2014年9月23日火曜日

『まんがタイムスペシャル』2014年11月号

『まんがタイムスペシャル』2014年11月号、昨日の続きです。

『銀河系女子高生ありすちゃん』、ありすちゃん、その気になったら星ひとつくらい、簡単にぶっ壊せるんだ。素敵だ。いいなあ、ありすちゃん。ありすちゃんの人智を超えているというところ、たまにこうして描かれますけど、あ、よく見たら扉絵、宇宙空間でありすちゃんとゆせだけヘルメット被ってない! 人智を超えてるなあ。みちこがおかしいんですよ。いまだにありすちゃんのこと、銀河だって認めていない。不思議なことなんて、なにもおこってないじゃない。って、ゆせがとんでもないところから、とんでもないもの引っ張り出してるところ、何度も目撃してるのに、認めようとしない。うん、正しい心の働きと感じます。結婚に対するありすちゃんの感想がいかしました。ペットの時と説明が似てますね。いかす! さすがありすちゃんだ! ワンダーがあるよなあ。けど、彼女の語り、そしてしでかす数々のワンダー、それらが人間の営為に似てるところがある、それって、この漫画のテーマですよね。ええ、私たち人間もまたワンダーなのだ、そうしたこと思わせてくれるんですね。

『みずいろミュージアム』は岩井沙夏奈の初任給からスタートです。ああ、自分の時はどうだったろう。覚えちゃいないなあ。好きな場所で好きなことに取り組んで、しかもその上お給料までいただける。まるで天国みたいなこといってるわけですが、ああ、羨ましい。自分も頑張るべきなのか。ありたい自分と、そうであれない自分、そのギャップが描かれて、はたしてそれをどう埋めるのか。レミがね、悩んでるんですね。イルカのトレーナーになりたかった。海獣班にいきたかった、そう思っていたけれど、魚班に配属されて、その時は悔しさが募ったものだった。成さんの言葉っていうのが、理想なのかも知れないし、きれいごとなのかも知れないけれど、でも実際そのとおりかもなあ、そう思われたんですね。側でじっとしがみついてれば扉が開くことがある。それを思えば頑張れるのかも知れないなあ。なんて思った。ええ、なにか気持ちをフレッシュにさせてくれるものをこの漫画は持ってますね。

『アテナの初恋』は、ギリシャの神様のコメディにして、現代の私たちの暮らす世界、社会を描いているなあ。今回もそんなこと思わされたのですよ。子供を置き去りにして逃げる女性を見てしまった。それでアテナが、その子の面倒を見ることになって、けどその子供というのがサテュロスだっていうんですね。ということは、デュオニソスの従者の系列か。この子がとんでもないやんちゃ坊主で、アテナも振り回されてしまって、あの余裕のなくなってるアテナの目、素晴しいな。でもって、なんで私のはとらないんだ!? って、ちょっと、なにおっしゃってますの!? この顛末、母親がちゃんと現れて、けどただその人が悪者だという風にはならないのがよかった、そう思うんですね。育児の神、ヘラがいうんですね。相談しなさい、いつでも頼りなさい。思えば、こうした支援のあればクリアできる問題はたくさんある。そうした我々の問題が、コメディタッチでさりげなく描かれて、そんなところ、実にいいなって思ってるんですよ。

メェ〜探偵フワロ』。ヴィヴィアン! ほんとにフワロ氏のこと思ってらっしゃるのだな! ヴィヴィアンのところに予告状がきたんですな。鳥人二十面相。ああー、あいつ。脱獄だけはうまいあいつな。でもってその美術品というのがロバンの品。ろくなもんじゃない。ほんと、村起こしにもならんっつうね。鳥人二十面相についても、どうせ逮捕されてもすぐ逃げるんだから放っておくという。けど、これでラウールがやる気を見せるんですね。平和な村に退屈するフワロ氏とラウールの対決ですよ。双方ともに、相手の出方を予想して、準備に余念がない。それがもう楽しそうで、このふたりとも、ある種、似たもの同士なのだなあ。しかし、これはラウールの勝ちなのか? それとも出し抜かれながらも、きちんと見抜いたフワロ氏? いや、取り押さえたヴィヴィアンなのかなあ。フワロ氏に熱をあげるヴィヴィアンだけど、ちゃんと連れ合いのことも思ってる。そういうところはいいですよね。そして、ヴィヴィ孫、あの人、その気持ちの奥? 感情が少しずつ見えるようになってきてるといいますか、そうしたらなんか不思議と可愛いんですね。ええ、愛すべき登場人物たち。皆、とてもチャーミングです。

  • 『まんがタイムスペシャル』第23巻第11号(2014年11月号)

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