『まんがタイムきららミラク』2017年8月号、発売されました。表紙は『うらら迷路帖』。ひとりたたずむ紺なのですが、その引き込まれそうに深い目のこちらに向けられた様など、すごく力を感じますね。手にはキツネの面。背景は夜の町、その暖かみある光がにじんで、そして紺もオレンジがかった光に照らされて、とてもきれい。物思い? それともなにかを見ている? ミステリアスなその雰囲気が実によい表紙です。
『ビビッド・モンスターズ・クロニクル』、扉の先生、素敵だなあ。さて、夏休みも終わり時期。宿題が終わってなくて憂鬱な人がいれば、とっくに普通に終わらせて余裕のある人もいる。まったくもって優等生そのものといった発言してるキャロが素晴しいですよね。ええ、ええ、おっしゃるとおり。なお私はばりばりのボンちゃんタイプでした。あらわになるあんこの闇の側面。うん、あんこさん、大変だ。そして最近姿を見せないヒカリが、すっかり社会人とか思われちゃってるのね、面白いなあ。夏の終わり恒例のイベントとか、イベントで有利になるようギルドメンバー集めを考えてみたりね、ゲームについても語られたりしたのですが、ギルメン集めって失敗すると崩壊の危機がくるよ。実際今回はこれだって人がいなかったようで、ええ、いい人はもうどこかに所属してるよっていうの、ああ、これは真理だ。深くうなずかさせられるものありました。そしてボンちゃん、面白いですね。宿題のためにログアウト。かと思ったらあんこの家からログイン。ああー、これはあかん。結局遊んじゃうパターンですよ、これ。
『秘密の飼育部』、前編です。驚きました。『ビビモン』のキキの新作。これ前後編で終了なのかな? 好評だったら続く? そうしたら『ビビモン』との2本だてになる? 大変だ! というか、イレギュラーだなあ。飼育部が舞台? でもこの部で飼育してるのマリモなんだ。マリモってちゃんと育つものなんですか。よく知らないんですが、ともあれマルチェリーノ三世がもともとはアデリーヌだったということはよくわかりました。乱暴にしたらバラバラになっちゃったって、しかしそれで名前つけなおしてってね、おかしな活動しています。というか、マリモって飼育するものなの? カルチャーショックだわ。この漫画、なにが秘密なんだろう、そう思ってたら、ヒロイン守山海子のリュックの中身。なにかいる。パンを食べる。ガツガツ食べる。しかしこの謎の生き物。生き物!? リュックから逃がしちゃって、それが同じクラスの柴田杏樹に知られることとなって、というのですが、ほんと、これなんなのだろう。普通の動物とかではなさそうですよね。
『広がる地図とホウキ星』。ヴェリの家に滞在するリン、ゼルダ。彼女らのところにヴェリの姉がやってきて、お、宿題してるこの子らに差し入れしてくださるの? と思ったら、これ違うな、遊びにきたんだ。お茶目な姉さんです。そして下の姉さん、ズィータもやってきて、この人、なんか素直じゃないけどちょっと寂しがりやの可愛い人っぽいですよね。妹、好かれてるなあ。姉ふたりの使う魔法は占いなんですね。長女はプリズムと砂を使う。おお、なんか神秘的! 次女の魔法は同じく砂と、そしてぬいぐるみを使って、って、待って、なにそれ、なんか見場がすごく悪くない? ほんと、おかしかったです。そしてこのふたりの占い、ちゃんと当たってるんですね。リンたちが取り組んだクエスト、ピラミッドで出会った女の子、ピラミッドの主というのですが、この子の正体と、そしてリンたちが彼女に与えたものの大きさ! エピソードを通して断片的に語られてたことがひとつにまとまるその瞬間、ああ! 驚きも喜びもあれば、情にしみる切なさもあって、ああ、よかったなって。その時のリンたちの選択、それがとてもよかったなって思ったのでした。
『鬼の寮母さん』。連続掲載1話目です。犬飼琴葉の暮らしている寮、おとぎ荘はちょっと変わっていて、寮母さんが人間ではありません。鬼です。いや、鬼といっても赤かったり青かったりするわけじゃないんですね。なんか素敵なお姉さん。頭にちょこんとツノがあるくらいで、他は人とそう変わらないように見えますね。琴葉が帰れば薄暗い台所で黙々と包丁を研いでいる。ああ、これは昔話にいう山姥みたいなやつ? と思ったけど、そうでもないみたいんですね。そうか、桃太郎にすっぽかされた鬼なんだ。ひとりただただ待ち続けた、そのせいですっかり気持ちがひきこもりにシフトしてしまって、結果対人恐怖症。電話も怖い、来客も怖い、宅配便も受け取れない、って、寮母さん、どうやって生活なさってるの!? この仕事は桃太郎から紹介されたのか。そうか、桃太郎とはいい関係築いてるんだ。このいろいろ弱々しい鬼のお姉さんをはげましたり頑張るようしむけたり、そうやって琴葉に背を押されるようにして成長していく鬼のきさらぎさんの話なのかな? ところで琴葉が犬飼なら、猿と雉もいるのでしょうね、きっと。どんな人たちかちょっと楽しみですね。
- 『まんがタイムきららミラク』第6巻第8号(2017年8月号)
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