先日、『亜人ちゃんは語りたい』の時にもちょろっといってましたけど、テレビでやってたCM見ましてね、それが決め手でしたね。ええ、まったくもって決め手でした。テレビCMで紹介されてて、あ、これ、なんか興味あるっぽいかも、そう思って、講談社だから電子書籍でも出てるだろう、そう思って確認しようと思ったら、その時にはもうタイトル忘れちゃってて、録画でまた確認して、それでようやっと買ったっていうのね。いやもうね、買って、読んで、これ、ハードだな! めちゃくちゃハードじゃん! 打ち拉がれて、泣き濡れて、けれどこれ、面白いなあ。面白かったんですね。
この漫画、可愛い女の子がいっぱいです。まずヒロインが可愛い。舞子。ちんまりして、ちょっと気弱っぽくて、けど、こんな子が、冒頭から、あれですよ。なんか、戦っちゃってるの。表紙でも、両手に剣を持って、なにかただごとではないですよね。本編冒頭でも、そんなどころじゃなくって、エンチャント、降神なんていっちゃって、神様? というか、自分にはこれ、悪魔としか思われないんだけど……、自分の身に降ろして、頭に角なんか生やかしちゃって、でもってマジ殺し合っちゃってる。つらい……。戦ってる相手もね、ちょっと勝気で、わんぱくそうで、けど可愛い子なのよ。それが、それで、あれで、ぐっさりとやられて、死んじゃって、ねえ、ああ、なんだろう、殺伐ですよ、殺伐。最近はやりのサツバツ・ニンジャ漫画もあれだけど、見た目いたいけな美少女なだけ、こっちの方がもっとサツバツなんじゃないのか? なんて思われるほどで、泣けるのですよ。
舞子には、戦う理由があるんですね。大切な友だち、緋乃のことを助けたい、その一心でつらい戦いに身を投じている。負ければ死亡。殺して殺して、殺し合った果てに、ひとり生き残らなければならないというルールでもって、悲壮なバトルロワイヤルを夜な夜な苦闘し続ける。その決意や覚悟がいたましく、そうかと思えば、その夜の戦いの場においても、知人が、友人ができてしまうんですよ! おおう、どうしたらええねん! 今だけは共闘しえたとしても、明日には殺し合うことにもなりかねない。いずれ戦う相手がしぼられれば、戦闘は不可避! おお、どうしたらええねん!
なにかね、この悲劇を回避する手段があるんじゃないか? どうも、そういうの探してるっぽいふたり組があったりしましてね、それが結構な明日への希望みたいな気分になっちゃってるんですけど、でも、これが全然そんなことなくって、最後に友だち同士でやりあっちゃうよ! ってなったら、私は寝込んじゃうかも! とまあ、そこまではなくっとも、後味は悪いかもなあ。と、けれど、それでも、負けられない舞子の戦い。彼女が仮に勝てなかったのだとしても、彼女にとっての救いとなる結末があるのではないか。あるいは、彼女の勝利が、知り合った彼女らの殺戮の上に成り立つものではなくなるのかも知れない。そうした、今の状況、前提となっていることを否定し、乗り越えた先にありうる彼女らの未来、そいつが描かれるんじゃないかな、描かれて欲しいなあ、そう思えるところに引かれているというんですね。
そうそう、甘味喫茶おるぎあ、これ、すごいよね。なんというか、これもまたひとつの救いかと思う。
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