『まんがタイムきららフォワード』2016年10月号、昨日の続きです。
『球詠』、実に鮮烈です。野球に打ち込む女の子たち。練習に精をだして、疲れはてながらも、さらに練習しようとする、そんな様子は過酷ながらも、どことなく充実を感じさせるんですね。と、そんな中、タマの元気がない。気になっているヨミ、夜、川べりの公園? に呼び出されまして、タマと一対一。これ、ヨミはなにを想像したんでしょう! ヨミの想像ははずれたようですが、ある意味、ヨミの気持ちを確かめよう、真摯なタマの問い掛けは一種告白のようでありまして、答えるヨミもまたその気持ちをまっすぐに伝えて、ああ、これは青春か。たまたま通りかかったチームメイト、彼女らが思わず隠れてしまったのもわかる雰囲気でありましたよ。しかし、こうして野球に本気であることを確認しあったふたり。そして同じく気持ちを新たにした仲間たち。意気揚々として伸びやかな彼女たちの様子も素晴しければ、顧問の藤井先生が持ってきた練習試合の話など、期待をかきたてます。しかし、この先生、なんか見た目と全然違うもの抱えてそう。ページめくった時にがらりとシリアスな顔をして見せる。ほんと、おそろしいなあ。
『なでしこドレミソラ』は美弥と陽夜、ふたりのステージです。週に一度の邦楽のひととき。津軽三味線の子ははじめて三週間。なるほど、こう紹介してもらえれば、お客さんもそう思って聞いてくれる。美弥も自分の技量不足を気に病むことなく、のびのび演奏できそうで、そしてつたなくも一生懸命の演奏が、すごく楽しそうと映るんですよ。まだまだ駄目だって、本人もちゃんとわかってる。陽夜の尺八に比べても、ずっとずっと劣る。それでも楽しい。あの表情、素晴しかった。そしてその楽しさが、気持ちが、香乃に届いた。切れた絃、それを張りなおして、そこでの香乃と美弥の会話。ああ、好きということとはどういうことか、それが描かれていた。ついには香乃の気持ちも変えて、それがこの子の演奏も、音すらも変えて、ああ、成長した、開かれた。そう思わせる描写、大変に素敵でありました。
『ゆるキャン△』、ひとり長野へと向かうバイク行。風邪で寝ているなでしこと、旅の空の下、リンのメッセージの交換が楽しくて、マイペースなリンに、私がナビをするよって、なでしこ。こういう楽しみ方もあるのですなあ。って、ナビの実権、大垣千明に奪われてるやん! あの写真、たすけてリンちゃん!! ほんと、楽しそう! 気づいたようだなの顔文字の禍々しさも素晴しい。たまらんですね。しかし、今回の山場は、まさかの甲州名物ほうとうでした。あきちゃんの作るほうとうが食べたいなあ。最初はなでしこひとりのために作る予定だったのが、なでしこ母合流。期待もぐんぐんあがり、ともない要求のハードルもあがる。そのあがりようがおかしくって、ほんと、もう、今さら、自分で作るのはじめてですとかいえないですよ。と、父参加。その上、姉まで加わります。めちゃくちゃ面白かった。リンの旅、光前寺でのいろいろ、犬ね、犬のおみくじね、ほんと、こういう旅の情景も面白い。自分もいってみたくなる。それと同時に、今回はほうとう食べたくなる回でありました。
- 『まんがタイムきららフォワード』第10巻第10号(2016年10月号)
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