『まんがタイムきららフォワード』2019年9月号、先日の続きです。
『夢喰いメリー』。夢路が開いた新たな可能性、纏魔明晰夢。武装明晰夢が夢魔の装備、攻撃手段を借りて使用するものだったのに対し、纏魔明晰夢は夢魔の能力、いや夢魔の存在そのものを自身に映して、自身が夢魔そのものになるという技。夢路の命を削る危険な力といわれても、自分は不死身だから使い放題だという夢路。この人はいったいどこまでいってしまうのか。いきついてしまった先に、戻ってくる道はあるのだろうか。しかし、夢路、この人の夢を見る力は別格ですよ。ヤエの殴打を受けても、斬撃を受けても、その攻撃に負けない自分の夢を見ることで無効化してしまう。時間もなにも、因果もなにもぶち壊しにして、強引にすべてを自分の進む道を開こうとするかのようなその能力。これ、よっぽどの揺り返しがあるのではないか。夢路の進撃こそはすかっとするほどに爽快ではあるけれど、一抹の不安を拭えない。ヒリヒリさせる活躍。おそろしいですよ。あと、膨れヤエは可愛かったです。
『おなクラの幽霊さん』。ほんとに葉一にバレてしまったかあ。呼び止められて、問い詰められて、誤魔化すこともできず、あろうことかそうだと肯定するほかなく、きっと怒らせてしまっただろう、失望させてしまったろう。きさら、自分の価値、低く見てるところあるものなあ。逃げてしまって、避けてしまって、まあこれまで描かれてきたこの子の性格からすれば、そりゃそうなるよな! ってなもんなんですけど、それでもあえて決着つけようとするのが葉一なんですな。でも、この葉一の選択、正しかったのか。あの幽霊さんがきさらだった。すでに亡くなってしまった人でなく、今生きて目の前にいる人であったということ、これは葉一にとってはむしろよいことなのではないか。しかし、きさらには罪悪感があって、もう関わらないとまでいいってしまった。それをいわせてしまったのは葉一が決着を急いだからなのか。今は葉一の本心が知りたいなあ。葉一は幽霊さんがきさらと知って、あの子はどこにもいなかったと思って、それで、それからどう向き合いたいと思ったのか。今の状況、あんまりだもんね。ここは葉一に動いて欲しいところです。
『あいらいく俳句』。ほんと、フリーダムだな。俳句をたしなむ女の子たちの漫画だったんじゃないのかい? それが今回はベリーダンスにとりくむことになって、いや、唐突やな! でもこの唐突感がこの漫画の醍醐味なんだと思う。うさこがやってる習い事、それがベリーダンスだったっていうんだけど、部室で練習しようと思ったらバレてしまってさあ大変。皆もやってみたいと盛り上がるんだけど、万能すぎる演劇部とか、いろいろ残念なあいとか、こうしたデコボコな話の流れがやっぱり面白いんですね。あの、大の字になってるあいとか、ほんと残念感ものすごい。満面の笑顔なのがなおさら残念感を強調して、さすがでした。しかしこうしてできないながらに取り組んで、踊って、動いて、皆で気持ちあわせてっていう、そうした見せ場はほんとによかった。楽しそう、面白そう、それが伝わってこちらも楽しかったです。
- 『まんがタイムきららフォワード』第13巻第9号(2019年9月号)
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