『まんがタイムきららMAX』2016年10月号、一昨日の続きです。
『ペンにまします神サマの』は、ほんと予想外とでもいいましょうか、思いもしないもの見せてくれて、その都度驚かされます。今回は昔の神谷寿実の話。あるいは委員長がなぜ寿実にここまで執着するようになったのか、それが語られて、いや、ほんと、これ、なんだ、すごいよ。7年前、まだ御厨が今みたいな子でなく、引っ込み思案で泣き虫だった頃の話。その時に出会った神谷寿実。悪い噂があって、手にしてるスケッチブックには死んだ動物や虫の絵がいっぱいでという、その理由を御厨が知るまでのちょっとした交流。そして御厨に知らされた理由が広げる世界。なんだろう、この、豊かといえばいいのか、世界を見つめる目が違うという感覚。寿実のとらえる世界の像はこんなにも多面性を持って、広く、愛着に満ちているんだ。ええ、すごいなって圧倒された瞬間でした。でも、その寿実、今はあんなだよ……? さて、委員長、この子がここまで変われたのも寿実のおかげだという。寿実に与えられた物語を今も大切にしているという、それが本当に素敵だったなって。いろいろツッコミどころもあって、笑わせてはくれるんですけど、それを超えて魅力的なエピソードでありました。
『魔法少女のカレイなる余生』、しじまの転寮の話、続きですよ。たまたま知ってしまったリラ。彼女にとって、しじまがいなくなるのはなににも増して一大事。ゲームよりも! といってみんな驚く。ほんと、リラ、どんだけしじまに懐いちゃったのか!? というか、他のふたりも同様か。しじま引き留め大作戦発動させましてね、心を入れ替えて真人間になります。魔法だって見せてあげます。いろいろやってくれるんですけどね、そのどれもいろいろ間違ってる感じがしまして、ほんと、残念な先輩たち。そしてリラ、しじまに自分の気持ちを告げ、しっかりした自分を見せようと奮闘する! って、外に出るだけか。え? それ、そんなに無茶? いや、無茶か! ひとり外に走り出して、そして崩れおちる。エリアス3等軍曹ー! いや、いや、ちょっと。え? 単行本が出たら、表紙はくずおれるリラかい!? ほんと、このシーン。見事にやられましたよ。さて、しじま転寮を断ってました。ああ、大団円! しかしこうして喉元すぎると、かつての誓いも全部反故にされてしまう。こういうところ、まさしく期待どおりでありますね。
『すくりぞ!』、ホテル経営について真面目に考えはじめた寝子? ホテルっぽい食事とはなにか。意識高くいこう! なんていうんだけど、ああ、今夜の晩ご飯をなんとかしたかったのか。両親不在で自分でご飯を用意しないといけない。それを友達巻き込んでなんとかしようというんですが、なんだかなあ、心配ですよね。ええ、期待は裏切りませんよ。メニューはカレーときまりました。コスト面でも現実的。カレーを名物にしてるホテルもあるし。と、結構いい感じに話は転がっているんだけど、ああ、誰もちゃんと作れないのか。うん、レトルトでよかったよね? 正直、頼りになりそうな蒼が頼りにならず、迷走しそうなところをにゅうがなんとか抑えているといった次第。ええ、にゅうがいなくなったら、この子ら、ほんと、大失敗しそう。って、いても駄目じゃん! たいてい、カレーは失敗がないよね、そんな話になろうというのに、この漫画ではそのカレーでも救えませんでした。けど、そんなカレーをなんとかした先生はすごいですね。というか、ヤバいカレー口にしたトリップ感の描写とか、ちゃんとしたカレーを食べた時の帰ってきた感とか、尋常じゃなくて、ほんと、とても駄目な感じがひしひしと押し寄せてくる、そんなエピソードでした。うん、レトルトにしよう。
『TCGirls』、店のバックグラウンド、あるいは店長の背景、描かれましたよ。というか、これ、最初からこういう設定だったの? それとも、連載続けながらどんどん設定をかためていってる? いやあ、いろいろあった疑問が解消して、とてもいい感じ。なぜ女子高生がトレーディングカード専門店の店長やってるのかとか、専門店の店長がカードに詳しくないっぽいのはなぜなのかとか、そういうのがすぱっと解消しました。あー、なるほど、お父さん、TCG扱ってる会社の社長さん。それで娘に店をプレゼントしちゃったと。おそろしいバックグラウンド築かれちゃったわけですが、いやあ、でも、これですごくすっきりした。ほんと、とてもいい。そしてこうした状況が、小柴アンの葉波シオンに対する働き掛け、TCGをもっと知ってもらって、好きになってもらってというモチベーション、気持ちのベースになるというのですから、ほんと、今回、結構な重要回。足元、土台がしっかりしましたよ。
『どうして私が美術科に!?』、皆で勉強会ですよ。パジャマは皆に似合うと思ったものを、すいにゃん先輩が選んでくれました。黄奈子はすいにゃんチョイスが不満みたいですが、いや、可愛いですよね。うん、いけてますよ。ともあれ、テスト勉強しないといけません。テストは明日。蒼は日程さえも把握していなくて、あ、あかん、これはあかん予感や。皆、美術一本に打ち込んでるせいで学科は散々なんですね。得意科目なし、苦手科目はありありといった面々。初日の数学は誰もが駄目で? と思ったら、桃音はなんとかできるのか。さすが普通科志望してただけはある。皆の先生になって、あるいは皆の希望か。でもすぐに脱線して雑談になったりするのが、この子たちらしいと思います。そしてよかったのがすいにゃん先輩のあの目! ああ、期待できません。すいにゃんのお母さん、この方もマイペースみたいですね。常識ある人。おっとりとして、けど夜食がしっかり食事で、食べたら眠くなる、寝たら寝坊する……。うん、期待を裏切らないこの子たち。追試は一度で抜けられるといいですね!
- 『まんがタイムきららMAX』第13巻第10号(2016年10月号)
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