『まんがタイムオリジナル』2016年8月号、一昨日の続きです。
『北斎のむすめ。』、江戸の水事情でありますよ。銭湯でスイカ風呂! ってのはまったくもって栄の勘違いであるわけですが、当時の井戸の仕組みとかね、なるほど、川から水をひいている。けど、そこから北斎の、水位を一尺下げたいって、そういうダイナミックな展開に繋げるとかね、ほんと素晴しい。とても面白いし、ああ、絵描きの業ってやつだ! そんな風にも思えてよかったのですね。うちわのデザイン、こうしたものも面白い。というか、春画って! ほんとにあったの? というか、外で使いなさんな! そして最後に井戸さらい。栄の絵師としてのコメディもろもろも面白い漫画ですが、今回みたいに江戸の風物、長屋の四季を描くといったものも実によい。彼女らの生活の風景が身近なものと感じられますよね。
『かでん屋さんの基礎知識』、園宮が社員になりました! でも、どこが変わったかピンとこない。手続き? 研修? も、どうもそれっぽいことなくって、その困惑の状況は見ていて面白かったです。中途採用で即戦力。それはなんだか素敵な響き、とかいってるんですけど、そこはそれ、すぐにでも投入できる戦力、現実的な理由であるんでしょうね。しかし今回は皆の描写、やたら力がはいっていました。目がうるうるの園宮。草薙の横顔も美しくって、おお、これはいったいどうしたものか。仁井原もかっこいい。さんちゃんも素敵な仕上り。ほんと、ちょっと華やいだ園宮のターニングポイント。最後の、うん! よろしく! もすごく魅力的な笑顔でした。
『放課後すずなり倶楽部!』、進路の話、続いてますね。高等部に進むか外部受験するかで迷う美亜です。千弦は高等部に進むつもり。うさは外部を目指します。そうした話を聞いて、いろいろ考えるわけですが、他校に進むと今の友達とは別れちゃいますよね。けど千弦は、進んだ先で友達作って、今の友達で集まれば、もっと輪が広がるとかね、すごくポジティブなこというんですね。引っ込み思案の美亜。先のことを不安に思うんですが、それをね、玉緒に音々子、背を押してくれる。そして優良も、七夕飾り持ってきてくれて、ああ、その気持ちがあれば、いつでもこうしてまた集まれるよ、そういうことなのでしょうか。すっかり美亜、元気取り戻して、ああ、外部受験するんだ。その選択、晴れ晴れとした笑顔でもって伝える、その姿がまぶしかったです。
『歌詠みもみじ』はフリーマーケットに出店しますよ。先生は公務員、フリマとかいいの? って問いに、ちゃんと許可とってるっていうのはナイスですね。そしてフリーマーケットは、自由市じゃなくて蚤の市だって、おお、先生、先生してますよ! 先生の出品はブランドバッグ? ほう、歴代元カレからのプレゼント。先生、黄金期があったんだ……。先生のバッグをばしばし査定していくまりなの眼力、実にいい。ああ、この子、いいものいっぱい見てそうだもんね。そしてもみじ、路上詩人に感化されて、川柳売りはじめる。ああ、もみじさん、挫折であります! 最後の落ちといいますか、先生の昔の写真がですよ、おおう、ガングロってやつかい! 強烈な印象残して、ああ、人に歴史ありですね!
- 『まんがタイムオリジナル』第35巻第8号(2016年8月号)
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