『まんがタウン』2022年11月号、昨日の続きです。
『兎なりのウサギさん』
かくれんぼがマイブームのみたらし。カーテンのかげに隠れて秘密基地気分だというのですが、もらったバナナをあちこちに置きっぱにしてたりと、人にとっては罠も増えてしまうという。これ、踏んづけちゃうのも困りものだけど、そのまま放置されて腐っちゃったりしても困りますよね。秘密基地に出入りする時には食べ物与えないとか、そうやって対処するしかないんでしょうか。
さて、みたらしの新しいお気に入りハウス。なるほど、ダンボール。本命のわらのかまくらはかじる用。かまくらの入ってたダンボールは住居、と思ったら、さっそくかじりだすんだ! ものすごい勢いでかじり倒されて、紅詩がいうにはリノベーション、住みよく改良中というのですが、廃墟にしか見えん! でもあの得意気な様子見るに、みたらしにとっては会心のできなんでしょうね。
新たな出入口のできた新居。そこからのぞくみたらしもまた可愛いのですが、この勢いだとどれくらいもつのでしょうね。一週間とかで完全に分解されてしまいそうです。
『猫またはごはんを。』
やけ酒をあおるサチ。就職活動が不振で荒れてるのですが、それでお酒に逃げるのはよくないよ! って、フクが2匹に見えるほど!? いやもう、お酒はほどほどにですよ!
そんなサチをいたわるべくフクが用意した今日のとっておき。アイスに冷凍マシュマロをトッピングしてウイスキーを加えた一品。これ、ウイスキーが凶悪だなあ。冷凍マシュマロというのはちょっと試してみたい感じ。ほんと、いろんな食べ方、アレンジがあるんですね。
そしてフクはマシュマロココアにウイスキーをたらして、で、それでこんなに酔っちゃうんだ! あの輪郭が波々になってるフク、よかったですよ。そして酔ったサチが見た、もう1匹のネコマタの影。この子、今後ふたりに関わってくる!? 新たな展開の予兆感じさせますね。
『あの世で猫になる』
地縛霊を動物霊と言い張って入居者に押しつけている大島の物件。条件は悪くないはずなのに、入居者たった2名、って朝倉さんと吉井さんだけなのか! このままでは大赤字。なんとかしないと、このアパートを維持できない。
入居者が入らない理由を調べて対策しようというのですね。
しかし、雑霊が多すぎるという問題。霊能者や霊には見えても普通の人には見えないはずのそれらが、入居者をことごとく排除してきたということは、ほんとのほんとによっぽどなのでは? ということで、雑霊の湧き出してくるポイントを探そうとするんですが、例のネズミが語る生前の思い出、どこからか湧き出してくるハエの話、いやもう、ヤバいですわ。このぞわっとする感じ、霊の話よりよっぽどきました。これはリアリティのせいだろうなあ。
霊やらなんやらがとにかく多いこの物件。大島は自分で除霊なりなんなりして改善できると思ってたんだろうなあ。でもそれがまったくの誤算。というか、雑霊、アパートの敷地外からきとるんか! かくして対策不可能になってしまって、ほんとこの建物どうなるんだ。
この先も、ちょっと登場人物増えそうにないですね。あるいは、この雑霊にひるまないキャラ強めな人が出てくる予感。もうまったくもって尋常でない、そんな出会いがいずれ発生しそうです。
『ルナナナ』
月の寮同士で競いあう、そんな運動会があるそうです。優勝すると賞金も、というんですが、主催は月のブルジョア連中。貧乏人を競わせて、苦しむ様子を眺めて楽しもうという悪趣味な企画だっていうんですが、これを聞かされてなお賞金のために出場しようというリコたち。ある意味、腹が据わっていますよね。
競技も普通の運動会とはかけ離れていて、重力制御がされてない状況で体重の6倍の重石を引く競技とかね、人間ばんえい競争だ。でもこれ、意味なき苦役っていってますけど、基本スポーツなんてそんなもんでは? そこに意義を見出すことこそスポーツってやつなのだと思います。
まあ見出そうにも見出しようのないのが、この運動会の競技なのでしょうけれども……。
しかしこの胡乱そのものの運動会。途中リコの話したこと、小さな寮ならではの寮生の団結、それが最後に効いてきたところ、すごくよかった。勝利にこそは貢献しなかったものの、リコが笑い者にされてるのに我慢がならなかったはるかの気持ち、それがとにかくよかったなと。まあ、それでリコたちとはるかの和解や融和みたいにならないのがこの漫画なんですけど、とにもかくにも貪欲なリコたちの人間の小ささ。いや待ってくれ、前からいた3人だけでなく、キクまで一緒になって文句いってるじゃん! おお、これこそが団結ってやつだ!
信頼やなんかを醸成するにはいたらなかったけれど、なんだかんだで心をひとつにはできたかも知れない運動会。最後も遺恨残さず、きれいに幕引きできたみたいじゃん。結局は似た者どうしってことかも知れない。ゆえに、一緒にやっていけそう感も強く感じられたように思ったのでした。
- 『まんがタウン』第23巻第11号(2022年11月号)
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