『まんがタイムオリジナル』2025年3月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。冬の装い? 山下、吉田、関口ナースが3人それぞれ防寒姿。コートにマフラー、吉田は帽子、キャスケット。その色合いもシックで華やか、美しく、ああ3人ともになんと魅力的であることでしょう。普段はナーススタイル、かっちりした姿を見せる彼女らの、ゆったり華やぐプライベートスタイル。これはいい、実にいい。ええ、かわいくそして美しいのです。
『となりのフィギュア原型師』
年明け直後につきあうことになった斉藤ともず。そのふたりの様子、なんとはぐに目撃されていた!
はぐ本人に恋愛の影があるんかどうかはわかりませんが、人の色恋沙汰は大好きですよね、この人。誰にもいってないとはいうんですけどね、知られたとあらばしかたない、斉藤、腹をくくって工房の皆に話すというんです。
そこからのもろもろ、本当におもしろい! というか代表が酷い。催眠疑惑にはじまり斉藤のどこがいいの? とガチ質問。失礼極まりない! でも、渦中のふたりはそうしたやっかみにもなんら動じることなく、そしてあらためて確認される斉藤の存在感に頼もしさ。ええ、この工房に斉藤は欠かせないっていうのですね。
ほんとこの盛り上がり。なんだかんだで祝福されてますよね! からの、代表と半藤の関係に進展!? あの名前呼びを試す様子。いやもうかなりの破壊力でした。
『ムクカノ:無垢で無口な職人彼女と、静かでにぎやかなふたり暮らし』
椎奈さん、風邪ひいちゃったんだ。風呂でのあれこれが負担になったんかな? 湯冷め? ともあれ、風邪ひくと気持ちも弱るというエピソード。ひとりでも大丈夫と賢太を仕事に送り出すも、熱に浮かされ見る夢は、ひとり食事を買いにいく寂しげなもの。ああ、これはかつての椎奈の暮らし、そのものなのかもしれませんね。
けれど今は賢太がいます。目覚めたら、食卓に風邪ひきさんにやさしい食事が一式用意されていて、そのときの椎奈の発想、妖精さんだ! ってのは最高でしたね。
賢太の気づかいに感謝しながらの食事。その姿にしあわせを感じとることができてよかった。そして賢太と椎奈が交わしたメッセージにも見える、互いに互いを思い、大切にしている様。
本当、この漫画は人と人がともにいる、そのよさというのを思わせてくれますね。
『どうにも不器用な夫婦でして。』
マコトとヨシアキのふたり暮らし。見合いで結婚したふたりは、まだ互いのことをよく知るというまでにはいたっておらず、いろいろが手探り? 少しずつ知っていこうという段階なのですね。
今回は晩ごはんがテーマ。なにがいいかとリクエストしたらなんでもいいと返ってきて、それはよくないですよというんですが、聞けば聞くほどヨシアキの好みというのがはっきりしない。そもそも好きな料理というものがないようで、食事は栄養補給の手段でしかない。
都度さしはさまれる彼の回想に、わびしい家族の情景が見えてくる。もしかしたら機能不全家族だったのかもしれない。マコトがヨシアキに実家のことを聞いたときに見せた表情。その苦しみに似た相貌からは、不用意に立ち入れない、そんな気持ちにさせられるものがある。兄とも気まずそうだったというの、もしかしたら両親とはそれ以上なのかも。ええ、このあたり、この漫画の鍵となってくるかもしれませんね。
今回はマコトと一緒にカレーを作ったヨシアキです。あまりにパワフルなマコトならではの調理風景におののかされながらも、ふたりの共同作業はほのぼのとしてあたたかく、ああこのふたりならヨシアキの抱える過去のつらさ、癒し乗り越えていくこともできるかもなあと感じさせてくれるところ、大だったのです。
『沖浪荘202号の漫研部』
桐、会社ではこんな感じなのか! なんかすごくフェミニンな雰囲気。花なんて背負っちゃって、おおお、メインヒロインなのか!? と思ったら猫かぶってるんですね。
なぜなのか。その理由も語られたんですが、もともとは侑子が原因なのか。会社でも別にいろいろ取り繕うつもりもなかった桐に、上司に気にいられれば昇進からの給料アップも見込めると、そんなこと吹き込まれたもんだから今の猫かぶり、対上司スタイルが確立した。
その振る舞いを正すタイミングを逸したまま今にいたるのですが、仕事関係の人間がいないと素を出す桐が、ひとたび会社の人間、とりわけ上司を前にしたら、即態度を切り替える。そのギャップよ! というか、本来の自分と違えすぎなんですよ! 素の自分にプラスアルファ程度にとどめておけばよかったのに、なんでそんな人格の根本から違うレベルのぶりっ子キャラを作ったんですか!
それが今も桐を苦しめている。でもその取り繕う様子が端から見ればおもしろい。いやもう自業自得ならではの、笑える苦労話でした。私は普段の桐の方が好きですね!
- 『まんがタイムオリジナル』第44巻第3号(2025年3月号)
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