『まんがタイムきららフォワード』2022年12月号、発売されました。表紙は『スローループ』。小学生組、二葉と藍子、ふたりの登校の風景? 舞い散る紅葉の葉を浴びて、二葉の笑顔にときめく藍子さん!? 手にしたもみじで口元隠しましてね、頬染める藍子の心境やいかに! 屈託ない二葉の笑顔もそれはそれは素敵です。でもってふたりの秋服、すごくいいですね。実に可愛らしくしあがっています。
今月は新連載が2本です。
『花唄メモワール』
面白いですね。曾祖母に旅館の仕事をきびしく仕込まれてきた梅。今年の夏も曾祖母の旅館、花瀧屋にて仲居の仕事をすることになって大忙しなのですが、初日の夜のこと、梅をねぎらって優しい言葉をかけてくれた曾祖母。え、まさかひいおばあちゃん、死期が迫ってるの!? それで、急遽梅がこの旅館を継いで女将になっちゃうの!?
急展開を予感して身構えたのですが、ここからの展開は予想をはるかに超えてきましたよ。
ええーっ、まさかのタイムスリップものだったの! これ!
温泉で転倒、湯に落っこちた梅が次に見た情景は、藤野という見知らぬ女の子。花瀧屋の宿泊者と勘違いされて、梅の間に通された梅。しかしここで出てくるいろいろが、湯たんぽにちゃんちゃんこ、さらには炭火のあんか。
なにごと!? 夏だったはずなのに外は雪!?
時代を超えて大正12年の花瀧屋へときてしまったというのですね。
帰る場所もない梅。事情を話すも信じてもらえず、もとの時代に帰るには起点である花瀧屋になんとしてでも残るしかない。そこからの必死の頼みと、若く厳しい女将のやりとり。
いや、この女将さんが梅の曾祖母なんですよね? ともあれ、旅館に残ることができた梅。女将の眼鏡に叶う働きができるのか。そして、いつか自分の身におきたことを信じてもらうことができるのか。令和で梅を送り出すことになった曾祖母は、梅の身におこることを知ってましたよね。ということは!?
ええ、ここから描かれるだろう梅と若き曾祖母の関係、そして仲居仲間との仲を深める過程など、見どころたくさんありそうで続きが気になりますね。ほら、ラストの人力に乗ってきた子なんかもね、いかにもなにか一騒動ありそうです。
『異世界サウナへようこそ!~ルナちゃんはととのいたい~』
サウナものかあ、と思ったら、なんと、異世界サウナ。でもって作者は『ゆめぐりゆりめぐり』のはづきさん。おおう、湯めぐりに続き細腕サウナ繁盛記ときましたよ。
主人公笹下流奈は、サウナで心の健康を保ち生き長らえている会社員。休日出勤、続く残業。くたびれた心身を回復させるべくサウナを求めるも、その過酷な仕事ゆえにサウナにいく暇もなくなった結果、ついにエネルギーが枯渇、異世界のサウナへと迷い出てしまったというのです。
これ、異世界転生ものか。最初は戸惑いを見せたものの、サウナとあらば異世界だろうと構いやしない。むしろ前向きに異世界サウナを堪能すべく気持ち切り替えていくところなどは、さすがの一言。さらにはサウナの上質さ、整った設備にうっとりしつつも、的確な評価をくだしていくところなど、サウナソムリエ? まさしくできるサウナーっぷりを見せつけてくれましたよ。
本当ならひととおり異世界サウナを堪能したら元の世界に戻る手筈が、あまりのサウナーとしての才能が災いして、転送装置を破壊。戻れなくなってしまってさあ大変。こうとなったら、利用者が減ってきているというこのサウナを守り立てるべく、この異世界にて力を奮ってみせようというのですね。
しかしこれまで暮らしてきた人の世界とこの異世界とでは、いろいろ勝手が違うでしょう? なにができて、なにができなくて、そうした違いなんかも面白そう。またこの異世界がどんな場所で、どういう人たちが暮らしているのか、そうしたところからもまた面白くなりそうな予感がします。
- 『まんがタイムきららフォワード』第16巻第12号(2022年12月号)
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