『まんがタイムきららMAX』2025年4月号、発売されました。表紙は『ぼっち・ざ・ろっく!』。ギターだけが友達だった。暗い押し入れのなかでギターを弾く後藤ひとりの姿。これはかつてのひとりなのでしょうか。目に光がない。覇気がない。けれどこれこそがひとりの原点であるわけですよね。ギターだけが友達だった。だったと書かれたことに、今はもうそうではないということが示唆されて、この子の歩みというものを感じさせる表紙になっています。
今月は新規ゲストが4本です。
『子供部屋ドラゴン』
ひきこもりドラゴン! けど、15歳なら子供部屋暮らしでも別に悪くないような気もする。
とはいうものの、10歳で成龍になるということは、人間換算するなら30前というところなのかもしれませんね。
さて、ある日帰宅したら家が半分お城になっていた。そんな予想外の状況に遭遇した葉山ひまり。ここからも、母の再婚相手がドラゴンとか想像を絶する事態に直面させられるのですが、わりと受け入れていますよね。
お父さん、ひきこもりの娘、ぎゃおが部屋から出ないからと、城ごと連れてきたといっている。見た目にちんまいかわいいドラゴンだけど、本気を出せばすごい系なのかもしれない。実際、父の弁によれば、成龍になれば世界のひとつやふたつくらい支配できてしまうらしい。ということは、この父ドラゴンもどこかしらの世界を支配しているのかもしれませんね。
そんな父に、娘ぎゃおのひとりだちに協力するといっちゃったひまり。一緒に世界攻略したいの? それはそうと、内気で怠惰な桃色ドラゴンぎゃおとの生活。甘やかして、身のまわりのこと手伝って、って、これ、介護だ!
突如はじまったひまりのドラゴン介助生活。はたしてその気のないぎゃおがひとりだちする日はくるのでしょうか。
『疫病天使』
無理矢理に人間界に放り込まれた天使ジェル。天使とバレずに人をしあわせにするのが目的というのですが、もしバレちゃったらどうなるの。なんと死刑! 命はないというんですね。
なのに、人間界に降り立って、速攻人に天使とバレてしまったジェル。なんとかごまかそうとするもかなわず、その人間、大山縁が黙っててくれるっていうから助かった。縁のアドバイスで人に扮してともに学校に向かいます。いろいろ便利道具があるんですね。好きな学校の生徒になれる学生証とか。これでとりあえずは協力者、縁の助けを借りられそうです。
でも、朝からバタバタしてしまったから遅刻してしまいそう。縁を遅刻させたらペナルティ食らっちゃう! で、学校に災害起こしてうやむやにしようとか、ジェルさん、考えが物騒すぎる!
結局は幸運付与でなんとか遅刻せずにすんだのですが、ローラースケート登校が教師に見咎められて、ジェルは無事ペナルティ。ええ、ジェルさん。いろいろ機転というかなんというかが致命的ですね。
『お嬢+ギャル!〜お嬢様、ギャル絵師と同人活動はじめます!〜』
不遇なる低レアキャラを推せしもの。好きなゲームの押しキャラが、びっくりするほど露出がない。当然ながら同人誌も出ておらず、そんな状況が耐えられないのが華屋敷蝶々。名家の子女。完璧を誇る彼女だけど、素はオタク。けれどそれは知られてはならない秘密なのです。
それがバレてしまったんですね。学校で、息を抜いていたときのこと、人気の同人作家が件のゲーム、ロイスタの同人誌を出すという。けれどメインは人気キャラ。蝶々の望みは叶わず。でもこの人はただ手をこまぬいて見ているだけではないのですね。自分でも同人誌を! と思い立ち、その情熱のまま描きはじめたネーム。そしてそれが運命の分かれ目となるのですね。
教室に戻ろうとした蝶々が、ばったりぶつかってしまったのが同じクラスの子。反りがあわぬと距離を置いていた相手なのだけれど、その彼女がロイスタを知っていた! かつ、絵を描いているという。その絵を見ればすぐわかる。マイナーキャラにも供給をほどこしてくれる神絵師、夢野るりり! そこからの思いもかけない展開が、まさしく供給不足に喘ぐ蝶々に希望を与えるのですね!
人気作家、夢乃るりりの手になるロイスタ、カナン本の夢! 春乃るりりいやさ春原琉莉愛と手を組む蝶々の同人活動、はじまります。
『残念王子もたまには攻めたい!』
王子様系美少女、御任透叶は生徒会長。けれどそんな彼女にも悩みがあって、それはパートナーとの関係において、常に受けであるということ。たまには自分も攻めに転じたい。そう願うも、パートナーにして生徒会副会長の笹木沙祈子が許さない。
それはなぜか。透叶が、見た目こそは王子様だけれども、中身が全然ともなっていない。勉強がダメ。運動もダメ。チャックすらうまく閉められないって、相当だな! ともあれ、見場だけいい実質赤ちゃんみたいな存在だから、攻めなんてとんでもない。私が全部してあげるから、黙っていうこときいていなさいと、沙祈子を前にするとやはり受けに甘んじてしまう透叶なんですね。
さて、これが単話ならこれでおしまい。透叶は生まれながらの受けでしたでめでたしめでたしでしょう。しかしフレッシュゲストの第1話ときたら、ちょっと話は違ってきます。
透叶はこの先、下剋上を成功させ、攻めに転じることができるのか。まさしくこうご期待でありますね。
- 『まんがタイムきららMAX』第22巻第4号(2025年4月号)
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