2025年9月24日水曜日

『まんがタイムきららフォワード』2025年11月号

 『まんがタイムきららフォワード』2025年11月号、発売されました。表紙は『しゅがー・みーつ・がーる!』。美都と甘那、ふたりでお出かけ? お揃いのセーラー衣装は元気さと愛らしさが同居して、そしてトロピカルなドリンクをふたりでシェアするその様子。照れながらも懸命にクールを装う甘那が、そしてただ爛漫と嬉しさをほころばせる美都が、ふたりともにこれでもかとかわいらしくいらっしゃるのですね。しかし、いつになく表情をやわらげたふたり? その服装もあるのかな? 普段以上に幼く感じさせられて、ふたりの中学時代など思わせたりする雰囲気ですよ。

今月は新規ゲストが4本です。

『お姉ちゃんは宇宙人!』

おそろしい漫画だな! いやね、だって、姉が実は宇宙人でした。しかもアナクロタコ型宇宙人。人の皮を着込んで、この家の長女に擬態している。じゃあ本当のお姉さんは!? と思ったら、もともといませんでした。家族をしれっと洗脳して、長女のわたしがいることにしちゃってたというのですね。

そんな姉の本当の姿を目撃してしまった妹よ。いやもう、そんなカジュアルに家のなかで正体あらわにしていていいんですか、お姉さん! おかげで思いっきりバレてしまって、よくこれで今までバレずにきたもんだよ。と思ったら、そうか、バレてたんだ……。でもってそのたびに、記憶をいじっていたんだ。

おそろしい漫画ですよ。

でも、姉にいきさつを聞かされて、誰にも秘密は話さないからと洗脳を勘弁してもらった妹さん。気を許した姉のしくじりに驚かされながらも、また優秀でけれど時に個性的すぎる姉の言動に納得しながらも、ふたりの関係はかわらず進んでいく。

そしてそれは、宇宙人を取り締まるというエージェントに踏み込まれてなお変わるところはなかったんですね。

出オチみたいな漫画でした。けれど、そうでありながら姉と妹の関係、ずっと姉に憧れてきた妹の心情もろもろしっかり描いて、しっかりと物語を引き締めていました。これからも続くふたりの関係に安堵させてくれるラストを引き立てて、ああおもしろかったなという感情とよかったと思う気持ちの残る、よい小編にしあがっていたと思います。

『ミッドナイトエラー』

夜の学校に忍び込んで、バール片手に狼藉はたらく主人公。と思ったら、学校に暮らしているというのが出てきたり、さらには夜の教室でお祈りしてるのまで出てきたり、なんだこの学校、不審人物が多すぎないか?

というところからスタートしてみせて、実際それぞれが不審人物というのだから困る。お祈り少女は月が落ちてこないように祈祷しているとかいっちゃってるし、と思えばバール子は校舎の窓を躊躇なく割る!

あかんやつや! と思うも、このあかん行為が話を進めるのには驚いた。というのもがっこうぐらしのお嬢さん、実は魔女でこの学校に封印されている。それが窓の破壊でだんだん自由を取り戻し、でもって解放された魔法の力でもって、実は幽霊だったお祈り子に力を提供! かくしてバール子のおかげで魔女子も、さらには幽霊子も自由を取り戻すにいたるっていうんですね。

で、バール子なんですが、この子は普通の子なの? とくになにかのっぴきならない理由があって、夜の学校に出入りしてるわけじゃないの? だとしたら、一番あかんのはこの子なんじゃない!? ともあれ、この子の話した、皆を閉塞感から解放するという使命。あながちウソではなかったんですね。

『その魔法少女は、呪われている』

長期にわたり繰り広げられる魔女と魔族の戦い。それは孫子の世代にまで引き継がれ、ともないその末裔ヴァレとノカも争いを続ける運命にある? けれどそうした因縁は、だんだんと形骸化していっているのかもしれないね、というお話。

ノカの呪いで、素直な魔法少女に変化させられたヴァレ。ふたりともが世界を超えて、我々、普通の人々が暮らすこの世の学校に転移してきてしまった。突然のコスプレ少女にざわめく生徒たち。逃げ出すも、ヴァレは学校のなかで迷い、そして教師にサボりと思われてお説教。てんやわんやの騒ぎのなか、魔法少女好きという子にお弁当わけてもらったりと、交流持つにいたるのです。

助けられて、また恩を返してと、そうした先に描かれたのは、魔女と魔族と、そして人間と、種族を違えた子たちの対話。これまでは相容れなかった。そう思っていたヴァレとノカだけれど、そうじゃないんだと人の子が教えてくれて、いずれまた会いましょう。そんな感じで別れてゆくのは、すなわち友達としての約束が結ばれたのありましょう。

これまでも決して仲が悪かったのではなかったと思う。ただそれを素直に伝えられなかった。その素直がここに果たされた、というお話と感じました。

『解放☆マジカルパワー』

魔法少女って大変だ。人に隠れて、ヤバいバケモノと戦う日々を送るはなつ。しかしそのせいで日常生活はがたがた。夜寝るだけじゃ足りなくて、授業中も寝ていたら、成績なんてからっきし。教師の覚えもめでたからず、かくして厳しい風紀委員長に毎日追い立てられるようにして、課題やら反省文やら、やっつけるはめになっているというのですね。

この風紀委員長。はなつに興味があるという。少なくとも、そうした問に同意した。ということはもしやお友達になれるんじゃ!? なんて夢見るはなつだけれど、そうした夢は儚く散るのであります。

というのも、風紀委員長の正体は悪の魔法少女。風紀委員の立場を利用し、はなつの力を探っていた! 突然明かされる衝撃の事実に戸惑うはなつを、容赦なく襲う悪意! しかし正義の力か、願う力か、はたまたはなつのやけくそか、縛られる心を解き放たんと、悪の魔法少女ユイコに歩み寄るはなつのその思い。

ああ、通じたのかどうなのか。ユイコはこの場から姿を消し、かくしてふたりは別れ別れに? と思ったら、翌日も普通に課題につきあってくれるんじゃん!

こうして友達になったふたり、といいたいけど、ユイコから殺意は消えていない。この運命をはなつはくつがえすことができるのか? ええ、いずれ見事にくつがえしてほしい。その暁には、ふたり名前で呼びあう以上に深い関係になれるといいですね!

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