『まんがホーム』2018年3月号、発売されました。表紙はバレンタインデーの情景ですね。学校にて、引き出しにチョコレートをしのばせようとする『らいか・デイズ』らいかをメインに、しのぶにぐいぐいチョコを与えるあいらが可愛い『王子様育成計画』。そして赤い糸に小指をつながれた『孔明のヨメ。』孔明、月英夫妻も素敵です。他に『転生したら蘭丸でした』、連載決定の告知カットもございます。
『スズちゃんでしょ!』。職場での情景ですよ。おう、と店に入ってきた男性に、つられておうと答えたスズちゃんですが、この人、社長なのか。皆が、久々に見たというその存在感のなさ? いや、存在感とかじゃなく、本当に存在してないのか。実務は奥様がなさってるので、社長は昼間っからパチンコにいってても問題ないっていうんだ。むしろ社長がいると面倒になる。それで那須さん、さっさと逃げて、スズちゃんも帰ろうとするんだけど、あー、若旦那、帰そうとしないぞ。息子ながらも、この雰囲気に耐えられないんだ。いや、息子だからこそなのかも知れないですね。しかし、息子といい母といい、あの手この手でスズちゃんを足止め。剣呑ですなあ。社長、まったく店のことに関わらないわけじゃないようで、たまたま出会った女子高生に親切して、それで店に足を運ばせるとか、いい感じに営業してるじゃないですか。そう思ったのだけど、これ、どうも、たまたまっぽいな。社長の、なににしても風まかせといった自由さ。気楽さ? これ、なんか羨ましくも思うけど、関係者ともなるとそうもいってらんないんだろうなあ。
『ローカル女子の遠吠え』。今回は秋津さんメインだ。なんかいろいろこじれてる人。結婚とか興味ないわ、みたいな顔しながらも、実はいろいろ焦ってる人。そんな秋津さんに、雲春、渾身のつっこみ。ああ、あかんで、追い詰めたらダメだよ。この秋津さんの思うこといろいろ、ちょっとわかるように思うんですよね。おそらく、こうした気持ち抱えながら暮らしてる人は想像以上にたくさんいて、けれどいってもせんないことだと飲み込んで、なかったことにしたりしてるんだろうなあ。そうした切なさ、ひしひし押し寄せるように感じては、この漫画ならではのシビアさに苦笑してね、ほら江崎さんとか、容赦ない感じじゃない? でも、だからこそでしょう、なかなか素直になれない秋津にちょっと兆した変化。よかったなって思えたんですね。というか、この人、とても可愛い人だと思う。その可愛さがよくよく表れた回でありました。
『いじられ課長とギャル部下ちゃん』。河原課長。部下の三崎のその態度、自分の扱いが雑だっていうの、ナメられてるんじゃないかって心配してますけど、これ、端から見てる分には、むしろ親しみ持ってる、むしろ好感持って甘えてる、そんな感じが強いですよね。仕事に対する態度なんかもいろいろ不真面目、問題ありといった風なんですが、いや、でも、正直仕事とか、こういう感じでいいんだと思う。課長からしたら困るんかも知れませんけどね。でも、今回本当に三崎、ちょっとしたことで助けてもらって、おお、そうなるとあんなにも素直に好感表すんだ。尊敬の眼差し? でもって労りの態度? 課長からしたら違う、そうじゃない! だったのかも知れませんけど、いやいや、でもでも、これ、ありじゃないですか。悪くない関係だって思いましたよ。
『守った世界のその中で』。知っちゃいけない知られちゃいけない。なのに、しじみが魔法少女であったということ、気づいた人がいたっていうんですね。小さな女の子。あの時、桜の花を一緒に見た未来が、やっぱりあの人がそうだったって気づいちゃって、それで会いにきちゃって、ああ、これ、どうなっちゃうの? 前回も、こうしたしじみの正体のバレること、すごく懸念されてましたね。なのだけれど、しじみのことを大好きだっていって、それでその身を案じてくれる未来のあり方。親身で、やわらかく、それでいて、しじみに不躾に向けられるカメラがあれば、毅然と前に出て守ってくれるっていうんだ。そうか、しょうこが守ろうとしていたのは、未来のような子からではなく、不躾に向けられる興味に対してなんだ。写真を撮った相手にしっかり釘を刺す、その時のしょうこの様子はなかなかの切れ味でしたね。今回描かれた、優しさや鋭さがしじみをそれぞれのやり方で守っているという様、悪くないと思いました。
- 『まんがホーム』第32巻第3号(2018年3月号)
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