『まんがタイムきららMAX』2017年11月号、一昨日の続きです。
『はんどすたんど!』、跳馬の踏み切りにはじまり、春の市民大会にかけての話題。これで皆の成長をしっかり感じさせてくれるの、とてもいいなって思いましたよ。ななみがいうんですね、踏み切りの音が違うって。自分たちのはぎっちょんで、ゆかちーやあやだとバコーン。なぜそんなに違うのか、あやの演技を観察して、それを自分たちの跳躍と比較してみてという試行錯誤の情景に、ただいわれるままやるのではなく、主体性もって体操に取り組んでいることが感じとれて、ほんと、これ、すごい、眩しいくらいのモチベーションでした。こうしたななみたちの意識、次からは一部に挑戦したいとうゆかに対する態度からも見てとれて、ゆかがいないと自分たちは駄目だ、そういいながらもね、ちゃんとゆかの背を押すし、さらにはゆかやあやの演技、見たいっていってる、そうしたよりよいものを求める気持ち。とてもいいなって思ったんですね。ほんと、だばだばしてたりする、そんな中にしっかりした気持ちの背骨があるよね。それが本当に気持ちいいんですね。
『のけもの少女同盟』。ニカにストーカーがついてるんだ! 誰かの視線を感じる、そういって怯えてるニカだけど、いや、下駄箱に手紙が入ってたんだ、これ気のせいじゃないよ。確実じゃん。そのストーカーと疑われた相手、ニカの可愛さのあまり、鑑賞するのを趣味にしてしまったクラスメイト……。松里まこ。その鑑賞がニカを怖がらせてると知らせたら、バレないように慎重にしないと……。基本いい子なんだけど、どこかに闇を感じさせる。うん、この漫画らしいですよ。この子の気持ちがニカには通じてなくて、しかもいろいろ報われなくて、そうした不憫さ感じさせながらも、最後にはこの子の頑張りがニカとのコミュニケーションを成功させてという、ここによさがありました。ええ、ささやかながらも、ふたりの間、距離は縮まっているのですね。
『私を球場に連れてって!』。今回はまた面白いペア成立で。レオナとファル子、ふたりいろいろやりあうことはこれまでもありましたけど、まさか一緒になってファルコンズ、キャッツ戦を観戦することになるとは。キャッツ側の内野席なんですね。だからユニフォームとか着られなくて、ええ、ファル子も遠慮してるわけですが、そんなファル子の背にファルコンズファンですって張り紙するとか、レオナ、怖ろしいことしてくれますね。でも、観戦してるうちに、ちょっとずつでも親しくなっていってるの、よかったですよ。選手のデータ教えてもらったりね、それでふたり名前で呼びあうように!? って、ファル子、春子と呼んでもらえてないこと、根に持ってるんだ。基本、敵対するチームのファン同士、なかなか表立っては仲良くは振舞えないけれども、その根っこには親しくできる芽があるのですね。そんなふたりの距離感、難しいけど、悪くない。ちょっとの緊張感がいいスパイスになっていますね。
『どうして私が美術科に!?』。課題の環境保護ポスター。これ、おかしいなあ。紫苑のポスターがどう見ても映画のポスターで、今にも上映されそう感がすごいとかね、その表現がまたおかしかったですよ。ポスターに表れる皆の個性、っていったらいいのかな。どんどん絵が小さくなる桃音とか、センスはいいんだけど添えられた文章が微妙な黄奈子とか、こういうの面白くっていいですよ。すいにゃん先輩のポスターの完成度に舌を巻く紫苑は見どころでしたね。なるほど、ポスターに求められるもの、その機能を満たすためになされる工夫もろもろ、その説明に感心しながらも、理解してることすなわちできるということでないというのを体現してるのがまた紫苑って話で、いやあ、面白いというか、他人事とは思えなかった! そうだよなあ。わかってるからってできるわけじゃないんだよなあ。ポスターのアイデア探しにいった蒼も面白かったですね。くろえちゃん、岡本玄恵先生とのやりとりも、また先生の学生時代の作品めぐるいろいろもね、ほんと、先生のちょっと先生らしくない表情垣間見られた、そんな感じでしたね。思いがけない蒼と先生の共通点もね、ちょっと先生を近しく感じさせてくれました。
- 『まんがタイムきららMAX』第14巻第11号(2017年11月号)
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