『まんがタイムジャンボ』2016年7月号、発売されました。表紙は『レーカン!』天海さんがメインで、あれ? セーラー服? それもクラシック、オーソドックスなセーラー制服、髪なんかはおさげで、くるっとまわって、その様子。鮮烈でさわやかであります。『ヒゲとセーラー』初さんもセーラー服で、と、こちらもいつもとは雰囲気違えてきて、おお、これは水兵さん、そう思わせる凛々し可愛さであります。『終活女子高生』律もセーラー服。この人はいつもブレザーだから、ちょっとレアな感じ? でもこの子の場合、なんだかコスプレみたく見えますね!
『ナデシコ!』、社長が変わって海外展開に打ってでた。そのアメリカ事業部に異動したエミさん。ニコニコと笑顔で、けどお客サマ相談室のこと、酷くいわれてるなあ。お客サマ相談室は解体。メンバーはリストラというんですが、そうしたかつての仲間のこと、エミさんはどう考えてるんだろう。なにも考えてないとかありえない。なんらかの逆転策があるに違いない。そう思いながら読んでいたんですが、引き払うギリギリまで険しい顔で仕事を続けるイチカさん。会社への、商品への愛からついには泣いしまうミス小盛。どうなるんだろうなあ。切なさがしみじみと込み上げてきた、そんなところで、おお、エミさん、逆転の一打!? 海外、アメリカ人の嗜好に商品をあわせていきたい。そのヒントは、これまでのお客様相談室に寄せられた意見、そこにありますよ。ああ、これ、どうなるのか。ほんと、これが復活の一歩になればよいなあ。
『きつねとパンケーキ』は、獣娘3人を連れて和巳さん、里帰りですよ。怖いお爺ちゃん、天然のお婆ちゃん、なんともいえんコミュニケーション。でもこれって、和巳の母も父も、獣娘のことを知らない、不慣れ、つまりははじめて会ったということ、なんですよね。父も緊張している、紺乃も緊張している。けどそれは祖父もそうだってことがわかる今回。ずっと口を利かずにいた祖父の、その真意がわかる。脚立から落ちた紺乃をかばって、腰をいわせた病床で、息子和巳に語る父の気持ち。ああ、紺乃に対する気持ち。無言の凝視、その向こうに動いていた気持ち、それが素直な言葉で語られて、そしてそれが紺乃にも伝わって、和巳のわだかまりも溶けて……。ああ、これは泣ける。不器用な祖父。そんな彼の心に紺乃の手が届いたんだなあって思わされました。
『それでもヒナは魔術師になりたい!』、手品部創部にこぎつけたみたいですよ。全然マジックの才能のないヒナだけど、手品師になりたいという気持ち、その原点が語られれば、なんとかその夢がかたちになって欲しいものだ。そう思わされたりしましてね、けどヒナはいろいろあやうい、具体的に危ない。ヒヨリが心配するのも当たり前なんですけど、そんなヒヨリの本心が漏れた今回ですよ。赤面しながら、好きです…けどね。かあ…って! そりゃべにちゃんも勘違いするってものですよ。顧問になってくれる教師を見つけないと。今手が空いているのは橋広コウ先生。ハシビロコウ! この先生の顧問をひきうけるくだり、あれはおかしかった。とはいうものの、こんな先生が顧問でいいのん!? ちょっと心配の種が増えたみたいな気もしますよ?
『りくぐん』、いや、『ペンタブと戦車』ですよ。のっけから面白いなあ。里見青年の同人誌を見て、里見曾祖父がつっこみをいれる。軍装の描写のミス、それを嬉しそうにつらつらあげつらって、いい笑顔! 対して武田大尉といえば、軍装なんてどうでもいいから読ませろ。めちゃくちゃ面白い。若き曾祖父に監修を依頼する里見青年ですけど、この彼が軍ものに興味を持つにいたったきっかけ、それが曾祖父だったのかあ。けど、会うことはできなかった。生まれる前に死んでたからって、ああ、本当なら会えなかったふたりがこうして出会えているのか。これもまた切ない話であります。さて、武田大尉です。明日にはノモンハン、そんな時に、89式ハクとの祝言をあげたい。なんだかすごくナンセンスな描写、けれどそれが切実さ持って描かれて、絶対に勝って帰るぞ、その敬礼、ぐっと胸に迫るものありました。でもさ、これ、それどころじゃなかった。里見青年が見せた八九式中戦車の写真集。そこに書かれた自分の未来。それを変えようというのか、あるいは、その未来に、歴史に殉ずるのか。もう、これ、泣ける。ナンセンスで和気あいあいとして、ちょっと切なさもあって、でもどこか希望や明るさみたいなものもあった。今回はその明るさの影に隠された悲しさ、いたましさが不意に顔を出して、ああ、そうしたことを知れば、武田大尉のいろいろが、なんと悲壮なものと感じられたものか。どうなるのだろう。どうなるのだろう。気持ちがなにかざわざわとして、右往左往、そんな感じがとまらんです。
- 『まんがタイムジャンボ』第22巻第7号(2016年7月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿