2017年9月14日木曜日

YAMAHA ヴェノーヴァ カジュアル管楽器 YVS-100

 もともとの製造数が少なかったのかも知れませんが、まさかこんなにあちこちで品薄になるとは予想もしない展開でした。YAMAHAのVenova。ヨーロッパで先行発売されていた新しい管楽器です。樹脂製のボディ。軽量で、持ち運びも楽。丸ごと水洗いもできるくらいに手入れしやすいというのは、ちょっと思い付いた時に吹いて、ぽいっと片付ける、みたいな運用も可能ってことですよね。よいかもなあ。面白そうだなあ。そう思ってたので発売日に買いました、といいたいところだけど、ちょっと出遅れたために入手は発売から数日後になってしまいました。

まだ試しに吹いた程度です。なのでほぼファーストインプレッションです。

管を曲げることで、ある程度の管長を確保しながら、コンパクトなボディと無理のない指孔配置を実現していることが売りのひとつになっている楽器です。この管長が確保されているということ、たくさんあるカジュアルサックスの中でもアドバンテージになるのではないかと思っていました。カジュアルサックスっていうのは、JsaxとかXaphoonですね。どちらも楽器店で試奏させてもらったことがあるのですが、安定しなくってですね、面白いんだけど吹きにくい。でもなんだかこういうの、一本欲しいんだよな、そう思っていたところにVenovaが発表されて、いやあ待ちましたよ。でもって到着して、休日を待って吹いてみて、あれー、やっぱり安定しないのねー! びっくりしましたよ。

この楽器は右手中指のアタッチメントを付け外しすることで運指を選ぶことが可能です。ジャーマン式とバロック式ですが、どちらがいいのだろう、手元にくる前はいろいろ考えていたのですが、思った以上に抜けの悪い音にバロック式を選択しました。音程の傾向を確認して決めるつもりでいたのですけどね、もともとあんまり安定しない、ということは口元と指で調整すること前提となるわけでして、だったらジャーマンでもバロックでも好きなの適当に選んで、あとは自力で微調整すればいい。音程が選択の理由にならないのなら、右中指ひとつではありますが音孔を大きく開けることのできる、つまり多少は音抜けに有利になる? バロック式を選んだ方がいいんじゃないかな。といった理由でバロック式に決めたわけです。でも、ある程度吹いてたら、ジャーマンでもバロックでも、そうそう違いはないなって感じです。

マウスピースとリードを使う楽器です。マウスピースはソプラノサックスのものがそのまま使える。とはいうものの、径の太いマウスピースはとりつけることができず、また付属のマウスピースより音程が低くなるものも向かない。このへんはいろいろ試してみるしかないところですね。付属のリードは樹脂製で、マニュアルにもあるとおり柔らかめのもの。より硬めのものに変えることで高音など出しやすくなりますよ、みたいな説明もあったので、たまたま手元にあったLegereのリード、3 1/4を試してみたところ、確かにこちらの方がずっとよくなります。

マウスピースはソプラノサックスのものが使えるということは、マウスピース、リガチャー、リードに工夫の余地があるということです。なので、付属のものから手持ちのものにひとつずつ変えていったところ、リードを適切な硬さのものにすること、それからリガチャーを変えることが重要かなあと思いました。もちろんマウスピースの変更は大きいんですよ? でも、この楽器はこういうものみたいに割り切れる範囲かなと。対してリード、それからリガチャーの変更は、マイナスになってるものを0に戻すような感じがします。それはつまり、付属のものがそれだけよくないってことかも知れませんけどね。

Venovaは思ったよりもスラスラと吹けない楽器ではありますが、吹いているうちに慣れる、うまい鳴らしかたがわかってくる、そんな感触もあります。なので長い目で練習していくのがいいかなあ。でもそれだけしっかり取り組むならサックス吹いた方がよくない? みたいなところもあって、いろいろ難しい。この楽器自体をオプションのひとつみたいに割り切るとよさそうですね。

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