『まんがタイム』2022年11月号、発売されています。表紙は『大家さんは思春期!』がメイン。買い物途中のチエちゃんが、秋の花を見て嬉しそう。手前のはダリアでしょうか。秋もまた花のきれいな季節です。『レーカン!』天海さんも買い物途中。『百合のあいだは悩ましい』白野と黒崎は、ふたり一緒に芸術の秋を深め中? 描いているのは、藍田の肖像画。望まなくとも、ふたりの間に挟まれてしまっていますね。
『ローカル女子の遠吠え』
突然、箱いっぱいのみかんを持ってきた雲春。なんとまあ、知らないみかん農家のおばあさんから貰ったというんですね。その話を聞いたりん子の言葉、野生の孫というのがおかしくって、実際そうしてお年寄りから気にかけてもらえる才能? みたいなの持ってる人っていますよね。
かくして今回の話題はみかん。静岡は和歌山、愛媛に次ぐみかん産地というのですが、これ、割りと有名な話だと思ってた。雲春が知らなかったのが意外です。で、なぜ静岡がみかんの産地になったかというの、ここにも家康が関わっているというのがもうさすがというかなんというかで、雲春もなかば予測したと思うのですが、それにしてもインパクトある驚きの表情見せてくれたものですよ。
静岡中部と伊豆、そして西部で文化が違うという話も、定番ながら面白かった。西部の三ヶ日はみかんで有名。けれど家康由来ではないっていうんですね。こういう話を聞くほどに、やっぱり静岡というのは広い県なのだなあと思わされます。
『この契約は恋まで届きますか?』
繁忙期に突入してへとへとになっている野田。息抜きに手芸をすると、やたら豪華になってしまうというの、ストレスの発散がこんなかたちで花開くのですね。ああ、これをSNSに出すのです。
忙しくて帰宅するのも夜遅く。部屋もすっかり荒れてしまっていて、八千代さんにきてもらおうと思うも休日出勤やら先方の都合やらでなかなかタイミングがあわず、こうして八千代さんロスに陥る野田。それで寂しがっているのは野田だけかと思ったら、なんと、八千代さんも会えないことを寂しがっている模様! さらには食生活が荒れている野田のことを心配してお弁当まで作ってきてくれて、ああ、野田、よかったなあ! その契約はいずれ恋まで届くかも知れませんよ!
スマートフォンのビデオ通話で手芸を教えるの、これはいいアイデアでしたね。ちょっと垣間見える八千代の私生活! 気にしつつも見てはいけない、葛藤する野田の気持ちもわからんではない。そしてスマートフォンの画面に映る、普段は見ることもできなさそうな八千代の姿! このインパクト、かなりのものがあったと思います。別に普通の格好、ちょっとアングルが特別なだけなのですが、それがこんなにも鮮烈に感じられるのは、いつもきっちりしている八千代とは違って、なにか近しい自然さみたいなのあったからでしょうか。
しかしこれでスイッチ入る野田がすごいですよね。仕事もめちゃくちゃはかどって、予定よりもはやくやっつけちゃった! かくして八千代とも会えるとなって、嬉しいのは野田ひとりだけ? いやいや、違いますよというラスト。八千代にとっても野田との時間は大切なものになっているんですね。
『まほろば小町ハルヒノさん』
雨の日のハルヒノさん。角が傘を突き破って濡れちゃうんだ! それをちあきから指摘されて小さな角に変えるんだけど、そのへんあんまり頓着しないのがハルヒノさんらしいと思えた導入でした。
さて、濡れたハルヒノさんの髪を女子ふたりで乾かしながらいろいろいじってる様子が面白い。なんか居心地悪そうにしてるハルヒノさん。慣れない感じなんでしょうね、って、角カチューシャはずしてる! でもっていつにない三つ編みハルヒノ。髪が豊かだから三つ編みもボリューム出て、それがやたらと可愛いですね。
でもちあきがまるで髪型に意識を向けず、奈良の気候とかそして万葉集で盛り上がるふたり。こういう恋愛の機微? みたいなのにまったくもってうといところもこのふたりの関係性感じさせてくれて面白かったです。決してそういう感じがないわけでもないんですよね。濡れたシャツが透けるくだりのちあきとか、恋を詠んだ和歌で赤面してしまうハルヒノとか。でも、それがなかなか普段の会話やら交流に表れてこないの、それがふたりのらしさだと思いました。
そしてハルヒノさん、ついにスマートフォンを入手! ちあきの叔母がうまいことして契約してきてくれたらしい。ちあきにスマートフォンの使い方を教わるハルヒノ、ずいぶん苦労していましたが無事使えるようになったようですね。これで広がるハルヒノの世界? あるいは深まるちあきとの関係? といっても、なかなかまだまだそんな感じにはならなさそう。というか、ちょっとアレな想像にドギマギしているちあき。やっぱり、そんな感じになりそうな芽はあるんですよね。その芽は、ゆっくり育っていくのかも知れませんね。
- 『まんがタイム』第42巻第11号(2022年11月号)
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