2009年6月19日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2009年8月号

『まんがタイムきららMAX』は、表紙にて大きく告知があって、アニメ『かなめも』7月5日スタート、なのだそうですよ。時間は深夜1時30分。けど、これはテレビ東京での話だから、まあ関西はきっと一週間遅れだろうな、そう思って確認したら、7月7日、ふつか遅れなんだそうですよ。七夕かあ。と、時間も確認したところで、問題は見るかどうかなんですよね。なんだよ、お前、『けいおん!』は見て、『かなめも』は見ないのかよ、っていわれたら、まあ確かに『かなめも』を見ようとしない理由というのもないんですよね。うう、見ようかな。せっかくテレビも新しくなったんだ。録画体制も整ってるんだから、まずは見てみる、のがよいのかも知れませんね。

そして、『かなめも』本編。ああ、なんという可愛さよ、久地院。しかし、それにも増して、はるかの秘密がひとつ明らかになって、 — ということは、あの人、普段は酒気帯びなのか。キレイなはるかがこんなにも珍しいということは、つまりは、いつかこの人、奈良漬になるんじゃないだろうか。しかし、知っているつもりだった人の、知らない表情にとまどう気持ち。その表情の向こうにあるものを思い、そしてそれをこれまで知らずにきたということ、そうしたことにいろいろと思う気持ちの描かれかたはたいへんによかった、そう思います。こういう、感情の、心の動くところを描くと、やっぱりこの人はうまいよな、そう思いました。

『フィギュ☆モ』は実にいい感じ。なんか歪んじゃってるような女の子が、ドールと会話をしちゃっている。しかし、それは腹話術なんかではなくって!? 変わりもので捻くれものと見せて、なんだか結構ツンデレっていう、なんかいいぞ、これはいいぞ、そう思わせるものがあって、いやほんと、私もちょろいな、ちょろいよ。しかし一番最後のページ、大オチのカバーしている範囲がどこまでか、それで随分解釈が違ってくるんじゃないか? ただの痛い娘なのか、それともままミステリアスであるのか。どっちでもいいなあ。どっちに転んでも面白いんじゃないかな。そんな感じで、ちょっと期待してしまっています。

『りくのすてーじ』、なんかいい感じ、面白いな。キャラクター、というか、絵の描き方の可愛さで押し切るのかなって思ってたけど、それだけじゃないなっていう感じがして、思った以上の好印象です。最後の先生の置かれた状況、あれが駄目押しになっていたと思います。

兄妹はじめました!』、妹が生まれて、少しずつ変わっていく兄妹の関係。それは今までのままのようであり、けれど今までとは違う、そうしたところが見えてきて、そうした変わりゆく関係が、次回どのように決着するのか。来月、最終回! おおう、ついにこの日がきたか。心して待ちたく思います。

天然女子高物語』。ああ、私も眠れる獅子です。いや、僕は風に向かって立つライオンでありたい。しかし、相変らずのシビアな台詞の応酬。面白いなあ。にこにこしながら、実に酷い。それは天然なのか。けど、そういうシビアさが実によいです。

『表色89X系』、ダイエットの話。『くすりのマジョラム』もダイエットの話。まあ、後者は痩せるのが目的ではないんですが、けれどどちらも筋肉つけましょうという話で、けど全然テイストが違っているっていうのが面白いなと思って、そしてそれは色気のうんぬんについても同様。想像させる婀娜っぽさは、前作もそうでしたけど、『マジョラム』、かなりのもので、そうか、やっぱりそうくるのか、実にいい感じです。しかし、どちらもヒロインが実に魅力的、読んでいて楽しいです。

『つかえて!コハル』、ゲスト後半。仲違いまでのプロセス、そういうのいいってという言葉の強さ。それまでも、それからも、べたといえばべたな流れですけど、そのべたさはよかった、そう思います。

『ストロマロジック』、来月、最終回! がー、ナンセンスで結構面白かったと思ってたんだけどな。今月は「押し売り忍者!」の最終回? ということは、来週は「炭酸飲料一気飲み部」の最終回? なんかいったりきたりする、この不思議な感じが面白かったんですよね。特に、忍者の、突飛な設定なのに妙に日常の生活感があふれているという、そこが気にいってました。残念です。

ぐーぱん!』、トランクスを愛用する女性はまれにあるという話で、締め付けが少ないから楽だとかなんだとか、そういう話もあるから、あれは結構ありなんじゃないかと思ったり。

はなまるべんと!』もいよいよ佳境の模様です。これまで、ちょこちょこと語られていた、スズとちか、あやめの関係、そしてちかの周辺がはっきりと描かれて、こうしたいろいろが影響してちょっと変わってしまった、そんな彼女らの関係が、もう一度、以前のように戻れるとよいな、そんなこと思うほどにしんみりとさせる回でした。好きだったんですね、あのわきあいあいとした雰囲気が。だから、次のちかの行動、それがどうした動きを生みだすのか、それが気になってしまいます。

『あぶさーどライフ!』、『PHz』、『つばき絶対数値』、次号、最終回! 『あぶさーどライフ!』は、松原舞がなんだか妙に気に入っていて、あの目が小さいところ、全然可愛くなくってさ、けれどそれが変によかったのでした。『PHz』は、ここにきて剣劇持ち込むなど、結構なはっちゃけぶりで、惜しいなあ。だんだんに面白くなってきてると思ってたんだ。そしてそれは『つばき絶対数値』もそうで、なじんできたかなって思ったころに訪れる別れ、そいつはちょっと悲しいものがあります。まあ、もう慣れっこなんですけどさ。

『ぽすから』、なんだ、この気恥ずかしい青春。しかし、微妙に踏み込んで、けれど踏み込みきれないという、こうした距離感のもどかしさ。それがすごくよいなと、忘れてた感覚を思い起こさせてくれるように感じます。しかし、こんな時代は私にもあったのかな。もうなにも思い出せないけれど、だからこそ、『ぽすから』に描かれる情景、それにひかれるのかも知れません。

超級龍虎娘』の、意外にもてもてな主人公。しかし、あまりに低い自己評価が、そのもてている状況を気付かせないという悲しさ。いいね、いいよ。どんどん裏に裏に張っていく、その裏目感が最高です。しかし、龍楼は可愛い。その龍楼のいう、毬虎のイヤラしさ。そういう人のイヤラしいところを描いて、なお魅力的というキャラクターの強さ、それが大変によいと思います。人は、漫画のキャラクターも、いい顔だけじゃつまらない、そんなことを思わせてくれて、楽しい漫画です。

『R18!』が面白かったよ。いや、面白くてもいいんだけど、ゲームの立ち絵に関する話、こういうちょこっと解説してくれるようなところ、それが私をひきつけるみたいです。ところで、私はあの突起の表現、あれが嫌いです。

まん研』はギャルゲーの話題。そして、今さらながら『ときめきメモリアル』は偉大だったのだなと実感してみたりして、だってここに出てくる代表的なキャラ、網羅してたんじゃなくって? 幼馴染み、ナイスバディ担当もいた、けなげな下級生もいた、クール系いた、文学少女いた、おっとりさんいた、ツンデレはどうだっけ? 極めつけは、色物なんだと思う。マッドサイエンティストがいた。そして、異性装もいた。あれだけ古いゲームだけど、ギャルゲーの基本形というものを確立させた、それだけのことはあったんだなと思わせて、ところでメインのヒロインがメガネって駄目ですか? 少なくともあのコマ、私にはガツンときたんだけどなあ。ところで、私はパンツ見せは嫌いです。

そして僕らは家族になる』はシリアスを継続させて、知っている人の、よく知りたい人の見せる、知らない表情。だんだんに距離を縮めてきた、けれどそれでもまだ埋まらない距離があるということを実感させられて、しかしそれを埋めようと踏み込む鈴音がいじらしくて。そういえば、鈴音のアドバイス、ドラマはまだまだいっぱいあるし それと同じくらい好きになるのがきっとあるよ! 昔、これにほぼ同様のアドバイスをうけたことがあって、まだふられてへんっちゅうねん、というか、そのアドバイスの主のこと私は蛇蝎のように嫌っていたから、もう全然心に届かないのね。けど、それが鈴音さんのようにしてなされたアドバイスだったら、受け入れられたのかな。どうなんだろう。しかし、彩子さんのようになされるはげましは、ちょっと危険です。ありゃあ駄目だよ。眠れる獅子も目を覚ましてしまうかも知れません。ともあれ、親身にあろうとするふたりの、その心掛けの綺麗さに、なんかほっとさせられるものがある、そんな気がします。

  • 『まんがタイムきららMAX』第6巻第8号(2009年8月号)

引用

  • さだまさし『風に立つライオン
  • ねことうふ「つかえて!コハル」,『まんがタイムきららMAX』第6巻第8号(2009年8月号),91頁。
  • 荒木風羽「そして僕らは家族になる」,同前,195頁。

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