『まんがタイムきらら』2022年11月号、発売されました。表紙は『星屑テレパス』。ロケット研究同好会の4人が一緒に元気にジャンプ! 海果もいい笑顔を見せて、実に華々しいこの表紙。その中央に力強く書かれた文字は、TVアニメ化決定!!! そうなんだ、アニメになるんですね。はたしてどんなアニメになるのだろう、そうした思いが溢れてきて、今から楽しみになってしまいますね。この漫画が広く知られるきっかけにもなるだろうアニメ化。大きく躍進する一助となれば嬉しいなあって思います。
今月は新規ゲストが4本です。
『異世界ジョブハント』
学生時代はオタク活動に全力。けれどどちらかというとパッシブオタクだったために、これといった技能技術も実績もないという因幡うづき。そのため就職面接では自信持った受け答えができず、かくしていまだ採用されないという地獄的状況にあるというのですね。
そんな彼女に訪れた異世界転生。突如地面からわいて出た触手に搦め捕られて行き着いた先というのが、エルフのお姉さんの住む森の中。親切なことにそのお姉さん、スピカの家にとりあえず住まわせてもらえることとなったのですが、このスピカさん、見場はいいけどその実体はぐーたらお姉さんだったんですね。家の中は荒れ放題。見ていられない、なのでお礼にと掃除に炊事をするのですが、うづきさん、家事得意だったんですね。パッシブオタクで、かつ汚部屋の住人とかだったら、この状況に活躍することはなかった!
あぶないところでしたね。
とりあえずの住居とやるべきこと? を見つけたうづき。けれどこの異世界においても先立つものは金で、スピカはというと気が向かないかぎり仕事をしないたち。クエスト形式で提示される仕事を受領することになるというのですが、結局異世界でも仕事を求めて面接を受けるはめになったうづき。この世界だと、なおさら経験不足で自信持って面接に臨めない! ちょっとピンチですね、うづきさん。
『欲張りディアマンテ』
学年一位の金剛椿さん。さあ、一学期期末もトップだろうと余裕綽々で上位10名の掲示を見にいったらば、なんと二位に陥落。一位は白井きみこという女。同じクラスの、いつもぎりぎりに登校してくる、そんな子だったというのですね。
きみこと椿のやりとりがよかったですよ。一位をとられて収まらない椿が、順位なんて気にしないといっちゃうきみこの言葉に、どんどん不機嫌になっていく。実際きみこは順位気にしていないようで、次は譲るよなんていっちゃって、でも手加減されるのも嫌だという椿。ああ、一位という序列トップに立てさえすれば、ズルでもなんでもかまわないってタイプではないのですね。正々堂々勝負して、実力で一位を勝ち取りたい。ええ、健全素直ないい子なんですね。
そんな椿が一位にこだわる理由。心のうちに澱む影。そこにきみこという予想外の存在が現れて、椿と一緒に遊ぼうと、もっと自分を甘やかしなよといってくれた。
成績上位、文武両道、なんでも完璧にと、どこかがんじがらめになっていた椿が自由を得る日は近そう。椿の変化していく様、見守りたくなりますよね。
『レナちゃん素直になりなさい!』
中学時代、オタク趣味をオープンにしていたら周囲の皆から距離を置かれてしまったという西園寺レナ。昨今はオタク趣味、アニメやなんかもすっかり市民権を得て、普通にアニメ好きであること表に出しても平気みたいに聞きますけど、レナの周辺はそうした環境じゃなかったんですね。
高校ではアニメオタクであること隠して、普通に友達作りたい。高校デビューと意気込むレナなんですが、徹底できてないよ! まず発想がオタクのそれだし、カバンの中には好きなアニメキャラ、メルリのぬいぐるみ潜ませてるんだ!
そんなレナが出会った子。メルリそっくりな髪型した子、古城ヒメを見かけるや思わず話しかけてしまった。そこからのやり取り、語るに落ちるレナがめちゃくちゃ面白い。メルリがなぜアニメキャラと知っていたにはじまり、ネタバレほのめかされてまだ見てないなんて白状しちゃって、いやもうレナ、隠し事にとことん向いてないな!
態度を硬化させたレナ。けれどヒメの独白を聞いてしまったことで自身を省みることとなった。その時の様子は、レナの後悔や反省、忸怩たる思いがこれでもかと伝わってきて、でもここで思いなおすことができて本当によかった。
ヒメとの仲直りも無事かなって、今後のふたりの関係なども見てみたい。そんな風に思いましたよ。というか、ヒメのしたたかなやり口、そこにやられてしまいましてね、でもそんなヒメもなんだかんだ不器用な子っぽい。ふたりともにもっと素直になれれば、って話だったんですね。
『超能力者の暇つぶし』
最後の一枚を場に出したら勝ちのカードゲームに興じている女子3人、リィンとアイと月。がらんとした空白の室内に、絨毯とテーブル持ち込んで、だらだら暮らしているようなのですが、タイトルからするとこの子たちが超能力者。
とはいっても、なにか能力を駆使して遊んでるようでもないし、どういうことなんだろう? そう思ったら、リィンが瞬間移動でどこからか食べ物を調達。さらにはそれを月がどんどん複製していくんですね。なるほど、本当に超能力者なんだ。
ここからのやり取り、太ってしまったリィンを煽ったら、根性で入らなかったスカートを着用、からのバックドロップ!? いや、ここでも能力バトルみたいなことはしてないな!?
勝者が敗者に命令できるという条件が提示されたら、一気に状況が変わりましたね。なんとしてでも勝っていうことを聞かせる。その意気込み。見通す双眼を持つアイが目隠しを外して本気モードに入るんですが、これでゲームを有利に運ばせる!? と思いきや、イカサマ仕掛けてくるリィンと月を監視するために能力使ってるんだ! なるほど、アイさん、この人は自分も含めてズルをする人間が出ないようジャッジしてるわけだ。
なんだ、ほんと、真面目だなあ!
特に能力を便利に使って遊ぶとかではないこの子たちの生活。退屈そうで、時間ばかり持て余してるみたいに見えるのですが、どういうことなんだろうというその理由が明かされた終盤。南極にある研究施設にいるせいで、どこにもいけないし、なんにもないのか! それでなんだかんだ暇つぶししないといけないってことだったんですね。
- 『まんがタイムきらら』第20巻第11号(2021年11月号)
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