であって欲しいと願う母の前では理想の子を演じて、そうした期待どおりの自分を演じることに疲れている。母に見てほしい。ネットの皆からも相手にしてもらいたい。そうした思いから、いつわりの自分を演じている。
そうした姿に、マリナ、ミユキの姿を重ねあわせて見てしまっていたんですね。
これまで誰にも見せられなかった、飾らない自分の姿。いい子ではない、むしろ悪いことをしている。けれどそんな自分を可愛いといってくれたのはマリナがはじめてだった? その言葉にほっとした様子のヒナ。この子のまわりにいる人たちが、こうして素の姿を評価していてくれたら、あんな炎上狙いで耳目集めるようなことはなかったのかも知れませんね
そしてこうしてヒナがマリナに心許しつつあるように、ミユキにとっても素の自分を知っても好きでいてくれるマリナが救いになっているのでしょう。こうした、つい誰かの期待を背負ってしまいがちなふたりにとって、マリナがそばにいてくれる、その価値というのがよくよく描かれた最終話だったと思いました。
しかし、ミユキに一目惚れするヒナ、あれは面白かったですね。ミユキ、どれだけ火力高いんでしょうね!
- 『まんがタイムきららMAX』第19巻第12号(2022年12月号)
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