『まんがホーム』2017年12月号、昨日の続きです。
『座敷童子あんこ』。座敷童子が太った、って、それだけのネタっちゃあネタなんですけど、そこからの展開。減量しようとして挫折したり、あんこの自己像がやたら理想的すぎたり、そうしたあんこのキャラクター、図々しかったりするとこね、ほんと面白い。そもそも太った理由、妖力を使ってないからなんだ。ということは、座敷童子として福を呼ぶのサボってるんだ! 困った人だなあ、というか妖怪か。ちょっと頑張ってみたら、当選したことのないコンサートのチケットが当たった。でもやせたようには見えない。というか、お母さんからのお礼のごちそうでむしろ太る。運動をしてみるも、どうも身が入らないからと、幸太に鬼ごっこ提案して断わられるその理由、あー、確かに女の子追い回してるのは不審そのものだよなあ。あんこが太ってしまったの、本人の問題もあるだろうけど、幸太はじめ、この家の人が欲望でギラギラしてるタイプじゃないっていうのもあるのかも知れませんね。この自然体。それがまたいいんですけどね。
『うちの秘書さま』。また面白い人が出てきましたよ。はじめの暮らす屋敷の庭を手入れしている人。東條家専属庭師というのですが、庭木を動物のかたちにトリムしてみたり、という中に、はじめの顔をかたどったのがまじるのか! はじめ曰く、気持ち悪い。うん、わかる。でもメイドには好評なんだ。というか、この人たち、はじめがらみとなると、なんでも喜ぶもんな。でもって、庭師さん。若い女性らしい。それ聞いて、一回くらい挨拶しなくちゃなといったはじめのことね、冷たい目で見つめる秘書にメイドが実によかったです。しかし、庭師さん、本当に会えない。忍者か? 忍者なのか? 姿を見せず、落ち葉でもって意思疎通をはかる。ほんと、なにものなのか。でも心優しい人のようで、落ち込むはじめを見て近づいてきたかと思ったら、七瀬の乱暴者! その粗暴な発想に怖れをなして逃げたじゃない! でもこの庭師さんが最後には出てくる。その理由も面白かったです。ええ、どんな人かはわからなかったけど、はじめ、ちゃんと挨拶できそうですね。
『歌詠みもみじ』。修学旅行編、続きですね。今回は京都にいきますよ、っていうんだけど、そうか、みんな夜更かししておしゃべりしてたか。ふらふらやん、と思ったら、先生はもっとコンディション酷いのか! 京都を訪れてからのいろいろ、これ、なるほど! って思わされること多くて面白かった。チェーン店のコーヒーショップが京都仕様で、ついつい入ってしまって、いつもどおりの食事とか面白い。でもって、道案内を外国人に頼む、その判断の確かさっていうの。おー、こういうことあるのかい!? 面白かった。もみじの八ツ橋もいい感じ。家族用今食べる用自分用。どんだけ食べるのか、君。帰りの新幹線の様子、これ、実にいい。この子らの充分に楽しんできた、そういうのがうかがえるようでいいですよね。ええ、最後のキーホルダーまで、なるほど、そうか、いい感じの連続。いいエピソードでした。
『マチ姉さんの妄想アワー』。おお、トシが学芸会の劇で主役ですよ。それはいいんだけど、姉さんがとりあえず酷い。いや、いつもどおりか! シンデレラをやるんだ! すなわち女装。その理由もアレなんですが、最後の女装してみての感想、あれいいなあ。ほんと、この子、いい子だしかしこいし素晴しい。打ちひしがれる兄たちもナイスでした。さて本編ですよ。やっぱり面白い! ツルの恩返しのシリーズ。ああー、現代人的常識で判断するとこうなるわけか! いやほんと、正体不明の女が、こうもグイグイ積極的にくるとか、きっと裏になにかある! そんな危機判断。これ、結構妥当なもので、そうかあって納得させられて、それだけにおかしかったです。大きなツヅラ、小さなツヅラのスズメもめちゃくちゃ面白いし、おむすびころりんの怒るお婆さん、これもクスって笑ってしまう。カチカチ山のタヌキとウサギも、お爺さんは許しても、具体的に被害にあってるお婆さんはそうもいかないってのが地味におかしい。ほんと、どれもこれも見事な発想の連続で、実に楽しく面白かったです。
- 『まんがホーム』第31巻第12号(2017年12月号)
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