2019年1月28日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2019年3月号

 『まんがタイムきららキャラット』2019年3月号、発売されました。表紙は『まちカドまぞく』。TVアニメ化決定で、ああ、シャミ子も堂々、立派な立ち姿、誇らしげでありますよ。クールな桃も、口元に笑みを見せていましてね、ええ、いいじゃありませんか。右上、隅っこにかつてのご先祖の姿があって、そこに吹き出し、時は来た!! いや、ほんと、きましたよ。『まちカドまぞく』のアニメ化は、嬉しいことで、けれど決して意外じゃなかった。漫画も面白いものなあ。ガツンとその威力、世に知らしめてほしいです。

今月はゲスト多めに、新規が5本と盛り沢山です。

『ようこそトゲトゲライフ』。憧れていた保育士という仕事について、けれど現実にうちひしがれている律木真実。この人が、たまたま通りがかったハリネズミカフェで、ちょっといきったハリネズミをお迎えすることとなった今回。ハリネズミの一人称描写が、チンピラ感あふれるものだったり、けれど真実視点からはあくまでもちんまりと可愛い姿のままだったり、このいったりきたりが面白かったです。ハリネズミ視点だと擬人化されて、表情も感情もいろいろが人間なみなんですが、人間からは普通のハリネズミにしか見えないという、擬人化で表現するところ、動物としてのありかたにとどめるところ、その区切りがしっかりしているところに好感。また、ハリネズミの舌打ちとかね、なるほどあの擬人化描写の根底にハリネズミの生態があるのかな? そういうところも悪くなかったです。

『非現実ヒロイン』。非現実ヒロインというの、この26歳ニートの彼女じゃないのか。ニートというけど、実際には無職? 実家を出て一人暮らしをしているというの、つまりは蓄えやなんかはあるのかな? いやバイト暮らし。いずれにしても、ガチャ10連についやす金額、節約でなんとかできるっぽいところみても、あるていどの定収入があるっぽい。ああ、じゃあニートじゃないよ! 立派、立派! このお嬢さん、ゆるく、感情も低空飛行気味で、前髪自分で切ったら斜めになったりっていう、そういうの嫌いじゃないなあ、部屋着も可愛いし。そう思ってたら、この人はヒロインじゃなかったー! まさかの非現実展開! うおお、そうか、そういうことか。ソシャゲのキャラクターが、向こうからこっちにやってきちゃった! しかも、その子、ゆにちゃん、自分がゲームキャラって理解してるし! この非現実状況に、人ひとり増えて倍増する生活費、やりくりに悩みはじめるとかね、なるほど、現実との相克。これ、面白くなりそうですね。

『魔王の娘からは逃れられない』。これも現実に非現実がやってくる系? と思ったら逆だ。主人公が現実から非現実にいっちゃう系なのか。それはそうとして、ショ・ショショショーコはまずいですよ。なんか、響きがまずい。いわゆる中二病的なことして遊んでたら、魔王の娘に召喚されてしまった。ただの人間と知られたら命が危ない。なにもできないとバレたら、人間世界がヤバい。それで、なんとかかんとか魔王の娘ルルを楽しませようと持てる力をふりしぼる。いや、知恵や力じゃなくて、文明の利器、インスタントカメラが活躍したのだけれど。これ、若干の残酷さ、それをたびたび差し挟むことでアクセント作っていくの、わりと頻繁に召子が焦ったり命の覚悟したりする、その騒がしさ、必死さが面白かったです。これ、続くとしたら、いつかルルはまるくなるのでしょうか。なってほしい、けれどそうなったら面白みが減る? どうなるのか、その変化も楽しみになりそうですね。

『お姉様はお戯れがすぎる』。学生寮ものですね。名門女学校の学生寮。選ばれしもののみが入寮できる伝説の寮、と思われていたのに、実際は全然違うというんですね。才色兼備、文武両道と名高い2年生松雪千鶴に3年生鳳凰宮桐花。そしてニューホープ、才女と話題の1年生、幕ノ瀬莉桜。この三人の、寮での絢爛な生活……、と思ったら全然違う。3年桐花はジャージ姿でゴロゴロとゲーム、漫画を満喫しているし、千鶴は千鶴で庶民感溢れる割烹着姿で登場。でも、桐花も千鶴も理論武装していて、ジャージだろうと割烹着だろうと、見事正当化して見せる。これ、理想が憧れが音たてて崩れておかんむりな莉桜が、だんだんにこの寮のスタイルに染まっていく、そんな風になっていきそう。ということは、かつては千鶴が、さらには桐花が、こうやって寮の生活に馴染んでいったという過去もあったりしたのかも知れませんね。今回は三人でゲーム。最初は怒ってばかりだった莉桜が1位をとって大喜び。ええ、お姉様ふたりの浸透策、うまくいきそうですね。

『漫ガール』。主人公、可愛いな。藍原、漫画好き、眼鏡、漫研所属で、漫研先輩も眼鏡。全体に軽めのコメディ? 漫画をテーマとするんですが、最初は漫画描いてる時によくやる失敗みたいなの扱っていくのかな? ほら、定規で線を引く時に指に当たってぽこんぽこんと山ができちゃうとかね。でも、それだけじゃないっぽい。髪の毛が星空に。たらしてしまったインク染みのリカバリとか、ちょっと馬鹿馬鹿しいんだけど、いろいろ発展させていくところがよくって、さらにいいのが集中線のくだり。そうなんだ、画鋲とか使うんだ。それで画鋲に迫力出ちゃうとか、軽めだっていってるのにドンドン描いちゃうとか、実際に絵でもってその迫力が示されるのがおかしくて、読み始めに予想したよりもずっと引き込まれて、というか、つりこまれて笑ってしまいました。テンポのよさもいいんでしょうね。こういうテイスト、きらら誌にはあってほしいものだと思います。

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