一昨日の続きです。
『まんがタイムきららフォワード』2025年4月号、『ウクレア!』
時は春。一般の高校へと進学した里桜が通学中に出会った少女、それが楓でした。カラスに爆撃されて困っていた楓を助けたことがきっかけで、楓への親しみを覚えた里桜です。なにを見ても、なにに触れても新鮮で楽しい高校生活で、お嬢様だからと周囲から距離を置かれてしまうことが悩みだった。そんな里桜にとって、フランクに接してくれる楓はいわば希望であったのですね。
ウクレレ部の体験会で楓と再会した里桜は、ハワイで聞いたウクレレの演奏を思い出し、ショーを彩る彼らのような素敵な関係を楓と築けないか。胸を高鳴らせるのですが、お嬢様であるがゆえに腫れ物にさわるような扱いをうける。ここでも寂しさを覚えるかと思われたそのときに、楓が借りていた楽器を里桜に手渡し、そして自分の楽器を手に戻ってきてくれたというのですね。
ああ、これ、運命的な出会いといっていい。これまでずっと、里桜が楓にいたずらめいた接近を繰り返すのを見せられてきました。その理由がよくわかるエピソードでした。楓は里桜が求めるものをくれた人。自分に近しくあってくれたはじめての人。そして不運から守ってあげたい大切な相手であるのですね。
ほんと、楓と里桜の接近。ああ、今回もものすごい接近してる! ええ、いいですね、とてもいいですよ。里桜さん、もっともっと詰めていきましょう!
『ネコかぶりアンコール!』
おお、音子のネコかぶり隠蔽大作戦、見事にハマりましたね! 兄を斥候に放ち、友人への接触にて先手をとった音子。作りに作り込んだメイドとして友人たちの前に現れて、そして文化祭の間、自分が見せる人格は役になりきった姿だと印象づけることに成功するのですね。
これがまずは第一歩。昔の友人たちの前でも、また学校、クラスの皆の前でも、誰もが知らなかった音子を見せつけた。音子は演じている。普段の音子とは違う。昔の音子とも、今の音子とも違うメイド音子を押し出すことで、誰にとってもいつもとは違う音子になったのですね。
そして次は昔の友人たちの前で、昔の音子になってみせる番。本来の音子、すなわちかつて本性がバレたことを隠蔽するために使ったキャラクター、灰かぶりになってみせるのです。がさつで乱暴な灰かぶりは音子そのもの。しかし、学校の皆はそれを演じられた個性だと思っている!
かくして自分らしい自分で、友人たちとの時間を過ごせた音子。それはそれは楽しいひとときだったようで、ああ、よかったですね音子。これからも、正体バレを心配することなく、昔の、今の友人たちと過ごしていけそうですね。
『オールドヨコハマラジオアワー』
掟やぶりの全員でタイムリープ! これまでのように、協力者を再び味方につけて、新たな策を試してみてといった手間をかける必要がもうないのです! 集まるは燈台家。オルヨコ終了問題のラスボス、燈台ミサキに直撃しようというのです。
作戦はルールーによる一点突破。突如推しのアイドルが自宅を訪ねてくるというサプライズをしかけられ、正気を保てないミサキ。一種恐慌状態にあるミサキに、容赦なくぐいぐい接近していくルールーですよ。でもミサキには譲れないことがある! それは、今のルールーはもうアイドルのルールーではない。オルヨコのルールーだから、メロついてはいられないんだ!
でもそんなミサキにルールーからの爆弾発言! え? アイドルやめてなかったの!?
ここからの急転直下。オルヨコのルールーはアイドルのルールーを否定するものじゃない。オルヨコのルールーでありアイドルのルールーでもある、多様多面なルールーのなかに、ミサキが愛したルールーは今も生きているんだ!
こうして報われたミサキのルールー愛。ルールー部屋を愛しのルールー様に披露する機会にも恵まれ、そしてルールー様との和解。こうしてオルヨコ終了の危機は去ったのでした。
最後にいい落ちがつきましたよね。初対面のはずのなぎさが、なぜかルールー部屋の秘密を知っていた! ミサキにとっては恐怖そのものでしたよね。で、それがふたりのしこりになっとる! いやもう、かつては友達になれたふたりなのに、今回のループではかなわないのか!? いやほんと、めちゃくちゃおもしろかった。ミサキの本音がきれいに出ていましたよね。
- 『まんがタイムきららフォワード』第19巻第4号(2025年4月号)
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