『まんがタイムオリジナル』2019年9月号、先日の続きです。
『カントリー少女は都会をめざす!?』。そっと厄介払いされてる千秋、すごいな。全然気づいとらん。おしゃれ観光特集という言葉にあらがえず離脱する八重。残された大河さんが、亜紀、千秋のふたりを前に尻込みしてて、いやほんと、アホの子千秋と得体が知れない亜紀。特に亜紀、大河の中でどんな扱いなんだ。で、実際、亜紀の行動、突拍子もないというか、突発的におかしなことするんね。ああ、大河が手を焼くわけだ。なにしでかすかわかったもんじゃないから、羽交い締めして抑えるのね、めちゃくちゃ面白かったです。そして八重。椎奈と一緒にテレビ見て、仲良さそう? と思ったら、めっちゃスムーズにクビにされてるやん! ほんと、みんなおかしいなあ。でもって最後にやっぱり千秋が締め出されるのね。ほんと、椎奈、この子、強いわ。
『僕は女心なんて知りたくない』。春喜、独身女性の心の声が聞こえる能力があるっていうの、ああ、確かに大変だなこれって強く思わされた今回のエピソード。だって、女子から遊びに誘われても、自分は本命を釣るためのエサだって即座に思い知らされるわけでね、そりゃこの子が女子苦手になるのも仕方ないよなあ。ほんと、春喜くん、涙目だよ。佐藤になぐさめてもらいな、ね? デート? 当日、佐藤との待ち合わせを望美に見られた時の様子、最高でしたよ。春喜には望美の心の声は聞こえてないのに、でも自分たちのことをどう思ってるか、まるわかりになってるの。素晴しかった。そして佐藤目当ての女子、姫谷が登場。さらに佐藤の幼馴染み高瀬も加わって、ここからの厳しいやり取り、おそろしや。表向きはそれなりに穏当に振る舞ってるのに、内心ではめちゃくちゃ敵対してるの。で、そんなふたりに挟まれて、佐藤はというと春喜大好きってんだから、なんだこの関係性。これまで火花散らしてた女子のベクトルが一気に春喜に向くの、ああおそろしい。もうほんと、春喜、大変だ。佐藤の心の声が聞こえない、彼の本心がこれと明確に示されない。ここだなあ、これがこの漫画の面白さの核を担ってるところかも知れません。
『大奥より愛をこめて』。江戸城から出ましたね。そうなんだ、大奥の女中って里帰りできるんだ。そうか、女中だからか。蒔乃は菜々緒の付き添いだったんですね。菜々緒の家に招かれて、あの嬉しそうにしてるところ、とてもいい。菜々緒がよく蒔乃のことを家族に伝えていたらしい。お花に似てるって、妹のうち、どの子だろう? と思ったら犬かい! でも、この犬、可愛いな。しかも蒔乃にめっちゃ懐いて、ふたり一緒にいるところ、めっちゃくつろいでるお花の様子も実にいい。可愛いよな、お花。そして菜々緒のやり残したこと。本堂殿への詫び、蒔乃に手紙を託したのですが、ここで語られた武士の体面? なんだか本堂殿の生きづらさみたいなもの感じさせて、この時の空気感、よかったです。そして蒔乃のお願い。この子、はたしてなにをやろうというのか。事件になる? 大事になる? ほどほどで落ち着いてくれたらよいなあ。
『氷室君は板野さんの事が覚えられない』。合コンに誘われた長谷川と板野。合コンなんて苦手だ、はじめてだ。緊張してきた、っていうので、氷室を呼び出して練習台にしようっていうんだ。今回、いつもとちょっと違う展開。普段なら板野のこと、例のノートで思い出させるでしょう? それが今回は初対面での会話の練習だからって、思い出させないようにするんだけど、板野がぽろぽろボロをだしちゃうのね。いや、でもまさか肉じゃがの味でバレそうになるって、氷室、味覚においても記憶力抜群なのか。しかし今回、不機嫌にしている氷室。なぜなのか? 長谷川にキスを迫るようなこといって、これどぎつい冗談なのか、なにかの仕返しなのか。ここで板野が思っていたこと、ラストのモノローグ、コミカルで楽しい話が基本であるこの漫画に、人の気持ちの機微がのっかってきて、よかったですよ。ちょっと切なさ感じさせる、そこに気持ちがひっかかって跡を残すんですね。
- 『まんがタイムオリジナル』第38巻第9号(2019年9月号)
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