2022年10月5日水曜日

『まんがタウン』2022年11月号

 『まんがタウン』2022年11月号、発売されました。表紙は『新婚のいろはさん』。秋、やっとこさ涼しくなってきてスポーツするにもいい季節。ということで、いろはさんとジョギングといったところでしょうか。走って、そして水分補給。水筒をこちらに差し出す、そんないろはも汗びっしょりです。時間は朝でしょうか。遠くに見える色づいた空。夕方かも。その光のやわらかさが、もう暑い夏も終わりと告げているようです。

今月は新規ゲストが1本です。

『青ろくすこやか育児日記』

漫画家、青山六郎氏による妊娠出産体験エッセイ漫画。3号連続ゲストだそうですよ。

今回は妊娠中のこと、主につわりについて描かれたのですが、冒頭ページめくってすぐのあふれる食欲ってところ、あー、食べすぎはそれはそれでまずいのでは!? と思ったら、続くページでもう食べられない状況に陥るというのが急展開すぎてすごい。実際、2ページ目は妊娠4週目。3ページ目は6週目。ひと月もたってないんですよ。漫画でも急展開ですが、これ、実際にも急な状況変化だったのではないでしょうか。

つわりについてのイメージも、なにかをきっかけに気持ち悪さが出るみたいな事前のイメージとは違い、ずっとなにかしらの不調が続いているというその状況。ああ、これは大変だ。で、焦って流産しかけるとか、いやもう、ビビりまくる話ですなこれ!

自分は成長痛のことはよく覚えていないのですが、それにつわりをたとえての説明。内臓の変化にともなう不調というのはなるほどわかりやすい。しかしただ耐えるしかできない不調というのは大変ですね。いやもう、それを乗り越えての出産。出産は次回に描かれるそうですが、その出産もまた大変だっていうんだから、なんだろうなあ、頭がさがる思いとでもいいましょうか。つくづく大変だ、その思いばかりであります。

『押しかけギャルの中村さん』

榎本を家に招いて宅飲みです。すっかり違ってしまった部屋の雰囲気。中村の好みと秋山の好みのせめぎあった結果だというのですが、どちらかの趣味嗜好にかたよるのではなく、意見を出しあい折衷していくというのは、ふたりの空間を作るという上では大事なことだよなあ。なんて思わされましたよ。

こうした、ふたり一緒に好みにせよなんにせよをすりあわせていく営為こそが、仲をより深めていくことになるのかも。と思えば、榎本が感じたように、なんてこいつらつきあってないんだろう。そんな空気感をかもすようにもなるのも自然なことなのかも知れませんね。

さて、今回中村が榎本を飲みに誘った理由。それはウテナにあったんですね。秋山はウテナが好きなんだって、自分とは逆のタイプがみんな好きなんだって、そういって荒れちゃって、いやあ中村さん、決めつけるのははやいですよ。秋山が本当にウテナのような女性が好きなのか、それはわからないではありませんか。中村のような元気な子が好きかも知れないし、後藤氏のような要領よく頼りになる男が好きかも知れない。時間をかけていいから、秋山の気持ちに分け入るようにして知っていくことが大切なのだと思う。秋山も、中村のことをどう思っているかはわからないけれど、自分自身の思いの向かう先を自問しひとつまたひとつ明らかにしていくことで、自身思いもしていなかった境地に辿り着くかも知れないですよ。

ええ、今回はそうした秋山の気持ちの向かう先を知る旅のはじまり。そんなエピソードであったのかも知れませんね。いや、中村は酔いが覚めたら今日のこの日の会話をなにひとつ覚えてない可能性ありますけれど。ほんと、酒飲ませちゃいけないタイプの人だ。あぶなくってしかたがないっす。

『新婚のいろはさん』

驚きの展開ですよ。まさかラーメン屋あざなわの店主が、店に通う客、タレントで占い師の西翁院カズマに結婚を申し出ることになるだなんて!

って、いったいこれ、どういう展開なんだ。最初は大いに混乱して、カズマの思うところはわかったよ? 問題はあざなわ、あざなわの店主ですよ。あの、手をとってなんなら結婚しますか? と問うたその真意。これは、カズマの交際している女性ともう結婚しますかという意味だったのか、あるいは自分のラーメンをこれからも食べてもらいたい思いから、自分と結婚しますかといいたかったのか。

まったくもってわからん。でも、結婚すれば健康のためラーメンはやめる。そういう約束だったカズマ氏を、その交際していた彼女に許可もらうことで月イチで許してもらえることになった。この運命を捻じ曲げるにいたったあざなわ店主の執念。ただ客の好物を守りたかったのか、客を繋ぎとめたかったのか、あるいは自分の作ったものを食べてもらいたい一心、それがゆきついた先がとめどなく溢れる思いだったのか。

そのすべては曖昧のうちにまざってしまって、そこからなにを掬いあげるかは、読者ひとりひとりの読解、解釈にゆだねられている。そんな感触もあるエピソード。独特の読後感ありました。

『食欲しか勝たん!』

おおう、最終回だよ! なんかそんな予感していた!

どうしても食べ物のことばかり考えてしまう。そんな悩みをメンバーに打ち明けることができたこころん。悩み、重圧から解き放たれて、もうすっかり元気になったようですよ。食べ物のことも、隠す必要なんてないんだ。食べることが好き、ついつい食べ物のことを考えてしまうことも、メンバーだけでなくファンの皆にも公表して、こうして初出演のテレビ番組でも気後れすることなくのびのび話すことができるようになった。

よかったなあ、こころん。もう君の心は自由なんだ! 一人で自在に泳げるのだ!

隠さなくてはならない、考えてはいけない、その重圧から解き放たれて、必要以上に萎縮することもなく、また食べ物への妄執を一層にたぎらせることもなくなったのかな。そう思っていたら、むしろその思いをより奔放に表すようになったようですね、こころん! 番組放送後には立ち食いそばにいきたい。そういっていたこころんが、メンバーふたりと一緒に立ち食いそばをすする。

ああ、いいねえ、もう秘密にしないで、好きなことを好きといっていいんだよ。と思ったら、まさかのステージ衣装!? 着替える間もなく立ち食いそば屋に直行したんですか!?

ファンにもバレて、周囲ざわつかせて、でもってこころん、たんなるに指摘されるまで衣装のままって気づいてなかったの!? あの、驚くこころん、素晴しかったですよね! いやもう、食べるのが好き、立ち食いそばにハマってるというの、まさしく有言実行してみせたこころん。飾りやキャラづけなんかじゃない、ありのままのこころんの思うがままのスタイルがここにありました。

これはむしろ好感度あがる局面だったのでは!? ええ、素敵なアクシデントだったと思います。

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