『まんがタイムきららフォワード』2026年6月号、昨日の続きです。
『球詠』
バントを捨て、真っ向勝負に出る椿峰を相手に、全力で投球するヨミはより一層に調子を増して、球威は抜群、変化球も切れ味を上げているというのに、上位校の上位陣となると、そのヨミの渾身の球にあわせてくるというのですか。
見事に読みきって、あわせてきた打球はあわやヒット、得点に繋がろうというところ。しかし、野球は9人でやるもの。彩がしっかり捕球して、ここでゲッツー。2アウトに繋げたというのですから、いやあ、冷や冷やからの大快挙、ほんと読み手のテンションも乱高下するってもんですよ。
さらにここから、最後の打者、實松がその本領を見せてくる。代打を出されないということは、實松が実力者であるという証拠。強打者を相手に、さらに伸びてくるヨミを相手にどこまで食い下がるのだろう。空振りにファールと、2ストライクに追い込まれた状況で、ヨミの強直球。この勝負、まさか外野まで運ばれてしまうなんて、ここでまた冷や冷やでした。
野球はチームで戦うものだということを、これでもかと思い知らされたような試合運び。また、勝ち負けは本当にぎりぎりの鍔迫り合い、ほんの少しの傾きでその行方が変わる。試合終了後の椿峰の会話。今日の試合、10回やれば何回勝てるか。少なくとも半分という、その見立てには嘘も驕りもないのでしょう。データ重視の彼女たちには、新越谷がまさに実力伯仲した相手であったことが見えている。それだけに、勝ちを逃した椿峰。勝ちを得た新越谷。その分かれ目、勝負の厳しさというものを実感せずにはおられなかったのでした。
しかし、勝負はこれで終わらないからまた怖い。ぎりぎりで掴み取った一戦。これが終われば、もう気持ちは次の相手へと移り、それは柳川大川越か深谷東方か、その勝負の行方に目を向けていくこととなる。
どちらと当たっても再戦。強豪校同士の戦い。これもまた肝を冷やさせる試合となりそうな予感。そしてその勝者が次に新越谷と戦うことになる。ああ、緊張が続きますね。
『しゅがー・みーつ・がーる!』
夜の展望台、美都の呼び出しを受けた甘那は、なにを話そうというのでしょうか。緊張をともに美都の言葉を待てば、まず最初に秘密を盛らしたことへのお詫びときましたか! なんとまあ、礼儀正しいお嬢さん。しかも甘那は、美都、渚から事前に報告受けてるというの、まさしく驚天動地の急展開!? でも、それでも美都のことを自分の友人たちは受け入れてくれるという信頼がある。これはすばらしいことだなって思わないではおられませんでした。
そして話題は本題へ。唐突に進路について切り出した美都。これはすなわち美都と甘那は卒業したら別れ別れになるという事実を突きつけて、甘那と過ごした楽しく素敵な時間、それが有限であること、そう遠くないうちに終わる、このつらい現実に苦しんでいるという告白に他ならなかった。しかし諦めることなんてできない。甘那ともっと一緒に過ごしたい。
自分の思いをはっきりと言葉にして伝える美都のいじらしくも切実、真摯であることよ。たとえ家に縛られる自分であったとしても、隣にいる人、甘那だけは譲るつもりはない。甘那こそが自分の決めた相手。その強い気持ちは、したたかに私の感情を打って、これが響かないなんてこと、ありえないでしょう。
だからこそ甘那の答えも、誰の目からもはっきりと変わりはじめたふたりの関係も、私の心を揺らし続けるのでした。
- 『まんがタイムきららフォワード』第20巻第6号(2026年6月号)
『まんがタイムきららフォワード』2026年6月号、
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