『まんがタイムオリジナル』2019年10月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』、天高く馬肥ゆる秋、ゆえに抜けるような秋の青空なのでしょうか。飛行機がテーマですよ。飛行服着た山下さん、ああ、この人、こういうの似合うよね、かっこいいですよ。『小森さんは断れない!』しゅりはキャビンアテンダント。これもまた似合ってますね。『らいか・デイズ』らいかは、あれ、なんだ、スーパーの屋上とかにあったよな、100円いれたらがこんがこん動く遊具。そいつに乗ってて、またそれが楽しそうで、これ、似合ってるっていっていいのか? いい感じに落ち要員になっていたと思います。
『おしかけツインテール』。雛人形の話題だ。そうか、彼女らはまだ春なのか。学校で人形の並びが話題に。それで俊郎に雛壇あるかと聞いてみるんだけど、あの、こっそり買いかねない俊郎ですよ、それを花梨がすかさず制止していく、あの流れ! 素晴しいわ。かと思えば、蔵で見つけた人形、それ見た花梨の心情も俊郎が把握してるっていうの、これもまたいいなあ。ふたり、つきあい長いもんな。傷みのはげしい人形、それを俊郎が修理する、というのだけど、プラモ感覚か! それ、いいのんか? と思ったの、これがまさか伏線になるとは予想もせず、ああ、俊郎、花梨の卒業、ひいては彼女がここを巣立っていくこと、もう考えているのか。それがねなんだか切なくて、そうか、この漫画にも、この三人の暮らしにもいつか終わりがくるのかあ。しんみりとする思いがあったのでした。そうそう、女の子気分のお母さん、めちゃくちゃ可愛かったですよね。さすがこの漫画のヒロインですよ。
『大奥より愛をこめて』。蒔乃のお願い。いったいなんなのか、なにやら大事!? そう思ったら、なんと江戸めぐりですか。観光だ、大奥へのおみやげだ、そういってエンジョイしてる蒔乃なのだけれど、ああ、やっぱりこの人、ただものではないのか? 政治が市中に与えた影響、それを見ようとしていたのか。定信の方針がもたらすもの。規制に鬱屈。さらには景気にも影響するだろうなあ。そうした世情に目を向ける蒔乃、やはりなにかミッションでも背負ってるのかなあ。蒔乃、さらに菜々緒と本堂の仲直りのきっかけを作ったり、いろいろ気がまわるよなあ。仲直りのくだりで見える仕事を離れた菜々緒の側面。それがもうチャーミングで、素晴しかったよね。こうして、ひとりひとりの個性、背景、描き出すところ、実にうまいと思うんですよね。そして今回の落ちもいい。あの本堂の顔! よっぽどだったんだろうなあ。なんせ菜々緒の前だもんな。
『カントリー少女は都会をめざす!?』。アイスをめぐるやりとり、ただそれだけなのに、めちゃくちゃ面白いからさすがです。いつもより高めのアイスを自慢げに取り出す八重。でもセール品だから皆の家にもあってという、そのくだりからね、よくもああした広がり作っていくもんだ。流行にのれていないとネガティブにはまるみな。定番と思っていたアイスが地元限定としって、やっぱりネガティブにはまるみな。いやもう、今回はみなちゃん回かい? 普通当たり前にそこらじゅうで売ってるから、全国区だと思ってた。なのにローカルというショック。ちょっとわからんでもないよな。こうしたみなの心情が面白く、そして八重にわたされるパスですよ。この子、本当に研究とか調べものとか大好きだよな。コンビニ商品の違いを調べはじめる八重、もう生き生きとしていて、この子、素晴しいわ。いずれなにかしらの研究者になって欲しい。この子にはきっとそうした可能性があると思うのです。
『スズちゃんでしょ!』。終わりに向かっているのかな? 祭に動物園のおみやげを渡したスズ。それがね、デートといわれちゃってね、まだまだそこまで話は進んでないんだけど、スズの話しようではいくらでも発展していきそうな雰囲気ですよね? そしてスズの話を聞いて荒れる祭。スズに先を越されたって焦りがあるのか。ここからの祭の行動。職場でのやりとり見てるとですよ、本当にその男でいいのん? そう思われてならんのですが、ねえ、これ恋が底上げしてるパターンよね? 絶対、落ち着いたら粗がいっぱい目につくじゃん。とはいえ、この作家の描く恋愛は割れ鍋に綴じ蓋とでもいうのでしょうか、難有り男女の良縁奇縁といった感がありますからね。スズも祭も、この流れに乗っていくことになりそうですよね。いや、祭の恋が実るかどうかは全然わからんのだけど。
- 『まんがタイムオリジナル』第38巻第10号(2019年10月号)
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