2016年8月16日火曜日

『まんがタイムきららミラク』2016年10月号

『まんがタイムきららミラク』2016年10月号、発売されました。表紙は『うらら迷路帖』。夏の装いですね。千矢とノノが、夏らしい、ゆったりとして涼しげな格好しまして、青空の下、じゃれあうみたいにしてるのがとても可愛らしいんですね。はつらつとした千矢の笑顔。それに答えてはにかむようなノノの笑顔。実に素敵な表紙にしあがっています。

うらら迷路帖』は皆で写真を撮りますよ。趣味とか遊びではなくて、学生名簿に載せるための写真。そしてこれ、別名があって、うらら黒歴史帖。なんだ、黒歴史とか穏やかじゃないね。これ、黒歴史といわれる理由がおかしかった。たとえば椿、たとえばニナの九番占時代の写真が残されていて、これがまた見事なコスプレ写真。いや、でも、可愛いよね。いや、でも、生徒や妹、娘に見られたくないだろうなあっていうのはわかる。うん、後から見返したくない、それもわかるわ……。こんな面白写真を撮る理由もちゃんとあって、なるほど、うららは人気商売。うまくアピールできる、そんな写真を撮りましょう。と力説する事務員くるみですけど、いや、これ、けど、そんなじゃないよなあ。絶対こじつけだよ、これ。写真を撮る時、皆のコスプレが面白かったですよ。脱ぎたがる千矢。母と同じセンスだった紺。これ、もしかしたら千矢の母の手掛かり見つかったりするのかな? そう思ったら、黒塗りのページがある。ああ、これなんなのか。なにを隠そうとしているのだろう。千矢の感じる違和感、嫌な感じ。確信にまでは至らなかったのだけど、この黒塗り、なにか後々にまたかかわってきそうですね。

城下町のダンデライオン』は、櫻田茜さんがまたも高校に通いあそばされることとなりましたよ。え? 大学いったんじゃ? あれ? 落第? アンジェリカが茜がいないとなにもできないからと、学校に付き添ってくれるよう頼んだというのですね。しかし茜様、大人気。憧れの茜様とこうして出会って、こうしてお話までできることに喜ぶ生徒たちが可愛くて、ほんと、さすがは茜様です。そんな茜様に大ピンチ。校庭で出会った野良猫、こいつをアンジェが教室に連れてきてしまった。それを隠そうとにゃあにゃあいってる必死の茜様がほんと、なんか鬼気迫っていて、先生こわいです!! 実際、突然生徒がこんな行動に出たらビビるよなあ。綾瀬さんがうまいこととりなしてくれました。これ、綾瀬さんの底知れなさと、そしてアンジェ思いの茜様、さらには怪我した猫を放っておけなかったアンジェの優しさ、そうしたことがよくうかがえるエピソードでした。あと、遥、いい落ちを演出してくださいました。

『しましまライオン』は夏がきた、プールだ! 海だ! というので水着を買いにいく話。やっぱり水となるとワニの新菜がいきいきとして、そんな彼女の様子にしりごみしてるいおんにえりな。このふたりの沈みようがおかしくておかしくて、ほんと、どれだけワニが苦手だったのか、この子ら。皆の通ってる学校にはプールがないんだそうですよ。だから夏休みには海にいきましょう。まだ人の世界のいろいろがわかってない凛奈がいいですね。質問責めでまこのこと困らせる。でも凛奈、人懐っこさが抜群で、試着コーナー、誰よりも適応しちゃってたのおかしかったです。あと、首の長さについてのあれ。ほんと、あれ、長かったら困りますよ? 皆、結局、好みの水着を買えなかったのは残念でしたね。神様の御仕着せになっちゃって、でも、これで、水から、水着から逃げたかったネコ目ふたりの水着も用意されたわけで、ああ、これ、ふたりにとってよかったのか悪かったのか? 少なくとも、読者にとってはいいことですよね。

『ななつ神オンリー!』、ゲストです。信仰心の薄れてゆく今という時代。その影響は神様にとっては深刻なものとなって、どんどん神様が減っていっているというのです。ああ、フロッピーディスクの神様も体調不良とのこと。これ、信仰心もだろうけど、他にも理由がありそうだな……。主人公、七福神なんですね。なるほど、だからななつ神。アマテラスにそそのかされてアイドルになるという。商品的偶像としてのアイドル活動で、信仰をがばっとかき集めてこい、ってなわけですね。しかし、七福神、全員女の子になってるぽいですね。布袋が女の子。顔出しなしでネットアイドルしてるっていうんですが、SNSのアカウント間違いでアマテラスにばれてた。さらには弁財天にも当たり前みたいにばれてて、ああ、弁財天、芸能の神様じゃん。いける、これはいける! みたいに思ったんですが、そうか、琵琶かあ。いけないかもしれません……。北欧の女神ノルンはアイドルとして大人気。そんな彼女らに続けと布袋も頑張る。さて、これ、残る5人も加わってくるのでしょうか。きっとそうなるんでしょうけど、どんな姿で神様たち描かれるのか、ちょっと楽しみですね。

『拝啓、かしこ』、ゲストです。これ、いいですね。お婆ちゃんと一緒に暮らしている女の子、なおと。この子、ぜんそくとかあるんだ。そうした理由で、どうにもひきこもりがちであるみたく、それをお婆ちゃん、心配してくれてるのかな? いろんな手でもって、なおとの世界を広げようとしてくれているみたいなんです。目が悪くなってよく見えないから、新聞を読んでおくれ、手紙も読んでおくれ、そして返事を代筆しておくれ。お婆ちゃんに頼まれたら断われないなおとはいい子ですね。手紙なんて慣れてない、そんななおとが、お婆ちゃんに教えてもらいながら手紙を書く。えんぴつはダメ、油性のペンでね。かるくあいさつして……、代筆のおわび、そして季節のあいさつ。このゆったりとした時間、なんて素敵なんだろう。手紙のやりとりに、なおとの気持ちの浮き立つ、そうした様子が静かながらも伝わってくる。大きな声では語らない。静かに、やさしく、そっとふれて、凪ぐ。お婆ちゃんの孫娘に向けた視線のあたたかみも嬉しければ、孫のお婆ちゃんに向けるやさしさもとても素敵。本当に、こういう漫画が読めるとは思わなかった。本当、豊かさ感じさせる漫画です。

  • 『まんがタイムきららミラク』第5巻第10号(2016年10月号)

0 件のコメント: