『まんがタイムきららフォワード』2025年8月号、発売されました。表紙は『魔法使いロゼの佐渡ライフ』。ロゼと麻衣が一緒に休憩? 揃いのセーラー服着ていることで、ふたりまるで同級生みたい。いつもとはまた違った雰囲気! というのも、麻衣がノーマルスタイルってこともあるのだと思いますが、黒髪のロゼ、黒髪の麻衣、墨色のセーラー襟にスカート。シックで落ち着きある素敵なスタイルに、浮き立つ麻衣の表情が際立つイラストでありますよ。
今月は新規ゲストが5本です。
『パラマウントマネジメント』
ラグビーのルールも知らないままに1年間、ラグビー部のマネージャーをやってきた花村茄子。そんな彼女が新入部員の宮野栞里からいろいろ手解きを受けている。吹かしそこねた先輩風。でも、茄子はそんなこと気にせず、むしろ虚心坦懐に栞里の指導を受けるんですね。
ああ、栞里の試練に打ち勝てない茄子です。すっかりくたびれはてて、けれど1年を経てようやくマネージャーのスタート地点に立ったといえるのか? そう思われたのだけれど、実際に茄子が動いてみれば、栞里も驚くほどの働きをしてみせて、それはもう相当なもの! 栞里、茄子の真価に脱帽するのですね。
でも茄子がいう。氷だけあっても袋がないとアイシングできない。違う個性があってより一層の働きを示せることもある。そこで大切なのは相手を尊重することだって。
茄子がいった尊重、リスペクト。これがラグビーにおいて最優先されるべき価値観。知らずそれを胸に抱いていた。知らず、思わずなしとげられていた。そのボランタリーが光る話でした。
『めでゅウサ!!!』
仕事が長続きしない遊佐ヒノメさん。メデューサの彼女は、緊張すると目に魔力が宿る。見つめられた相手は石と化し、そしてこれが仕事を失う理由となっているのですね。
そんな彼女の女給体験。というか、飲み代を返すために働かされてるんですけどね。お金もない、職もない。支払えなかった代金分、働くことになる。バニースーツに身をつつみ、なるほど、メデューサでかつウサギだから「めでゅウサ」ってわけですね。
しかしすごいな、ヒノメ。緊張すると視線で人を石にしてしまう。だから目隠ししてみました! って、前見えとんの? 視線の力が強いから目隠し素通し!? かと思ったら、そうか、頭の蛇の目を通して見えるのかあ。
こんなドタバタ女給体験。見守る先輩バニーが、うっかりお客さんに粗相してしまってピンチです。酔いもあって執拗に責めるお客を止めるべく、ヒノメがとった手段が視線解放! かくしてトラブルも穏便に解決。お客も落ち着き、むしろヒノメのファンになるという!
まったくもって、めでたしめでたしなお話。ヒノメの就職もこれで大丈夫そうですね。
『ホレ薬殺人事件』
魔女から探偵への招待状。ナゾとお菓子でもてなすというそのナゾとはなんなのか? それは愛。あからさまに迫る愛。用意されたお菓子にはホレ薬が盛られていて、しかしここまでする魔女の狙いとは!?
って、ここまでされて自分が目当てとは思わないんだ、探偵ちゃん! 魔女も別に隠してないのに。むしろ直球なのに。どっからどう見てもターゲットは目の前のキミ。出会いのころ思い出してなお、それでも魔女の気持ちを受け入れない!
いや、愛を受け入れる必要まではないといえ、魔女が愛情を向けている事実くらいは受け入れてあげましょうよ!
このままでは迷宮入り!? 迷走を予感させる展開なれど、まさかの魔女の命懸けの策が功を奏し、ここに魔女の思いや成就! いや、むしろ魔女は気持ちを試す必要もなかったのかも。そんな不器用ふたりの愛の探索。なかなかの紆余曲折が見物でありました。
『やきもち焼きのギターちゃん』
お、ムスタングシャツだ。こういうデザインもおもしろいよね。と、このギターシャツ少女、なんと主人公乙葉のギターなのだそうですよ。
人の姿をとって現れたむーたん。乙葉を浮気者と難ずるのですが、その理由は新たなギター、れすぽん。一目惚れして試奏して、その音にやられて買っちゃった新ギター。最近はそればっかり弾いていて、なおざりにされてしまったのが件のむーたん。あまりの寂しさから、ここにこうして人の姿をとって現れたというのですね。
弾いてほしいと懇願されて、ここに久しぶりに弾いてみたムスタング。はじめてのオーナーには死蔵されてしまったむーたん。次のオーナー、乙葉に見つけてもらえて、それから毎日弾いてもらえて、すっかり乙葉のことを好きになってしまった。そしてこうして気持ちを伝えて、どんなギターに目移りしても、きっとむーたんに戻ってくるから。嬉しい言葉をもらうことができたのですね。
そしてその約束のとおり、長く続くギタリストのキャリアのなか、メインであり続けるむーたん。気持ちが通い続けている。それあってのふたりなのかもしれませんね。
と、うちには弾かれていないギターが何本もあるのですが、いやはや、相当うらまれてるかもしれないなあ。引っ張り出して弾かないとなって反省させられました。
『宮下さんはキスがしたい!』
キスがしたい。その一心で生きている会社員、宮下宙。けれど、そんな彼女の性向を知り、言い寄ってくるような男はお断り。下心があってキモい! 切って捨てる宙だけど、そういう宙本人がキスしたいという下心満載で生きている。
そんな彼女のストレス発散。飲み屋に駆け込んで、そこで知りあったきれいなお姉さんにキスをせがむ! って、いいのかそんなので!? お姉さんもそれを通すのか! おそろしいな、酔っ払い!
そしてこの様子を目撃されて、またも男に言い寄られる。望みどおりにいかない宙の毎日。今日もストレス溜めることになりそうです。
- 『まんがタイムきららフォワード』第19巻第8号(2025年8月号)
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