2019年1月29日火曜日

『まんがタイムオリジナル』2019年3月号

『まんがタイムオリジナル』2019年3月号、先日の続きです。

カントリー少女は都会をめざす!?』。八重さん、おやつが恵方巻き!? どえらいなあ。それ、ご飯やん。おそろしいことにひとり一本出てきて、こんなん食べたら晩ご飯はいらんようになるよ!? と思ったけど、この子らの年頃なら、案外平気なのかもなあ。恵方巻きは恵方を向いて食べる、のが習わしだけど、八重、すごいね、都会を向くん。ここでまさかの大河さん、大阪愛を発揮! 都会がらみでオロオロする八重もめずらしく感じます。みなちゃんがいいポジションについてますね。ゲラ、そして恵方巻き食べきれない。うん、そうそう食べきれんよね、と思ったら、まわりの3人はペロリといっとるな。さすがや、若いなみんな。この後の八重式豆まきもなんだかおかしくて、この子の中で大河さん、どんだけヒーローなのか。たとえ鬼になっても大河さんに豆は投げられませんっ! 王道なら八重の愛で大河が心を取り戻す!? 八重の愛! ええ、きましたね。なんかきましたね。

『氷室君は板野さんの事が覚えられない』。これ、完全記憶の持ち主が、ただひとりだけ覚えられないという、ちょっとこれでどんな風に展開させていくのかな? そう思っていた漫画なんですが、いや、なんか面白くなるかも、これ期待できるかも、そんなこと思わせられましたよ。とりあえずインパクトある冒頭、板野すみれをなんとしても覚えてやるという努力の跡が見た目にヤバい。ノートにびっしり板野すみれ。これで名前は認識したけれど、板野すみれその人はすぽっと記憶から抜けていてという。でも、この板野すみれのこと思い出せないの、過去に因縁があるようで、これはいずれ語られることになるんだろうな。氷室の友人、長谷川のアンタ誰発言、このくだりも面白かった。いったんこうと前提が整備されたら、後はいかように展開させるかになるわけで、そこで生きてくるのがこの作者の持ち味? いや、頑張って練り込んでるんだろうなあ。ほんと、オチまで面白かった。いや、冒頭のアレがあったからこそのオチですよね。うまいと思います。

『大奥より愛をこめて』。上様と御台所の関係。なんでそんなことになっているのかが語られた今回。ああ、将軍ともなると、ただ好いた相手とそいとげて、っていうだけのことがこんなにも難しいんだなあ。正室となった上、世継までもうけられたら、権力がそこに集中してしまう。御台所の背景にある薩摩藩、そこが力を持ちすぎるのはまずいとして、将軍としても自身から寧を遠ざけざるを得なかった。気の毒な話だよなあ。暗殺までちらつかされた家斉の、怒りから絶望に落ちる描写よ。なんとしても寧を守りたいと遊び人を演じてきたこの男の本音のついにあらわとなった、この一連の描写は本当に泣ける話の連続で、ああ、切ないものだねえ。ところどころの大崎の、底知れなさが救いとなった今回。ほんと、この人くらいしたたかでないと、混ぜっ返すこともできないくらいのハードなエピソード。蒔乃の綴る手紙に浮かぶ情の模様もまたもののあわれでした。

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