2016年6月26日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2016年8月号

『まんがタイムきららフォワード』2016年8月号、昨日の続きです。

『鬼が出るか蛇が出るか』、前回の温泉でのアクシデント。あれ、しれっと流されるのかな? とか思ってたら、ああ、やっぱり引っぱってきましたね。おしおき? いや、そうではなくて、優と霞の関係がギクシャクしてしまった。霞、怒ってるわけじゃないんですけどね、気まずいだけとかいってますけどね、そうじゃないよね。その向こうに隠してる気持ちがあるよね。といった今回。しろも美来も、それぞれの立場から思ってること、わかってることを口にすれば、鈴は鈴で、思いが乱れてること、優に伝えて、というか、出歯亀って、一番優のことわかってねえ! といった展開を経て、まさかここで霞に駄目押しがあるとか予想もしてなくて、いやあ、しかたないとはいえ、一世一代の大告白ではありませんか。もうね、ここまでいわれて優くん、黙ってたらあかんよ! ほんと! あかんよ!

『ようこそ幻界集落へ!』、朱音の選択ですよ。このところ朱音の様子がおかしいといってうろたえているミモザだけれど、それ、受験やからやで。いよいよ大学受験。朱音は進学を機に東京に出ようと考えていて、それを知ったミモザが、なぜ? やっぱり村では暮らせないのか。ずっと一緒なんて無理だったのか。ショックのあまり駆け出していってしまうんだけれど、残された朱音に村の皆がかけた言葉の暖かさ。そして朱音の残した手紙にミモザの知る、その真意。ああ、村を思っている、村の皆のことをこんなにも思っている。そうしたことが真摯に切実に語られた、切ない一旦の別れの場面でありました。そして5年後の情景。変わったものがあり、そして変わらずにあるものあり。そうした村の姿。ああ、大人になって帰ってきた朱音と、朱音を出迎える皆の笑顔。本当に素敵なラストであったと思います。

そこテストにでます!』、ここにあってまだまだ揺れるか恋心。かえでが数馬にいうんですね。もみじのことをこれから好きになっていくかも知れないし。ああ、ここにかえでの独自性、あるいはマイペースが発揮されて、定まった、そう思われていた数馬の恋心に揺らぎも生じれば、いろははじめ、数馬の周囲の女の子たちにもその影響は及ぼうかといった次第なんですね。この漫画は、恋する気持ちなんか、あたかもテストに出ますよ、それくらいに自明なものなんだよ。そうしたことを一旦描きながら、いやけれど好きという気持ちとはどのようなものであろうかとその大本に立ち返って、はたして自分たちの感じて抱えているもの、それはいったいなんなのだろう。あやふやであって定まらぬものであるのか、うつろいゆくものにすぎないのか、それともあるいは……。そうした中、一度は塾をやめる、日本には残らない、そういっていた椛が決意も新たに戻ってきて、ああ、彼女の決断はなにを導こうというのか。ここで戻ってこないなんてありえない。そう思ってはいたけれど、周囲が前提がもう以前とは違ってしまっている。本当に先の見えない、油断できない、そんなシチュエーションに、きりりと髪をまとめた椛の凛々しさが光っていました。

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