2009年6月5日金曜日

『まんがタウン』2009年7月号

今日は5日。『まんがタウン』の発売日です。私の購読している、唯一の芳文社以外の四コマ誌であります。表紙は伝統的に『クレヨンしんちゃん』、と思ってたら、今月は『そんな2人のMyホーム』の舞も大きく扱われていて、ちょっと雰囲気違って感じます。けど、なんだか舞さんの頭がおおきくて、不思議な頭身です。表紙に、デフォルメされてるわけでない人物の全身をいれようとすると、こうなってしまうんでしょうね。となりにいるしんのすけとの対比がちょっと面白い感じです。

さて、『クレヨンしんちゃん』は、今回はカラーページ、4ページだけです。いつもはひまわりとかあって、ページ数も多いんだけど、単行本のからみかでページ数少なめでした。しかし、いつにないみさえの神経質な態度、それで自分からしくじるという、そのわびしさ。よくある話というか、その落ち込みようはひとごととは思えないものがあって、ええ、私もこんなことはよくします。共感度の高い話でありました。

『そんな2人のMyホーム』は、子供時代の思い出編が終わり。どろっどろになった舞が大声で泣きながら雨にうたれて帰ってくる。そこにいたるまでの流れ、切ないものがあって、ヒロちゃんの子供らしいエゴ、それが舞を傷つけたと、当人が今も忘れず覚えているから、ああしてすんなりと身をひいたんでしょうね。これは、今となっては、傷つけた側のほうが辛いんじゃないだろうかな、なんて思うような話でした。

三色だんご』は、早くもピークを過ぎてしまった市川さんが悲しい。けど、なでしこにせよ、よもぎにせよ、市川さんを心配してくれているっていう、そういうのが伝わってくるのはいいなと。素直でないなでしこ、ろくでもない女だけど、それでも悪い女じゃないんだなあ。そんな、ふたりの独特の距離感、なんか同志みたいなさ、悪くないなあ、そんなこと思います。

『天下無双!恋メガネ』は、はやりの草食系、肉食系とやらを扱って、そして実に素直でしっくりとくる、そんなラストに向かって、いい話でした。ありきたりの枠組みに押しこまれて、それでわかったように扱われることが嫌だっていう感情はよくわかります。実際この漫画の登場人物が、それぞれの個性を見せてくれるように、現実の私たちも個性的であるわけですから。だから、各自自己申告の、独特の系でいいんだろうって思う。けど、そうすると私はなんなんだろう。ちょっとの付く系っていうのが思いつきません。しかし、誤解されている連須くん、今日はもう早退したいっていうのがしびれました。むくわれない兄さんだなあ。

ほほかベーカリー』は、ついに三谷の悲願がかなうのか? と思わせて全然そうじゃないっていう、そのむくわれなさよ。なんか、むくわれないってばかり書いてるな。しかし、自分の酷い部屋だけど、こうして他人に、それも好きな女の子に掃除してもらいたいとは思わないなあ。見られてマズいモノがある、思い切って捨てられたら困るモノがある、理由はいろいろ。でも、それですましてちゃいかんなあ。最後の猫と犬の一本、面白かったです。

『りさいくるくる繁盛記』、田中なつが帰ってきた! 嬉しいな。ちょっと凝った設定。けれど一本一本の四コマは、シンプルなわかりやすさを残しているから、読んで、ピンときて、楽しい。この人のらしさ、味は変わっていないと感じました。

『70's 愛ライフ』、私は子供のころ、門扉のあたりで遊んでいるところを、訪問販売に蹴りとばされたことがあるそうですよ。断わられて、むしゃくしゃきたんでしょうが、それにしても酷い。父親が怒ったそうですが、でもまあ、これが昭和という時代なのかな? 英語の教材とか学習教材、そういうのは確かに訪問販売で扱われてたけど、うちでは買わなかったです。酒屋の御用聞きとかも見たことないなあ。学研はとってました。基本は科学、ふろくによって学習、どちらかしかとってもらえなかったんですね。まれに両方とってもらっているのがいたりしましてね、そのブルジョアぶりに激しく嫉妬したものでしたよ。うちには、学研のおばちゃんが届けてくれました。月末が楽しみでした。

光の大社員』、秘書のちはる君はどれほど魅力的なんだろう。振り向きもせずにダメです。しびれる。でもって、ちょっとおやつなんて風な扉なんてね、もう、どうすりゃいいんだろう。身をもっておみそシりましたよ。「ファミレスでマジシャン」がすばらしい切れ味。「リアルフェイクスイーツ」もまた強烈で、このナンセンスの畳み掛け。最高であります。

『めいみん。』の中国語ネタは香港脚ときて、いや、これは知りませんでした。なんで香港なんだろう。メイミンの書いた変体仮名の連綿ですけど、昔は読めたこれが読めなくなっているという衝撃。白雪はかるしうらすやそらの青 うみの青にもそますたたよふ? わかんない。青はどう見ても違うと思うんだけど……、わかんない。そして忍者係長ならぬ忍者メイミン。思いの外、似合っていると思います。

『よせ☆あげ』のツタンカーメンには、不覚にもやられました。無駄にゴージャス、きんきらきんだから黄金のマスクみたいに見えるのか。しかし、子供の遊びましょの感覚で名前を呼ぶ、なんか無邪気っぽくて微笑ましいなあ。やられると迷惑だろうけど。『みねちゃんぷるー』、あきらめるのはまだはやいよ! 切って切って、無我夢中で切りまくっていくさなかに、切るということがわかる瞬間がくるはずだよ! って、切られるほうはたまったもんじゃないですね。

  • 『まんがタウン』第10巻第7号(2009年7月号)

引用

  • ÖYSTER「光の大社員」,『まんがタウン』第10巻第7号(2009年7月号),108頁。

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