『まんがタイムきららキャラット』2025年3月号、一昨日の続きです。
『このままモブじゃ終われない!』
せっかく作った同人誌がまるで売れなくて沈んでいるピコです。約束の期限までに売れないと、故郷に戻らないといけない。通販、電子販売、宣伝もちゃんとして、それでも売れない。ああ、もう地元に帰るしかないのか?
という、この状況におののくのはコモナも同じです。ピコと一緒の暮らしを失いたくない。もうすっかり取り乱しているのですが、そうした姿は決してピコたちの前では見せない。そんなコモナの葛藤もあり、そしてまた、ピコを連れ去ろうとする女、さんごの再三の介入に立腹。ああ、さんごはピコとコモナの関係に嫉妬して、邪魔したくってしかたなかったんですね。この関係、学生時分から今の今までずっと続いてるってわけなのか。
ピコを引き止めるためにはどんな手段も厭わない。そう思っていたコモナが、ピコのためを思い、見守ることに決めた。そしてついに売れた一冊! ああ、やりきりましたね! 自分の実力で自分の将来への道を守りきりました。ほんとこの瞬間、すばらしかった。
いや、たとえあんなびっくりがっかり落ちだったとしても、ピコ、よくやりましたよ。立派です。
『魔法少女は羞恥心で強くなる』
真侑のことを知ろうとするゆず。興味があるの? 恋の予感? いや、ただの敵状視察。姉が真侑の友人と知って、なんとか情報を得ようと画策。思いきって話しかけてみれば、姉、それだけで感動しちゃって、残念ながらゆずの望む答は得られなかったんですけどね、それでも上機嫌な姉がクリスマスパーティーやるっていって、真侑のことも呼んだものだから、おお、すべてはゆずの思いどおりに動いてる? ってな感じなのですね。
クリスマスパーティーに参加したゆず。じわじわと真侑にプレッシャー与えていくのですけど、これはまずいとチラ太郎が零先輩に連絡。ここに零が加わって、今度はゆずが劣勢。からの、じわじわ増していくカオス度。ほんと、零には羞恥心が失われてしまっている! あのチャイナサンタ服、下着なしで着ちゃってるの!? 軽くゆずにダメージ! と思ったら、違うな、ヘンタイ認定されとるがな。ただ零のパブリックイメージに傷がついただけでした!
別れぎわに、真侑がゆずに自分が当てたプレゼント、ぬいぐるみをあげるでしょう? こうしたいろいろが真侑とゆずの距離を近づけていくのかな? 真侑たちのこと、悪人と信じこまされているゆずだけど、こうした交流をへていつかわかりあえる日もくるのかな。そんな希望も見えたエピソード。ええ、ゆずと真侑、仲よくなれたらいいなあ。
『ごきげんよう、一局いかが?』
麻雀に興じるお嬢さまたちのクリスマス会。さあ、次の対局で冴と卓を囲むプレイヤーが決まります! と思わせて、時間がないからジャンケンで決めますっていうの、なんだこのぐだぐだ感! でも、このゆるさがいいなあって思うんですよね。
今回は純礼がメインの回でしたね。負けて悔しい花いちもんめ。負けず嫌いの純礼は、勝てない勝負でストレス溜めて、母にあしらわれては恨んでつらんでささくれて、でもそうした勝負の苦さを知ってる純礼が、友達の花新發いのり、中峰翠子、そして冴と同じ卓を囲んで、国士無双で蹂躙! いのりを飛ばして見事に優勝するのですが、この勝ちが友達の気分を害するのではないか、無用なストレスなど与えてしまうのではないか。
心配と不安に気持ち曇らせていたのに、当のいのりはびっくりしたと大笑い、優勝を逃がした冴もすごい、かっこいいと大絶賛。ふたりの様子にほっと安心して見せた笑顔が、ああ、なんてすばらしいのでしょう。
ええ、ほんと、今回は純礼の輝くエピソード。勝負ごとならば勝ちをめざすのは当然なれど、勝ちにこだわるあまり楽しむ気持ちを失ってしまうのはあまりにもったいない。そうしたゲームの、遊びのありようについて考えさせられるようにも思いました。
しかし、喜ぶ純礼。とてもよいです。ああ、もっと純礼、しあわせになるとよいのです。
- 『まんがタイムきららキャラット』第21巻第3号(2025年3月号)
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