『まんがタイムオリジナル』2016年10月号、一昨日の続きです。
『かがやけ!工学女子』、今回は日陰の話? 木陰はハトに譲って自分たちは日傘を使ってみたり、そしてその傘、巨大なのを作って町全体をおおってしまったらいいなんて空想に、工学的な発想で応じていく、そのもろもろが面白くってよかったです。ホネの強度やら風によりかかる応力などなど、確かに大きくなれば普通サイズでは考える必要のなかった計算とかが必要になってきますよね。また小さなことでも遠くまで影響するなど、そうした話がされて、産業と環境の関係とかね、そうしたゆずりあいについての話。あちらを立てればこちらが立たず。その塩梅をどううまくするか、ほんと真面目に考えていかないといけません。
『北斎のむすめ。』、ほんと素晴しいですね。前回からの続きですよ。北斎の娘だからと、親の七光みたいにいわれて怒っている栄ですよ。見返してやる、江戸一番の美人画を描くと気合い充分。それで高尾花魁に会いにいって、高尾を描くのかな? そう思ったら、そういうわけではないみたいですね。相談している。そうしたら高尾が男相手に一泡吹かせる方法を教えてくれましてね、いやいや、これ、もう広重への復讐、達成しちゃってるじゃん! もう、ほんと、このやりとりおかしくて、しかし高尾も栄も魅力的。と、そこで揚巻登場してきて、誘惑されても栄はなびかないわけですよ。まあ、当たり前ですけど、そこでのやりとりがね、またうまいの。商売敵から相手にされないのは悔しいよなあ。自分の鬱屈が揚巻の鬱屈と重なる。揚巻の気持ちをさ受けてやってさ、そこで、揚巻は色っぽいがいじけてるとかわいいな、高尾とは違う魅力だよ。揚巻、陥落しちゃってるじゃん! これね、栄にとっては仕事で頭が一杯で、でも結局ここで国芳への復讐が完了してるっていうね、ほんと、多重に前後のことがからまりあって、それがもうほんと面白い、よくできている、それでいて本筋ばっちり。完璧なんじゃない!? って興奮しちゃいましたよ。ところで、揚巻陥落、猫を通じて国芳に知れるのでしょうか? おそろしい話じゃ!
『みつめるっ!上野さん』、最終回なのか。ありのままのあなたとわたし展。これとテーマを定めるでなく、博物館のありのままを展示しますよ。そんな趣旨。順路もない。これといった解説もない。ただただ、あるがままを見て、驚いてみたり、おかしがってみたり、そうしたのはまた新鮮な体験かも知れませんね。そして企画展選挙とかやってる。ほんと、こういうアグレッシブな見せ方、体験的イベントといった方がらしいでしょうか、それはなるほど面白そうで、博物館、美術館というのが身近に感じられそうに思えましたよ。そして最後にありのまま展の仕掛け。おお、GPSを使ったインスタレーション。こういうのぱっと出てくるの、魅力的ですよね。ほんと、これ、今回で最終回というの残念ですよ。というか、上野さんの影薄いな! ほんと、根津さんにすっかりやられちゃってますよね。
『花ノ森そらいろフィルム』。夏休みがもう終わり。恋愛もせずに夏が終わってしまう、っていっていたるが焦ってるんですが、それはサチも同じ。ふたり街へ繰り出して、ナンパでいいから青春しよう、みたいなこといってるんですが、うん、ふたり付き合っちゃえよ! ほんと、それがいいですよ。ふたりだけで充分楽しそうだしさ。いたる、胸の薄いこと、先輩からいわれて気分を害する。うん、そりゃ害するわ。コンプレックスだものな。でも、サチもいうように、そのまま、ありのままのいたるが魅力的なのだと思うのです。いや、マニアとかそういうのじゃなくて、普遍的な意味でさ。いたるとサチ、ちょっとけんかして、仲直りしての、その展開、悪くなかったですよ。空気読まないいたる。けどサチを心配するいたる。サチもまたいたるのことちゃんと考えてる。そういうのがね、よかったですよ。
- 『まんがタイムオリジナル』第35巻第10号(2016年10月号)
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