『まんがタウン』2019年8月号、一昨日の続きです。
『はつくい転校生』。いきなりの時事問題? 初美ったら、米中貿易摩擦が気になるお年頃? とか思ってたら、冷やし中華なる耳なれぬ響きに、まさかの世界の動向を思い浮かべてしまっていたのかーっ! って、無茶! いつだって無茶めだけど、それにしても無茶すぎるよ! あの、得意気? いや、なんてったらいいんだろう、意味ありげに半目になってみせてる初美がなんか面白かったです。今回は冴え渡る初美の屁理屈がおかしく、そして冷やし中華を前にした瞬間に、謎の陰謀論が吹っ飛ぶ、その反転の鮮やかさ。しかし、どぴんしゃもなにも、君、ついさっきまで冷やし中華を知らなかったじゃない! 予想もなにもしてなかったじゃない! なのにどぴんしゃ。というつっこみはともかく、スープの酸味、麺の口当たりから具それぞれの味わにいたる感想、あれがもう強くて強くて、ああ、危険な、魅惑の漫画であります。
『レトロゲーとかマジウケる!』。今回は経営シミュレーション! 実は私はこの手のゲーム、やったことないんですよ。鉄道に遊園地にコンビニにファミレス? バーガー店? その時代時代の花形店舗? 憧れの店? そういうのがゲームになるのかなあ。あ、やったことあるのあったわ。『あの素晴らしい弁当を2度3度』。でも、なんか毛色違いすぎるよなあ。ともあれ、今回美咲たちが挑戦するのはバーガー店シミュレーション。序盤の展開、なかなかの攻めの姿勢を見せてくれて、これ、どうなるんだろう? 今回は大成功したりすんじゃないの? 期待させたのだけど、その後は順当に美咲の無軌道、ゆかりの堅実さ、それぞれのスタンスを明確にしながら、いつものようにドタバタワアワアとにぎやかに転がっていくんですね。でも、ふたり揃えばバランスとれてるんじゃないのかな? でもって、美咲の姿勢、それがよしおの漫画家としてのあり方、そこにヒントを与えて、ついでに勇気も与えるっていうのおかしい。ゲーム終盤の、赤字が見えてからの怒涛の展開もおかしくて、阿漕なことしたらちゃんとしっぺがえしされるんだ! ほんと、あれよあれよと転落していくの、これも定番展開? 期待を裏切らないというか、でもこういうのもゲームの楽しさですよね。面白かったです。
『珈琲と猫の隠れ家』。猫カフェにて、元気に走りまわる猫があれば、おとなしく静かにしている猫もあって、猫も様々ならお客さんも様々。相性があるっていうの、当たり前なんですけど面白いですよね。今回は、静かな猫と静かなお客さんの話。なかなか人に懐かないというその子が取り持つお客さんの仲。会ったこともないけれど、伝えきく人柄、また同じ猫が好きで、またその子も懐いているという、それらがきっかけになって、だんだんに気になる相手になっていくみたいな展開が、こんなことあったらいいなあ、でも現実にはなかなかないよねー、でもだからこそあったら素敵だよね、みたいに思わせてくれたのですね。店長が、理想はともかく人には事情があるんだからと、働きかけないように釘を刺すんですけど、なにもせずとも自然に距離の近づいていったふたり。ああ、やっぱり素敵でしたよ。
- 『まんがタウン』第20巻第8号(2019年8月号)
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