『まんがタイムオリジナル』2018年4月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』山下さんが手にプレゼントの小箱を持って、おお、なんかしてやったって風ですよ。これ、あれか、ホワイトデーのお返しですね。『らいか・デイズ』は、らいかと竹田が背中合わせになって、照れくさそうに、プレゼント渡そうとしているその直前の情景ですね。『小森さんは断れない!』も、お返し渡そうとして照れている大谷ですよ。もう気にせずどーんと渡しちゃえばいいのにね。恥ずかしくて、目もあわせられない。純情少年ってやつですね。
『カントリー少女は都会をめざす!?』。さすがやわ、八重ちゃん。というか、結構、品揃えのいい書店があったりするんですね。旅行ガイドの雑誌コーナー、うきうきしながら見てまわる八重が本当に可愛くて、けど旅行にはいきません。見て楽しむだけ。想像して楽しむだけだっていうんですね。八重の発想がすごかったですよ。東京ガイドをレジに持っていくと、店員さんはきっと東京旅行にいくと思ってくれる。店員さんの頭の中で私は東京旅行ができる! とかいうんですが、それでいいのか、八重ちゃん。しかし、この発想はただものではないですよ。雑誌を見て楽しもう、そうした気持ちは理解できるし、共感する人もきっと多いと思うんです。でも八重の場合、微妙にちょっと常人離れした発想が加わるから、ほんと、このおかしさ。しかし、八重ちゃん、失敗しましたね。おんなじ雑誌買っちゃって、けど、それだけ今回の特集が八重ちゃん向けだったってことなんだと思うんですよ、これ。
『北斎のむすめ。』。ああ、この漫画特有のコメディ要素と大火事の緊迫感、シリアス要素との往復がギャップありすぎて、ものすごく振り回されてる! 遊廓で出火。友人たちが火にまかれているのではないかと駆け付けるお栄。けど、ほんと、助けにいこうにも危ないからと阻まれ、まるで手が届かない。この栄の感じている絶望感、無力感、これは自分もちょっとわかるように思います。私の場合は震災でしたね。見知った神戸の街が燃えている。テレビでその映像を見て、自分のやってきたこと、学んでいるものはなんの役にも立たないって茫然とした。その気持ち、栄を見て思い出して、もう、これはつらい。たまらないものがありました。対して高尾。ああ。この子がこれまでしゃべろうとしなかった理由がわかった気がする。言葉がコンプレックスだったのだろうか。方言まじりのその言葉、これまで頑なに話さなかった、気位のかたまりみたいだったこの人が、揚巻の危機に声張り上げて、なりふり構わず救いにいくっていうんですね。これまでは、功利一本槍だったこの人の、土壇場で見せた激情。たまらんものありましたよ。
『コスプレ先生の絵画教室』。洗濯するの忘れてた。それでななみさんの服を借りようとするまなだけど、ろくなのないなあ! 組み合わせ次第では普段使いも可能。ななみさんはそういうけど、いや、レベル高すぎますよ。一般人には不可能な領域ですよ。ななみいきつけのレンタル衣装のお店。在庫処分のセールをやっている。まなに無理矢理に売り付けようとしてる、無茶そのもののセールストーク。おかしかった。なにかのアニメの制服ですよね!? ほんと、なんでもあるんだな。ほぼ新品でも処分品として売られちゃう、その理由など、なるほど納得、なかなか難しいものですね。まなの気にいったドレス。あれ結局買ったのかな? タンスのこやしになるのかな? そして羽つきワンピース。羽とっちゃえば大丈夫、そういってたのに、面倒くさがってそのまんまにしちゃうんだ! ああ、だんだんまなちゃんも一般人からかけはなれていきますよ。
『スズちゃんでしょ!』。祭ちゃん、料理苦手なんだ。けれど今回やたら頑張ってハンバーグにチャレンジして、苦手の克服? あるいは職場に気になる誰かがいて、料理できるアピールをしたかった? どうも克服の方っぽいなあ。あの、嘘じゃないけど微妙に本当でもないやりとり、おかしかったですね。でもって、祭が料理できないの、面白がってた主任が、どうも祭以上にダメっぽいってわかるくだりもおかしかった。やりとりのはしばし、ちょっとした台詞で状況うかがわせるの、やっぱりうまいなって思うのですよ。そして祭に主任、ふたりしてラーメン男子に敗北する。挫折! 挫折か! しかし、今どき男だからとか関係ないですもんね。オリジナルレシピでミソラーメン作るって聞かされて、ああ、ああ、やる気失っちゃった。けど、これ、本当にショックだったんでしょうなあ。気にせずマイペースでいけばいいんでしょうけど、挫折かあ。今はちょっとした回復期でありますね。
- 『まんがタイムオリジナル』第37巻第3号(2018年4月号)
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