2018年2月17日土曜日

『まんがタイムファミリー』2018年4月号

『まんがタイムファミリー』2018年4月号、発売されました。表紙、テーマは雛祭りでありますね。『大家さんは思春期!』チエちゃんが、割烹着姿でちらし寿司を用意しているんですが、そこに乗せようとしてるウズラのたまごのお雛様。ええ、大変に可愛らしい工夫でありますよ。他に『ちっちゃい先輩が可愛すぎる。』、高瀬と駒井先輩も愛らしくおさまったカットあり。そして『うちの可愛い掃除機知りませんか?』、智枝とアプリもいいカップルになっておりますよ。

『役職名はお嫁さん』。美如の子供時分の話だ! 保育園で、将来の夢を描きましょうといわれて、他の子は、およめさん! とか無邪気に手近な大人像への憧れ絵にしてるのに、ひとり適職とかいっちゃてるの、めちゃくちゃ面白かったです。こういう子、たまにいるよなー、なんて思ったり、けど子供時代美如はさすがだわ。資格や免許に留まらず、勤務体系給与云々を気にするとかね。保育士さんの、ここはハローワークじゃないわが最高に面白い。さらに続いての、職探しよりお嫁さんの方が難しいって先生の言葉に、グサグサと追い討ちかける子供らの言葉! あれ、おかしかったなあ。でも今回、ちょっと切なさもあって、あの将来を思い描けない美如の涙とかね、これ、コメディなんだけどさ、そうした中に、子供でも迷って、わからなくて、それがつらいっていうのね、そういえば自分もあったなって思い出したりして、そして美如のお母さん! この人もちょっと重度の仕事脳なのかも知れないけど、美如との対話、抜群にはずんでいて、ああ、このふたりの関係、いいじゃないですか。でもって、美如という人はこうして育まれてきたのだな、そうしたことのうかがえるエピソード、大変によかったって思ったのですね。ということで、次号最終回。マジか! 単行本出してくれよ! ほんと、電子だけでもいい。お願いしますよ。

『ちっちゃい先輩が可愛すぎる。』。先輩を可愛い可愛いっていうなんて、高瀬くん、あなた失礼ですよ! なんて思ってたわけですが、今回、最後にちょっといい感じじゃん。駒井先輩はちゃんと大人の女性です。でも、せっかくいいこといったのに、余計な一言付け加えるから! ねえ、怒らせちゃった? 笑顔で怒るタイプなの? 職場の懇親会。幹事になった駒井先輩が、可愛い格好してみてくれちゃったりね、でもって面白い趣向、いろいろと考えてくれてるっていうのが、楽しくて、でもって基本外れなしという串のくじ引きね。ほら、こういうの、ひとりだけワサビでカラくて、みたいにしがちなところ、そうはしないっていうのがね、一見外れと思わせても実は結構な当たりなんじゃない? って思わせるところとかね、この先輩の人柄、あるいはこの漫画の持ち味といってもいいのかも知れませんね、やさしげで、気遣いが細やかで、実にいいなって思ったのですね。

『夕暮れ団地の幽霊彼女』。新作です。昔住んでた団地に引っ越してきた貫太。住む部屋はかつての幼なじみの女の子、ミアが住んでいた部屋というのですが、このミアという子が今もなおその部屋に暮らしていて、出てけっていわれるも、その部屋に貫太かまわず住もうというのですね。ミアには秘密がある。私は大人になれない。2年前に死んでいる。幽霊なんだ、地縛霊なんだと。この事実を知らされて、なお動じない貫太。すごいなと思ったんだけど、そうか、驚いてないなんてわけ、そりゃないよな。ミアから見えないところで、事前に知らされていたこと、半信半疑だったところに事実であること突き付けられたということ、明かされて、そうか、これ、知らずにここにきたんじゃないんだ。団地の取り壊しにミアが祟るから、成仏させるべく貫太が送り込まれてきたんだ。ほんと、これ、読み始めた前半と後半ですっかり印象が違ってしまって、うまい導入だって思いました。

『おしかけツインテール』。今回も素晴しかったですよ。夜中に出歩く花梨ですよ。おや、珍しい。そう思ったんですが、そうかあ、前回の蔵の話。そこでの経験が今回の冒険? に繋がってるんだ。夜中出歩こうとしてる俊郎と、眠れないと起き出してきた花梨が出会ってしまうっていうのね。この展開からの俊郎の奇行。それから当たる予感。ほんと、このくだりは最高でしたね。3人で夜中の散歩。なんだかね、この3人、親子みたいな親密さあって、よいなって思いましたよ。自分が子供だったころ、こうして家族で夜に出歩いた時に感じた特別な思い、それを花梨も味わっていたりするのかなあなんて思われて、すごく微笑ましかった。というか、花梨の感慨に水をさす花梨母、これもおかしかった。今回は、花梨の変化、それがよくよく感じとることができて、また俊郎がそうして変わろうとする花梨に成長を思っている様子とかね、それもよく伝わって、感慨深いエピソードでしたよ。知ることで、経験することで変わっていく。新たなことに、価値に気づいていく。その可能性の開かれたこと。ああ、なにか動き出そうとしているようですね。なにか、胸にきざすものありますね。

  • 『まんがタイムファミリー』第36巻第4号(2018年4月号)

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