2016年8月22日月曜日

『まんがタイムスペシャル』2016年10月号

『まんがタイムスペシャル』2016年10月号、発売されました。表紙は『恋愛ラボ』、リコがかき氷を食べておりますよ。しかし、ちょっと見下ろすこの構図。なかなかない感じですね。テーマは夏の食べ物なのでしょうか。リコが練乳がけ氷イチゴなら、『課長と私のおかず道』保志くんはアイスクリーム食べて、頭痛に悩まされています。そして『ローカル女子の遠吠え』りん子さんは、ええとこれ、ざるそば? 茶そばか! きっとこれ、バリバリ食べてるんですよ。

光れ!メシスタント』は原稿終わって晴れ晴れとした表情の早月さんが、晴れ晴れどころではない夏の日射しに負けてひきこもる話。そしてちょっとやる気を出します。久々に料理作ろう! あー、光の料理作ってるところ見たりしてるし、ちょっと教えてもらったりしてましたよね。そう思ったんだけど、あー、駄目か、駄目なのかー。手料理食べにきてと連絡もらったアシスタント3人がすごい顔! それで相談しあってる、その様子もおかしくて、ああ、早月さん、めんどくさい人。そして悪い予感はあたって、あー、酷いオブジェの登場に、誰か助けて!! めちゃくちゃ面白いです。料理では光が先生です。自己流はやめましょう。あの助け船、そしてはっと素直な表情見せる先生の美しさ。ふたりで頑張って料理作ってね、おいしいのできてね、ほめられるの光ばっかりか! 料理をめぐるドタバタは、いつもとはちょっと趣旨を違えた面白さ伝えて、そしてやっぱりこの漫画の根底にあるテーマ、それを感じさせてくれたのでした。ほんと、この漫画優れてます。

『ざしきわらしと僕』、裕貴の家でお泊り会。パジャマ新調してドキドキしてる理緒が可愛い、そう思ってたら、おや、見知らぬ子が。みうちゃん。東京の学校で一緒だった、自称親友。家族に嘘をついて裕貴に会いにきたっていうんですね。これ、理緒のライバルってことかい? と思ったのだけど、どうもそうではないのかな? 今回はこの子の田舎体験カルチャーギャップが語られて、そしてざわ子のことちょっと見えるっぽいみたいな話。さらには裕貴とみうの過去のエピソード。ああ、裕貴いいやつだね。やっぱりただの友達ってのじゃないんじゃない? みたいなこと思ったり、あるいはこの子の裕貴に会いにきたそのわけが知りないなどと思ったり、そんなところもあるお泊り会。ですが、今は田舎のカルチャーだけでなくネイチャーにもショックうけてるみうが見どころですよ。

なり×ゆきリビング』はふたり家飲みですよ。昼間からっていう。同居して一年と一ヶ月、ということは、別になにかの記念とかそういうわけでなく、飲みたいから飲む、そんな感じっぽいですね。篠峰の佐藤になにかをあげたいと、その気持ちがごますり器に落着するのおかしくて、佐藤さん、なんでそんなにも嬉しそう? ふたりハイボール飲む、そのシーンもとても素敵で、ゆったりとした時間、ふたりで過ごすその時間のくつろいで近しい、そうした感じが本当に魅力的でした。しかし、ほんと、最後の最後にふたりの魅力、これでもかと押し出してくる。ちょーんと座ってる篠峰、やたらおかしくて可愛ければ、駄目押しのイケメン佐藤さん! いやもう、最高でしたね。もう、終わっちまうの、もったいないよー!

『渚は太陽をひとりじめ』。池谷渚なる女の子。太陽くんはこの子のことが好きで、できることならつきあいたい、みたいに思っているのだけど、友達の関係から先に進めずにいる。渚はオタク。太陽にはよくわからない趣味で、いろいろ話してくれることもいまいちピンとこなくて、でも一緒に出掛けたりするくらいには親しいというんですね。でも、なんとか距離を詰めたい。でも、わかっててもそれができない。それが太陽くんだというんです。じゃあまったく望みがないのかといえばそうではなく、渚は渚で太陽のことが好きで、でもキモオタの自分のこと好きになってくれるとかあるわけないって思ってる。これ、ふたりの友達、それぞれ、ふたりの気持ちのあれこれ、わかってるのかな? どうなんだろ。少なくとも、このままにしとくと成立しないカップル。そのもどかしさ楽しむのがよさそうでありますね。

『お役所忍務のススメ』、ゲストです。これ意外やいい感じ。ずっと忍者に憧れてきた女の子、百地しのぶは、今役所の忍者課で頑張ってるっていうんですね。忍者課? なにそれ? と思ったら、なるほど納得、ここ甲伊賀市は忍者で有名。対外的にも忍者をアピールしている。忍者課というのも、観光商工課がその名前を変えたもの。だから業務は普通、黙々と事務仕事しているというのがね、インパクトある忍者という要素に対し地味で実によかったです。だってね、役所で忍者が働いてるっていうから、ギャグとか不条理とか、そういうの思ったんですよ。それが結構ありそう感ある設定とわかって、いわばこちらの世界の常識の延長線上にある漫画。忍者がこんなに自然に登場して、でもってしのぶ、この子が忍者の存在をかなり具体的に信じてしまってる、そのガチっぽさがおかしい。ええ、この漫画、楽しくていいですよ。

  • 『まんがタイムスペシャル』第25巻第10号(2016年10月号)

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