昨日の続きです。
『まんがタイムきららフォワード』2025年11月号、『球詠』
ものすごい緊張感。
同点で迎えた最終回裏。姫宮にランナーを許し、さらに盗塁、二塁にまで進まれてしまう。この時点で、ノーアウト。一発でもヒットが出たら逆転? アウトをひとつとるもさらに進塁され、ゴロやフライでも逆転。スクイズだってあるかもしれない。さらにピンチに追い込まれてしまう新越谷です。
ここから続く攻防、かけひき。いかに打たせないか。いかにアウトをとっていくか。ピッチャー、キャッキャーの交換する情報、それが重なるほどに緊張感も増すようです。新越谷のメンバーたちもその緊張感を共有し、失敗は許されない。ひとつのミスも負けに直結する。
そんなプレッシャーのなか、ひとつ、またひとつとアウトをとっていこうとするのです。
けれど、ほんとにまさかですよ。あと一球でこの回が終わる。ここに光の渾身の一球が打者を打ち取る。打ち取ってくれるだろう。そう思わせてからの描写の刻みがすごい!
ただの一投に1ページ、また1ページと重ね、そしてついに放たれた球は、あろうことか制球ミス! 瞬時青ざめる光に、同じくなぜここでという疑問にとらわれる仲間たち。打者のバットはボールを捉え、センターに運ぶ! どうかフライになってくれという思いも虚しく、ボールは外野に落ち、勝利を確信した姫宮!
ああ、ここで新越谷の夏は終わるのか。瞑目したそのとき、岡田が前に出ていた!
初回の読みでですよ。あまりの緊迫感に耐えられず、光の制球ミスから岡田の返球がアウトをとるまで、ものすごい勢いでページをめくって、一気に読み進めてしまった。そうでもしなければ到底耐えきれなかった。読んでるだけでそうなんだから、こうした局面に立つ選手たちはどれほどの重圧を受けるのでしょう。本当、息詰まるとはこのことかと思いました。
一息に読み進めてしまったもんだから、機微なんてものはわからない。ということでふたたびページを戻して、今度はじっくりと読みました。そして迎えるタイブレーク。そこで出たホームラン。ああ、タイブレークだから、これで3点はいるのか!
これが決勝点となるのでしょうか。続く裏の攻撃で、姫宮がいかながんばりを見せるか。あるいは、緊張の糸が切れてしまったそのままに敗退していってしまうのか。
いやほんとう、姫宮の選手の心情も描かれるから、彼女たちの大会がここで終わるというのもまたつらいのですよ。もう今月は、このエピソードひとつ読むだけで息もたえだえ。ここでリタイアとあいなりました。
- 『まんがタイムきららフォワード』第19巻第10号(2025年10月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿