『まんがタイムきららフォワード』2017年8月号、発売されました。表紙は『ゆるキャン△』。なでしことリンでありますね。お、これは夏キャンプ? ごちゃっとした感触。これ、大きなハンモックですか? くつろいでるふたりの様子なんだけど、ただただ楽しそうななでしこと、雑誌読んでる? 大人びたリン。見事に対照的で面白い。かたわらにはワンコもくつろいでる。ちょっと見えにくいけどね。ほんと、涼しげな風の吹く、そうした心地良さ感じさせるイラスト。今の季節にぴったりです。
『こじらせ BOY meets GIRL!』。ずっとぎくしゃくしてた亨と柚貴ですけど、和解したと思ったらさっそくイチャイチャですか!? いや、柚貴がぐいぐいいってるだけか。この柚貴のくったくない態度がすごく愛らしくっていいですよね。亨にとってはそのさっぱり感が誤解のもとになってしまってたんでしょうけど、いや、いいですよ柚貴。その柚貴が部活をはじめました。友達の内海鈴、って、亨さん、覚えてないの!? クラスメイトでしょう!? って、私も全然クラスの人間覚えてなかったからどうこういえたもんじゃありません。でも亨の女子に特段の興味がなかった理由というのが、柚宇以外に興味なかったからというもので、まあ、いいのよ、そのまま柚貴さんにシフトしちゃったらいいのよ? あるいは柚宇のままでいいじゃないか! ともあれ、家庭科部に入った柚貴の高揚、やる気、まぶしいですね。ほんと、こいつぁ亨も圧倒されるわけですよ。生き生きとして元気で、そう思ったらちょっとしおらしい顔も見せて、ええ、亨、いつだって陥落しちゃうんじゃない? みたいに思わされた今回でありました。
『あんハピ♪』、なかなか面白い授業じゃないですか。体育祭のご褒美だっていうんですが、読書自習。授業をお休みして皆で本を読みましょう。じゃあ好きな本読めばいいのかと思いきや、そうじゃない。ええ、これが素敵なんですよ。読む図書は推薦制。互いに本を推薦しあって、それを読もうというんですね。本をお薦めする基準もいろいろ。自分の好きな本を薦めることあれば、相手が好きそうな本はどんなのだろう、考えて選んでいくっていうのがねほんと魅力的で、チャーミングで、生き生きと持ち味発揮していくぼたんもよければ、いそいそとお薦め選んできてくれるはなこも本当にいい。ええ、これ実際には成り立ちにくいかも知れないけど、いい授業だと思いましたよ。そしてヒバリの家に次々起こるトラブル。これ、どういうことなのか。ただの不運ってことでいいんでしょうか。いや、なんかあるんだろうなあ。
『ゆるキャン△』、これ素晴しかったな。新年ですよ。皆でお参りにいって、そして初日の出を待つという、そんなシチュエーション。と、その初詣組はあき、イヌ子、イヌ子の妹チビ犬子、そして先生。リンは磐田でひとり行動ですよね。なでしこと恵那はバイト中。ええ、わりとばらばら、別れて行動しているんですけど、それでもばらばらな感じがしないのがすごいんですね。これ、スマートフォンやSNSの発達でいつでも連絡とりあえるからじゃないと思う。もっとなにか近しいものがある、そんな風に感じられるんですね。今回も、いつものように、いろんな場所の見せ場、食事などが紹介されて、それはそれは魅力的で、でもそれ以上にインパクト与えたのは、ええ、初日の出。初詣組は身延山山頂から。リンは海岸から。それぞれに初日の出を拝み、写真を撮り、そのふたつの景色が並んだあの見開き! そして2枚の写真がなでしこに伝わる。素晴しかった。細かな見どころあり、大きな見せ場あり、こんな静かな話、穏かな漫画だというのに、おそろしく豊か。ぐいぐい引き付けられるものあります。
『はるかなレシーブ』、これも読ませます。ようかんとはるかなの戦い。はるかをクリアすることで、かなたの負担を増やすという策でもって、第1セットをものにしたようかん。はるかなはこの状況をどう超えていくのだろう。いや、だって、ここではるかなが敗退って、そりゃないでしょう。ようかんの思いもわかります。彼女らもそりゃ応援したい。でも、これまで描かれてきたものを思えば、決勝ではエクレアとはるかながぶつからざるしかないじゃない。その予測をはずしてくるのかなと思ったりもしたけれど、いやいや、ここでその展開はないだろうよ。ええ、はるかなにも策がありましたね。そうか、はるかに隠してきた技がある。それをここぞという場面で出す。その時がくるまでの描写、じりじりとした焦り、緊迫感が見事で、でもなにかくるという予感はいよいよ高まって、いつくる、どうくる、と、その時にかなたがはるかの気持ちをはぐす。ああ、これは読者にもひとつのクッションとして働きかけました。でも、それだけじゃなかった。話に緩急つけただけじゃなかったっていうのだから素晴しい。ええ、はるかの秘策、その効果が最大限に引き出されたのは、かなたのブレイクがあってこそじゃないか。どちらもここで負けるわけにはいかない、そうした気持ちを抱いていて、だからこその熱戦。そこに勝つとはどういうことかという根幹にまで踏み込んで、ああ、火がつきましたね。ここでまた大きく変化し直球で勝負していこうと決めたようかんの姿に心がっちりつかまれてしまいましたよ。
- 『まんがタイムきららフォワード』第11巻第8号(2017年8月号)
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