『まんがホーム』2025年7月号、発売されました。表紙は『孔明のヨメ。』。これはお祝いの姿でしょうか。正装の孔明、月英夫妻。お茶の椀を手にする孔明に、扇を持つ月英。これは結婚とか、なにか意味のある姿なのでしょうか。『サレ妻お江戸リコカツ録』は、オランダでしょうか。『フランダースの犬』アロアを思い出させる帽子に、かわいい刺繍のはいった衣装。腕を組み踊るようなお宮と早苗、普段と違い愛らしさいっぱいですばらしいです。『ガチ恋カウント2.9』はスペインあるいは南米あたり? ギター担いで凛々しいメイデン様に、踊ってかわいいリコが対照的で素敵です。
『孔明のヨメ。』
劉備のもとに嫁がんとやってきた孫尚香。それで頭を悩ますのは劉備以下、配下の将軍たちなのですが、じゃあ孫尚香の様子はどうなのかというと、ああ、殊勝なお嬢さん! 劉備の事情も気づかった上で、政略結婚を受け入れている。あちらへもこちらへも思いをいたし、自分のことといえば、正装すなわち鎧と袍にこだわったくらい。でもこれも、正使としての礼を尽くさんとの思い。ほんと、尚香は気づかい上手の素敵なお姫さまなのですね。
でも、尚香の輿入れは劉備陣営にとっては厄介事。劉備を孫権の義弟として目下に置こうとする施策であることは皆も重々承知の上。しかも鎧姿とはどういうことか!? と、ここは誤解なんですけどね。そうした誤解は月英の助言で解かれていって、さらには尚香の人となりも充分に伝わることとなり、ああ、この婚礼、うまく運びそうですね。
そして最後に気になるイベント。尚香と劉備配下の将軍たち、模擬戦なさるの? いやもうほんと、なにがどうなるかわからない。尚香の勇猛果敢なる様、どうかお見せいただきたいところです。
『はなまるゲーセン飯』
東京でアイドルをやっていた女の子。オーディションには合格したものの、なかなか芽が出ず下積みの日々を送るうちに心がくじけてしまった。発作的に故郷宮城に帰ってきたその子、春ちゃん。実家で静養していたところ、おばあちゃんからあがいんにいこうと誘われて、一緒にメダルゲームに興ずる。
その姿は自然体そのもので、子供のころの自分を取り戻すかのようで、そして得ても特になんにもならないメダルを集める、そんな時間を楽しむのもいい。祖母の言葉に心を穏かにする春ちゃんが、おばあさんに応援されていることを知り、そしてあがいんの皆が春ちゃんの活躍を励みにしたりしてくれていることを知るのですね。
そうした地元の皆が春の支えになる。帰れる場所があるということ。気持ちを癒せるホームといえる場所があるということ。その意味。それがよく描かれた一編でした。
『跳べないウサギと神の島』
本編では結構シリアスな展開見せていますが、特別編となればやっぱりなんてことない日常描かれます。今回はツムギ回ともいえるものでしたね。ツムギの家の旅館、玉兎館は大浴場にて風呂つかるリンコやレオたちです。もちろん混浴なんてことにはならないのですが、お湯が共有、というのでツムギがカリカリしてます! ええ、男どもがリンコさまの湯にいらぬこと考えるのが許せなかったのですね。
入浴中も、いろいろ気になるレオです。でもいい子だから、のぞくとかそういうことは考えない。それがリンコには気に食わない? ほんと、無茶するお嬢さん。自ら、男どもの前に姿をさらすとは、とんでもないハレンチ行為ですよ!
しかしこのお風呂、すっかりツムギの影響下なんですね。風呂上がり、ゆったり体を休めるラウンジには漫画がいっぱい。ツムギセレクション! っていうんですが、なんで百合漫画が大量に用意されてるんですか! そんなものは、ご自身のお部屋で楽しみあそばして!? ほんと、島に百合文化を根づかせようとでもしているのでしょうか。いや、しているのかもな……。
基本、レオに敵対するツムギですが、リンコがふたたび玉兎館にきてくれるかもしれない、というのでちょっと態度を軟化させます。いやあ、いいですね。ツムギさん、大好きです。
- 『まんがホーム』第39巻第7号(2025年7月号)
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