2017年9月1日金曜日

『まんがホーム』2017年10月号

『まんがホーム』2017年10月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』がメイン、お祭り、夜店ですね。スーパーボールすくい、そのすくった戦果の入った小袋、それをちょいっとかかげて下から覗いているらいかが印象的。ちんと座って、その表情に去来する思いはなんなのか。過ぎゆく夏に思いをいたしているのでしょうか。ええ、ちょっと哀愁ある表紙ですよね。他にはお祭りの装束『孔明のヨメ。』孔明と月英のふたりです。なにかいつもと違う印象、ちょっと元気な感じがいいですね。そして『マツ係長は女ヲタ』。カラワン通信手にした係長とウメくん。ああ、係長、やっぱりいいですね。この人好きですよ。

敗者復活戦!』、最終回でした。榎本と月穂サマとの会話からはじまるんだけど、ああ、もう榎本、なんだかんだで思うようにいってないなあ。業種がちがうわって、榎本の紹介やなかったんですか。人により変化があったり特になかったり、これからの変化を予感させたりさせなかったり。ほんと、なんともいえない後味、独特ですよ。大きな変化はなかった。かと思えば、桑原先生のお父さん、お母さん、離婚しちゃったとか、さらにその父がゆかし堂の新人とか! ほんと、これひとつの大きな帰着ではあるんだろうなあ。「分かっているのは道半ばということ」。この漫画はつまるところそれだったのかも知れませんね。ええ、進歩ありなし、それは本人がひとり思うことなのかも知れませんね。気づけば進んでるかも、あるいは思ったよりも進んでなかったり。人生ってのはこういうものなのかなあ。そんな感触、やっぱり独特です。

『転生したら蘭丸でした』。おお、転生ものだ。森蘭丸12歳。中身はアラフォーのおじさんだなんていうんですが、そうか、アラフォー元リーマンが信長の小姓となって、あんなことやこんなこと! わくわくしてきましたよ!? 21世紀に生きていたサラリーマンが戦国時代に生まれ変わって、それからの立身出世でありますね。信長とともに、もう少しで天下統一というところで命を落とす。その未来を回避すべく奮闘するってわけだな。STOP本能寺! 今回は蘭丸の上司である信長の人となり描かれ、そして問題の男、光秀と出会う。ネガティブでなのにプライドだけは高い、そんな光秀の面倒くさい人となり。それを実感させた上で、いざ攻略! ああ、中身おっさんの蘭丸、うまいこと生き残れますかね。目論見が成功したら歴史変わっちゃうけど、戦国の世を今と生きてる蘭丸には後のことなど知ったこっちゃないわなあ。ええ、レッツ歴史改変。はたしてうまくいきますかどうか。

『男女の魔法少女は成立しますか?』、めちゃくちゃ面白かった。ちょっと感動した。藤森葵と財前隆文。ふたりが向かうのは映画館。「魔法少女マロングラッセ」の応援上映っていうんですが、美男美女ふたり組みで映画とかね、デート? と思いそうなところが、まるでそんな風じゃない。むしろ果たし合いじゃん。隣の席の親子連れ、お母さんがちょっとひいてるのがおかしくって、で、これ、上映がはじまったらもっとひくっていうのね。おかしいわあ。お嬢ちゃんはね、高校生のお兄さんお姉さんが、必死の形相本心から全力投球でまろーん!! まろんちゃーん!! 喜んじゃってね、一緒になって応援して、すっごく楽しそうななけど、お母さんはすっかりひいちゃって、娘からちゃんと応援してっていわれても、ちょっと恥ずかしいからって遠慮がちで、でも、隆文ですよ、いいこというじゃん! 誰かを応援するのは恥ずかしいことじゃない! それからのお母さん、おお、なにかふっきれたみたいに声出しちゃって、その表情もすごくいいじゃない。もう泣けたね、このお母さんのために泣けたねえ。いい話やったわ。そしてラストのシーケンス、藤森葵…、やるじゃないか。あたぼうよ! うおお、いいなあ、このふたり。相棒じゃんよ。ほんと、この流れ、全部がよかったよ。

『天国のススメ!』。こども神輿にイタズラされるというので太一にお声がかかった。捕物班。はつみみでした、はいいんだけど、これ霊的なお友達呼んで、イタズラの犯人を心底震えあがらせちゃってって依頼なの!? と思ったら違いました。ああ、心霊案件なんだ。しかも太一を名指しなんだ。証拠写真に写ったんだ。たいちのせいだもん。すげえ! ほんとに名指しだ。これ発端が太一だったんですね。かつて太一の作った神輿の鳳凰。それが心を宿して、ずっと太一を待っていた。毎年遊ぼう、そういってくれたのに翌年からもうこなかったって、そうか、太一、卒園してこども神輿担がなくなったのか。それからずっと寂しい思いしてたんだなあ。で、それで太一を呼んだってわけなんですねえ。しかしなにがおかしかったって、太一のつれてきた友達、草間のあまりのハイテンションぶりに、太一の鳳凰が怖れてるっていうのね、どんななんだ草間。不思議も怪奇も草間のテンションにはかなわないのか。そしてこの決着ね。おおう、太一まで担がれちゃったよ! でも、太一こそはあんなでしたけど、鳳凰は楽しそうで嬉しそうで、いい味わいでしたねえ。鳳凰のゆるさ、これがまたよかったんですね。

  • 『まんがホーム』第31巻第10号(2017年10月号)

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