『まんがタイムスペシャル』2019年8月号、昨日の続きです。
『年上の物理女子は可愛いと思いませんか?』。体育大会で勝ちに貢献できそうでできなかった部長。得意気にべらべら秘策をしゃべっちゃうから! でも、力学で勝ちをとりにいく綱引きが面白かったと、なんと、入部希望者が殺到ですよ。マジかー。こんなことあっていいのか。しかし、ここで問題になるのが危険な実験やってるって噂。悪いことに、やってない、大丈夫といいきれないのがここ物理部。でも大丈夫、危険なことなんてやってない、堂々と公言する部長ですよ。さすがや。これ、本気でそう思ってるのか、あるいはしれっと嘘ついてるのか。どっちにしてもヤバい、いや、頼もしいな。入部希望者たちにこれまでの成果を披露している部長。生き生きとして、そして入部希望者にはいろいろ詳しいのもいて、なるほど、朝永、ピンチじゃないか。けど、きたる文化祭のために頑張ろう、一念発起して自転車発電機を実演してみたらば、あの事故! これ、部長がやりすぎたのもあれだけど、火が出た時にこれは実験、想定どおりだなんて、ヤバいこといってしまった部長の敗因ですよ。案の定? 危険な実験やってると見せつけてしまって、さーっと潮が引くように入部希望者が消えてもとの黙阿弥。浮かれてるのは朝永だけか。ほんと、このもうちょっとっていうところで失敗するの。そのやらかしようが見事です。
『カントリー少女は都会をめざす!?』。あ、これ、出張ゲストなのか。柱にて人気作と紹介されてるの、なんか嬉しいなあ。面白いもんなあ。八重ちゃん、可愛いし。さて、その八重が弟、日向に都会人のイメージを聴取中。それに応じて、早足と答える日向。でも、八重の実行しようという早足、それ、なんか違うよ? それ、都会とかそういうのんじゃない感じよ? 今回も八重は見事につっこまれ役を果たしてみせて、立派ですね。つっこむは、つっこみ役というより常識人枠とでもいった方がいいみなちゃん。でも、この子、なんか闇抱えてるよ? いつも、そこまでじゃないよね!? 心配してる八重がなんかおかしかったです。のんびりみなちゃんは可愛かったんだけどなあ。都会代表、大河さんのお弁当を八重が想像するくだり、あれが面白かった。おかずがやきそば。それはたまにある。って、あるのか。すごいな、大阪。いや、大河さんのお家だけか? ラストのお弁当ふたつになりました、これもよかった。ほんと、この子たち、なんか楽しそうなこといつもやってます。
『なごみ先生は職場のお医者さん』。ファミレスでコンペ用の資料を作っていたらバレてはいけない相手、なごみ先生に見つかってしまった。これ、仕事だけど仕事じゃない? 自由参加のコンペで、けれどこれで受賞、製品化を勝ち取れば、このままヒットまでいってしまう可能性、いやさ実績があるという。そりゃやる気にもなろうというもので、それこそゲームが好きで、こんなの作りたい、こんなゲームがやりたいというビジョンがあればなおさらなのだろうなあ。かくして、社内には体調不良者が続出して、なごみ先生にバレたらやばいと社長がビビる。後ろになごみ先生がいるのに、みんな騙されてるけど怒ったときの怖さは歳相応以上の貫禄が、なんていっちゃってるコマ、あれ、面白かったなあ。状況によっては就労制限をかけられるかも、コンペ自体が中止になるかも。そういって怖れるの、逆にいえば労働環境の整備についてちゃんと考える文化が根付いたってことですよね。そしてなごみ先生も、彼らの情熱、やる気を理解して、無理はしないこと、釘は刺しながらも皆を激励する。立場、役割こそは違っても仲間なんだな、そう感じさせられた瞬間でした。
『タヌバレ』。面白い。人に化けているキツネ。うっかりしっぽを出してしまってたら、教師に見咎められてしまった。なるほど、アクセサリーと思われた。それを少年の機転で救われてというの、なるほど、今回はそういう機転が話の軸になっていた。うまかったですよ。この学校、キツネの子だけじゃなく、ねこの子もいるんですね。ねこのクロエちゃん。しっぽがふたまたになってる。この子はうっかりすると耳としっぽが出てしまう。この子のピンチをね、キツネのごんと少年ふたりが機転で救う。あのくだり、そのコンビネーション、うまくできててよかったです。しかもピンチに陥ったクロエのあの弱りきった顔、そして助けられても素直にお礼いえない彼女に、そんなクロエのこと理解してなのか、勝手にやったこととニコニコしているごんと少年、その人情味ですよ。ほんと、この情感が面白い。素直じゃないクロエのお礼のくだりもいい。そして没収したアクセサリーが葉っぱに戻ってしまって、先生が焦るところもね、ちょっと可哀そうなんだけど、ちゃんと後で返そうと思ってたってわけでしょう? うん、いかにも化かされたってやつ。でもこのご時世、化かされたとは思わないよねえ。この先生なら、クロエにちゃんと謝りそう。そこでまるくおさまるといいですね。
- 『まんがタイムスペシャル』第28巻第8号(2019年8月号)
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